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避難所運営等に関する各種ガイドラインについて

避難所は、大きな災害が発生した際には、多数の被災者が避難生活を送る場となるので、それに見合った生活環境が確保されることが重要です。被災自治体において、こうした観点から適切な避難所運営が図られるよう、内閣府防災担当では、平成28年4月に「避難所運営ガイドライン」、「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」、「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」の3つのガイドラインを公表しました。

「避難所運営ガイドライン」は、災害対応の各段階(準備、初動、応急、復旧)において、平時からの庁内外の連携協働体制の確立や避難者の健康の維持という観点を重視するとともに、トイレ、寝床、入浴、ペットなど忘れられがちな細かな対応業務なども明示して、実施すべき19の業務を具体的なチェックリストで整理しています。今般の熊本地震においても、本ガイドラインに沿って、簡易ベッドや畳等の整備やプライバシー確保のための間仕切り用パーティションの設置、冷暖房機器、仮設洗濯場、簡易シャワー、仮設トイレの設置等を進めるよう被災自治体に通知し、段階的ながら整備が進められたところですが、市区町村において、災害時に避難所運営をおこなうことを見据えて、平時から積極的に本ガイドラインを活用していただきたいと考えています。

「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」については、特に、福祉避難所の指定のため、平時から取り組むべき事項を重視するとともに、東日本大震災の教訓を考慮し、要配慮者の支援体制の確保、移送手段の確保、避難者を適切な避難所に誘導するための工夫等がなされています。

「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」は、災害時にトイレが不衛生であるために不快な思いをする被災者が増え、トイレの使用をためらわれることによって、排せつを我慢して水分や食品の摂取を控えることで、健康の悪化や、最悪の場合は生命の危機を及ぼすことにつながりますので、トイレの確保や管理が重大な事柄であることを強調しています。本ガイドラインの中では特に、過去の災害の事例や国内外の基準を踏まえ、避難者約50人当たり1基を洋式トイレの設置目安として示し、各種災害用トイレの組み合わせ例や、計画的にトイレを確保するための必要数の見積もりツールを提示するなど、各自治体における避難所設置の際の具体的な目安になるよう、その取組を示しています。今般の熊本地震において避難所運営を担当された職員等からも、高齢者が和式トイレを使用できなかった、男女別のトイレの配慮が必要、ノロウィルス等が発生して清掃や消毒方法に苦慮した、などの様々な課題や意見が寄せられていますが、避難生活におけるトイレについては、本ガイドラインを参考にしながら、今まで以上に強い問題意識を持って捉えられるべき課題です。

以上のように、内閣府防災担当では避難所における良好な生活環境を確保するための各種ガイドラインを公表して周知を図っているところですが、地方自治体においては、平時から準備を進めていただくことが大切です。これらのガイドラインを参考にしながら、災害の発生に備えた取り組みを進めていただくようお願いします。


  • 避難所運営ガイドラインのチェックリスト例
〈内閣府(防災担当)被災者行政担当〉

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内閣府政策統括官(防災担当)

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