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「防災4.0」未来構想プロジェクト有識者提言公表について

昨年12月に河野太郎内閣府特命担当大臣(防災)を座長として立ち上げられた「『防災4.0』未来構想プロジェクト」について、本年5月末までに計6回の会合を行い、6月21日に有識者委員による提言の公表を行いました。

※「防災4.0」…わが国の防災対策の大きな転換点となった伊勢湾台風(1959年)、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)の都度、講じられてきた措置をそれぞれ「防災1.0」、「防災2.0」、「防災3.0」と捉え、今まさに気候変動がもたらしつつある災害の激甚化に備えるための取組を「防災4.0」と称しました。詳しくは「ぼうさい(平成28年春号)」をご参照ください。

○提言の概要

本提言は、気候変動に伴う災害の激甚化を明らかにするとともに、これまでの防災対策に加えて、「防災4.0」時代の新たな取組の方向性を打ち出し、国民一人一人が災害リスクに向き合い、主体的な行動を起こしていく契機とすることを目的にしています。本提言の構成は(1)「防災4.0」の位置付け、(2)気候変動に伴う災害の激甚化の予測、(3)取組の方向性、(4)今後の展開の4部に分かれています。さらに、(3)取組の方向性は、主に、①住民・地域における備え(国民一人一人の意識転換や地域コミュニティの強化)②企業における備え(事業継続性の確保や金融的手法の活用)、③進展する情報通信技術の活用(準天頂衛星等の最新技術の活用、ソーシャルメディア等の活用、民間の創意工夫による新たなサービスの創出)の3つの視点を軸にしています。

○提言を受けた今後の展開

前述の①~③について、今後、早速以下の取組を行っていくこととしています。

①住民・地域における備え

住民が、災害への備えを「自分ごと」として捉え、行動するための「実践の場」として、浜松市において、住民参画モデル事業を実施します。浜松市が、無作為により住民を抽出して協議会を設置し、住民自ら防災について議論を行っていただきます。

②企業における備え

企業における経済面での備えの充実を図るために、「激甚化する大規模自然災害に係る事業者のリスクファイナンス検討会(仮称)」を開催します。学識経験者、実務者、関係省庁に参画していただき、リスクファイナンスの現状と課題の整理を行うとともに、事業者の大規模災害リスクに対する意識の醸成やリスクファイナンスの普及に取り組んでまいります。

③進展する情報通信技術の活用

民間の多様なアイデアを活用した新サービス提案の場の創出として、「防災減災アイデアコンテスト(仮称)」を開催します。参加者に、民間企業が所有するソフトウェアプログラム等を活用して減災のための情報提供等の新サービスを提案していただきます。

このような取組を通じ、社会全体で災害リスクに備える「防災4.0」時代の実現に全力を挙げて取り組んでまいります。

○おわりに

本プロジェクトにおける検討の最中、4月に熊本地震が発生しました。本プロジェクトは気候変動を主眼においたものであり、地震への対策については、本プロジェクトの検討の射程とは性格を異にするものの、「一人一人の備え」の重要性は、地震についても共通しているものです。たとえば、「最低3日間、できれば1週間」分の飲食料品や生活必需品等の備蓄、災害に備えた保険・共済の加入は、風水害や地震といった自然災害に対して有効であり、即座にできる対策です。本提言を契機として、地域、経済界、住民、企業等の多様な主体が「防災4.0」に参画し、国民一人一人が防災を「自分ごと」として捉えるような、「真に災害に強い国」となることを目指していきます。

なお、本プロジェクトについては、内閣府防災担当のHPに特集ページがありますので、こちらも参照ください。

https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kenkyu/miraikousou/index.html

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内閣府政策統括官(防災担当)

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