日本の火山 vol.36 焼岳 [長野県・岐阜県]

大正池をつくった火山

北アルプスにある焼岳(標高2455m)は長野県と岐阜県の県境に位置する火山で、割谷山、白谷山、アカンダナ山と並ぶ焼岳火山群のうちの一つである。山頂部には溶岩ドームが形成され、火山湖の正賀池を挟んで北峰と南峰に分けられる。

有史以降、焼岳では水蒸気噴火が頻繁に発生している。特に1907年から約30年間はほぼ毎年、水蒸気噴火を繰り返し、火砕物の降下、降灰が起こっている。今から100年前、1915年の噴火では泥流が梓川を堰き止め、大正池が形成された。

1962年には山頂北側の斜面にできた新たな火口で水蒸気噴火が発生した。この時、火口付近の山小屋が噴石で大破し、2名が負傷している。また、1995年には焼岳山頂から南東に約3㎞離れた山麓で水蒸気爆発が発生し、火山ガスを含む水蒸気と土砂が噴出、トンネル建設に伴う道路を工事中の4名の作業員が犠牲となった。

これ以降、水蒸気噴火は発生していないが、現在でも北峰付近や南西斜面の岩坪谷の噴気口の噴気活動は盛んである。

焼岳の周辺には北アルプスの登山口でもある奥飛騨温泉郷や上高地など数多くの観光地がある。特に、湖面に焼岳などの山々を映す上高地の大正池は人気である。大正池では今も、梓川が堰き止められた時に水没し、立ち枯れた木々を見ることができる。


焼岳全景 大正池から(気象庁撮影)
焼岳 火山噴火予知連絡会により活火山に指定されている。気象庁により噴火予報(レベル1、活火山であることに留意)が発表中である(平成27年11月30日現在)。

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