Disaster Report 災害報告

平成24年度梅雨期における被害状況及びその対応について

本年は、沖縄と奄美地方が5月13日頃に梅雨入りし、その後、5月30日頃には九州北部と南部が、6月9日頃までには中国から東北地方北部までが梅雨入りしました。本年の梅雨期は、奄美地方、九州南部、四国地方では平年と比べかなり多くの降水量が観測されました。

そうした中、台風第4号や梅雨前線の影響により、全国的に大雨となりました。

特に、7 月11日から14日にかけては、本州付近で停滞した梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本にかけての広い範囲で大雨となり、とりわけ、熊本県と大分県を中心にこれまで経験したことのないような大雨となりました。

気象庁は、7月11日から14日に九州北部地方で発生した豪雨について、「平成24年7月九州北部豪雨」と命名しました。

被害等の状況
大雨により、筑後川水系花月川や矢部川水系矢部川での堤防決壊、多数の土砂災害の発生などにより多くの被害が発生しました。具体的には、死者32名、行方不明者3名、重症者14名、軽傷者99名の人的被害が発生しました。また、全壊366棟、半壊1,510棟、一部破損444棟、床上浸水3,493棟、床下浸水1万898棟の住家被害のほか、農業用施設の損壊、農作物の冠水、文教施設の被害などが発生しました。

政府調査団派遣
政府としては、6月19日に関係省庁連絡会議を開催し、被害状況及び各省庁の対応状況について情報共有を行うとともに具体的な対応を協議しました。
7月6日には後藤内閣府副大臣が福岡県及び大分県の被害状況や対応状況等を把握するため関係省庁とともに現地調査を実施しました。7月12日にも関係省庁連絡会議を開催し、豪雨災害への対応に引き続き万全を期することを確認しました。
7月13日から14日にかけては、中川防災担当大臣を団長とする政府調査団を大分県及び熊本県に派遣し、熊本県知事をはじめとする地方公共団体の関係者から被害や対応状況を聴取するなどの調査を行い、帰京後、直ちに開催した関係省庁連絡会議では調査結果の報告とともに、中川防災担当大臣から各省庁に対し各種手続きの迅速化と弾力的な制度の適用等を要請しました。
7月20日には、野田内閣総理大臣が被災状況をつぶさに把握するため、熊本県、大分県及び福岡県の現地視察を行いました。さらに、7月21日から22日にかけて、中川防災担当大臣を団長とする政府調査団を大分県、福岡県及び鹿児島県に派遣し、被害状況の調査を行いました。

中川防災担当大臣(右から2人目)を団長とする政府調査団による現地調査
(福岡県うきは市篭地区)

被災現場の様子(熊本県阿蘇市三野地区)

具体的支援
具体的な支援としては、大分県、熊本県及び福岡県からの災害派遣要請に基づき、のべ約5,280名の自衛隊員が行方不明者の捜索や孤立者の救助活動などに従事したほか、熊本県警察からの要請に基づき広域緊急援助隊46名が捜索活動に従事しました。さらに、熊本県及び福岡県からの要請に基づき、長崎県や福岡市等の消防ヘリ8機が派遣され救助活動に従事しました。その他にも国土交通省の緊急災害対策派遣隊(TEC—FORCE)が河川及び道路の復旧に係る技術指導や排水作業支援等を実施する等の支援を行いました。

財政的支援
財政的な支援としては、普通交付税の繰り上げ交付を行ったほか、「平成24年6月8日から7月23日までの間の豪雨及び暴風雨による災害」を激甚災害に指定し、全国を対象として、農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置、農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例等を適用したほか、熊本県阿蘇市の区域を対象として中小企業信用保険法による災害関係保証の特例等を適用しました。8月10日には、全国を対象に適用すべき措置として公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助、公立社会教育施設災害復旧事業に対する補助等を追加適用しました。

災害救助法等の適用
さらに、災害救助法が大分県は日田市、中津市及び竹田市に、熊本県は阿蘇市、熊本市、南阿蘇村、産山村及び高森町に、福岡県は朝倉市、うきは市、久留米市、柳川市、八女市、筑後市、みやま市及び広川町に適用されました。
また、被災者生活再建支援法が大分県は日田市、中津市及び竹田市に、熊本県は熊本市、阿蘇市、南阿蘇村、相良村、五木村に(後に県内全域に拡大)、福岡県は朝倉市、うきは市、柳川市、八女市、みやま市に、鹿児島県は肝付町に適用されました。
引き続き、被災地の方々が一日も早く安心した生活を送ることができるよう、地方公共団体と緊密に連携しながら、政府一丸となって対応に万全を期してまいります。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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