美しい山並みに聳える、十勝岳連峰の主峰
十勝岳(2077m)は、北海道のほぼ中央、富良野盆地の東側に位置する活火山。オプタテシケ山(2013m)や美瑛岳(2052m)、富良野岳(1912m)等が連なる十勝岳連峰の主峰である。
これまでの噴火記録で最大の被害を引き起こしたのは、死者・行方不明者144名を出した 1926年5月24日の噴火。火口が崩壊し、高温の岩屑なだれが発生。これが周囲の積雪を融かし、大規模な泥流となって麓の集落を襲ったのだ。泥流は、爆発後わずか25分あまりで、火口から約25㎞離れた上富良野原野にまで達したという。十勝岳は、現在も火山活動が活発な状態にあり、近隣地域では噴火の際のハザードマップが作成されている。
十勝岳連峰は、北海道の屋根ともいわれる大雪山国立公園の一部を成している。標高は、いずれの山も2000m前後だが、緯度が高いため、本州の 3000m級の山岳に匹敵する高環境を持つ。また、主峰十勝岳は、登山ルート付近に白金温泉、吹上温泉、十勝岳温泉等が点在する、温泉の宝庫でもある。

十勝岳スカイラインからの十勝岳
十勝岳
活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山に指定されている。平成 20年12月16日に噴火警戒レベル1・平常と発表後、予報警報事項に変更はない(5月6日現在)。