特集 いまこそ災害に強いまちづくりを

「災害に学ぶ」

ここでは、災害時の活動や、復興の経験をきっかけに活動している防災まちづくり活動を紹介します。

From Disaster 1 「阪神・淡路大震災を契機に」夢野地区4防災福祉コミュニティ(兵庫県神戸市)

 平成7年の阪神・淡路大震災をきっかけに、神戸市は全地区でコミュティ活動としての防犯・防災に取組みました。夢野地区の活動もその1つで、東山、ひよどり、熊野、菊水4地区の地域コミュニティが消防、警察、病院の協力を得て合同で訓練を行っています。
 その1つ、ひよどり地区防災福祉コミュニティでは、「私たちの街を私たちの手で守る」と訓練活動を積極的に展開しています。内容は救出(担架搬送)、救護(三角巾手当、心肺蘇生)、消火器、バケツリレー、放水消火、はしご車、炊き出しなど。震災後、コミュニティの創造的復興のために始めた夏祭りはいまも続いています。
 4地区合同訓練では、要援護者避難訓練や、土砂崩れの危険性も高い地域のため風水害の防災訓練も実施しています。内容は情報伝達、避難誘導、災害時要援護者避難、看護師の健康チェック、災害伝言ダイアル利用、三角巾手当、AED、段ボールで作る避難所ファーニチュアと仮設トイレの設置、水防(土嚢積み)、給水、炊き出しなど、震災体験を生かして、実用的なサバイバル訓練を行っています。防災意識は高く、今年度は1千人規模の訓練になります。

4 地区合同の防災訓練

中林教授のココがポイント

 阪神・淡路大震災の後、神戸では不幸な犯罪も起きました。神戸市は防災と防犯の取組を強化しようと「防災福祉コミュニティづくり」に取組んできました。世代を超えた取組で震災の教訓を次世代に引き継いでいます。

From Disaster 2 「新潟県中越地震を契機に」NPO法人中越防災フロンティア(新潟県長岡市)

 平成16年の新潟県中越地震を契機に市民による支援活動が行われ、被災集落では地域が協働で復興に取組んできました。中越防災フロンティアは公と民の中間で連携を図り、被災地のコミュニティの再生に向けて主に3つの活動をしています。
 1つは被災後の全村避難時にバス路線が廃止された山古志・太田地区にコミュニティバスを走らせています。地域の力で公共交通サービスを確保する画期的な取組です。年会費制で1年間バス代は無料。これを中心にさまざまな取組を「クローバー・プロジェクト」として、地域の自立と活力を高め、人と人をつなぎ、生きがいづくりを目指す活動を展開しています。
 2つめは、「雪かき道場」です。地震後2年連続での大雪、とくに全国で152人の人命を奪った「平成18年豪雪」を契機に、震災後のボランティアで生まれた都会と村とのつながりで、雪かきをしたこともない若者が楽しめるボランティアとして始まりました。村人が雪かき「師範」として教え、段級位制と修了証も作り、毎年多くの参加者が集まります。そうやって、高齢者の住宅の雪下ろしを進めています。
 3つめは、中越地震の被災地見学による防災学習の支援です。地震に関するシンポジウムも各団体と共催で行っています。

雪かき道場

中林教授のココがポイント

 高齢化した被災集落では集落をどのように元気づけていくのかが課題です。中越防災フロンティアは市民と公共の中間で長期的な再生・復興を支援しています。どこの被災地でも中間組織による支援と連携が重要となるでしょう。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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