日本の火山 vol.11 吾妻山[福島県・山形県]

魔女の瞳と雪うさぎ

 福島と山形の県境、東西25㎞、南北15㎞にある火山群の総称。日本百名山に数えられる。西吾妻火山、中吾妻火山、東吾妻火山に分けられ、噴出の中心は東南東から西北西の南北2列に分かれる。火山活動は南列より北列、西より東が新しい。最高峰、西吾妻山(2035m)山頂北側の天狗岩には吾妻神社が祀られ、修験道の山とされる。
 東吾妻火山には東吾妻山、一切経山と吾妻小富士などがある。一切経山は、平安時代に阿倍貞任が仏教経典集成の一切経を山に埋めた伝説による。有史以降の火山活動は一切経山に限られ、小規模な噴火・噴気・水蒸気爆発などが近年まで起こっている。そのすぐ北にある五色沼は美しいコバルトブルーで、時間や見る場所により変化するため、「魔女の瞳」と呼ばれる。
 吾妻小富士には、早春の雪溶けで、福島県側からは雪の残った部分がうさぎの形に見える「雪うさぎ」が出現する。晩霜の心配がなくなり、農民はこれを見ると苗代に種蒔きを始めていた。雪うさぎは福島市のイメージキャラクターにもなっている。

「雪うさぎ」の見える吾妻山の吾妻小富士(撮影:新田隆一)

吾妻山
25km×15kmの火山群。玄武岩、安山岩などの多くの成層火山と単成火山からなる。噴火警戒レベル1(平常)。1月8日現在

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