日本の火山 vol.01 桜島(鹿児島県鹿児島市)

海の中からそびえる雄大な活火山

 有史以来、幾度となく噴火をくり返してきた桜島。中でも大正大噴火は被害の大きかった噴火のひとつだ。
 1914年1月12日10時頃、西側中腹(標高約350m)から噴火を開始。13日には溶岩が流出し始め、1月29日には瀬戸海峡を閉塞し、かつては鹿児島湾に浮かぶ島だった桜島が大隅半島と陸続きになった。地震、噴火による被害は大きく、全壊家屋120棟、死者58名、負傷者112名。多くの農地が被害を受け、農作物はほぼ全滅した。降灰は仙台まで達したという。
 この大正大噴火で得た教訓を忘れぬよう、毎年1月12日には桜島の噴火を想定した避難訓練が行われている。その他にも幹線道路沿いに噴石よけの避難壕が設置されたり、主要な河川には土石流センサーと監視カメラが設置され、常時監視するなど、様々な防災対策がとられている。
 被害をもたらす火山だが、一方で、多くの恵みももたらしてくれる。雄大で力強い姿も火山からの恵みだ。霧島屋久国立公園錦江湾地域の中心として、多くの人を魅了している。

鹿児島市城山展望所から眺めた桜島(撮影:プロダクションビコーズ)
鹿児島市城山展望所から眺めた桜島(撮影:プロダクションビコーズ)
桜島
桜島は姶良(カルデラ)の南縁部に生じた成層火山。日本で13火山指定されている「活動的で特に重点的に観測活動を行うべき火山」のひとつだ。現在、噴火警戒レベル3(入山規制)が継続している(4月14日現在)。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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