Volcano
「噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針」の公表について
平成20年3月19日の検討会において「噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針」が取りまとめられ、田中座長から泉内閣府特命担当大臣(防災)に対し報告が行われました。指針の概要を紹介します。
指針の概要
気象庁が発表する火山情報の改善
火山の活動度を、避難、避難準備及び入山規制等の具体的な防災行動に結びつくよう区分し、各レベルにキーワード(「避難」、「避難準備」等)を設定した噴火警戒レベルを導入しました。
観測監視・調査研究体制の充実・支援
関係機関は連携体制を強化し、観測点の整備、観測機器の充実等の観測監視体制を充実するとともに、噴火時等においても火山活動の情報収集体制を強化する必要があるとしています。さらに、噴火メカニズムの解明等のため、調査研究体制の一層の充実が必要であるとしています。
協議会等の設置(平常時等の体制)
市町村、都道府県、国の地方支分部局、火山噴火予知連絡会委員、警察、消防、自衛隊等が構成員となる「協議会等」を設置し、市町村の境界を越えた避難に備え広域的な防災体制を構築する必要があるとしています。その際には、市町村、都道府県、気象台、砂防部局、火山噴火予知連絡会委員等が「コアグループ」を形成し、中心的メンバーとして、協議会等の活動を主導することが望ましいとしています。
合同対策本部等の設置(噴火時等の異常発生時の体制)
国の現地対策本部等と都道府県・市町村の災害対策本部等に関係機関を構成員として加えた「合同対策本部等」を立ち上げ、避難所の開設及び避難住民の受入れ、輸送手段の確保、広域的な交通規制の実施等の住民避難のオペレーションを行う必要があるとしています。
具体的で実践的な避難計画の策定
噴火シナリオと火山ハザードマップに基づき、避難対象地域、避難時期、避難経路、避難場所、登山規制範囲等及びそれらと噴火警戒レベルとの関係を検討して避難計画を策定し、さらに、避難計画では、避難指示等の発令基準(時期や避難対象地域)をあらかじめ定める必要があるとしています。
その他
訓練や防災教育等による住民等への啓発、火山防災の主導的な役割を担った経験のある実務者等を「火山防災エキスパート(仮称)」として派遣する体制の整備、火山防災体制構築のフォローアップなどについても記述されています。
今後は、本指針を踏まえて、内閣府、消防庁、国土交通省砂防部、気象庁等では、都道府県、市町村等と協力して、協議会等の設置を促進するなど、火山防災対策の強化を図っていくこととしています。
なお、本指針や検討会の議事概要等については、下記のホームページからご覧いただけます。
https://www.bousai.go.jp//kazan/zyouhoutaiou/index.html