災害対応資料集

・199303:1993年(平成5年) 台風13号

【概要】

(1)被害の概要
県内各地で、豪雨災害の悲劇からようやく落ち着きを取り戻しつつあったおり、戦後最大級の台風第13号が来襲した。
台風13号は広い暴風域と非常に発達した雨雲を伴い、平成5年9月3日16時前に薩摩半島南部に上陸し、鹿児島湾を経て県本土を南西から北東方向に縦断する格好で大隈半島北部を通り抜けた。このため、県本土全域で大雨と暴風による被害が多発した、なかでも薩摩半島では局地的に大雨が降り、3日16時30分頃、金峰町大坂扇山地区で大規模な崖崩れが発生し、付近住民20名が避難していた民家を押しつぶした。また、同日22時頃川辺町小野においても崖崩れが発生し、9名が死亡したほか、金峰町白川、大口市、垂水市、知覧町でも土砂崩れ等により1名ずつ4名が死亡し、台風第13号災害による死者は2市3町で33名にものぼった。
この台風では強風による被害も大きく、県内で32,813棟の住家と3,128棟の非住家が、全壊・半壊・一部損壊の被害を受けた。さらに、再び鹿児島市内を流れる甲突川が氾濫し、市内で1,400棟余りが浸水被害を受け、加世田市を流れる万之瀬河も氾濫し、約780棟が浸水被害を受けた。
また、9月20日20時頃、日置郡日吉町の毘沙門地区で大規模な土砂崩れが発生、2世帯5人が生き埋めとなり、2名が犠牲となった。当時同地域に気象警報等は発表されておらず、午前中小雨がぱらついていた程度で、これまでの災害発生状況と大きく異なっていた。

表1 被害状況(鹿児島県)

(2)災害後の主な経過
  鹿児島県では8月からの豪雨災害で災害対策本部が設置され継続していた。主な経過については記録のあった箇所を記載する。

表2 災害後の主な経過(鹿児島県の取組状況)

【参考文献】
1)鹿児島県『平成5年夏鹿児島県豪雨災害の記録』平成7年3月。

 

・本災害における、復旧・復興体制に関する記録なし。

 

・本災害では、事業全体を統括した復旧・復興計画は立案されていない。
・本災害における主な復旧事業は下記の通りである。
○公共事業
 ・河川激甚災害対策特別緊急事業
 ・災害関係緊急砂防事業
 ・災害関係緊急急傾斜地事業
 ・災害関係緊急治山事業
 ・林地崩壊防止事業
 ・造林事業
○県単公共事業
 ・県単道路整備事業
 ・県単橋梁整備事業
 ・県単河川等防災事業
 ・県単砂防事業
 ・県単急傾斜地崩壊対策事業
 ・県単林道事業
 ・県単治山事業
 ・県単農地等防災事業
【参考文献】
1)鹿児島県『平成5年夏鹿児島県豪雨災害の記録』平成7年3月。

 

○集中豪雨によって県道に架かる橋が流失したため、各通行車両が狭い町道に殺到し、登下校の児童・生徒の安全性の確保が懸念されるとの申出を受けた。
○現場の状況はまさに申出の状況であり、早速、町に連絡、安全な対応方を要請していたところ、町、県土木事務所、地元警察署、教育委員会による「臨時スクールゾーン対策委員会」が開催され、県道の一部安全部分について歩行者用に開放するとともに、町道の危険箇所には、学校の「親子会」が立ち番をし、児童・生徒の通行の安全を図ることが決定した。

 

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