・199001:1990年(平成2年) 茂原市竜巻災害
【概要】
(1)被害の概要
1990年12月11日19時13分頃、茂原市に発生した竜巻は約7分間のうちに市の中心部を縦断し、最大幅約1.2km、長さ約6.5kmに及ぶ範囲に深刻な被害をもたらした。
1961年から1982年までの日本の竜巻の統計(小元他、1983)によると、日本では1年間に平均約18個の陸上の竜巻が発生している。一方、竜巻による1年当りの被害は死者0.5人、負傷者21人、家屋の全壊28戸、半壊・一部損壊364戸となっている。今回の竜巻は1個で約3年分(約54個分)の竜巻被害を作り出したことになる。
表1 茂原市の被害
死者 | 重傷者 | 軽傷者 | 全壊 | 半壊 | 一部破損 | 停電軒数 | 電話・り障 回線数 |
1名 | 6 | 67 | 82 | 161 | 1,504 | 23600軒 | 1,515 |
写真1 竜巻被害の様子
(2)災害後の主な経過
表2 竜巻被害の概要と経過
月日 | 概要 |
1640 千葉県南部に大雨・洪水・強風・波浪・雷注意報発令。 | |
1745 千葉県北部に大雨・洪水・強風・波浪・雷注意報発令。 | |
1750 鴨川市、丸山町に竜巻が発生。 | |
1810 君津市に竜巻が発生。 | |
1915 茂原市に竜巻が発生。 | |
1916 国道1km・長さ | |
2050 大原町、銚子市に竜巻発生。 | |
2100 茂原市竜巻災害対策本部(以下「本部」という)を設置。避難場所を開設(市民体育館、中央公民館) | |
2130 市民体育館に | |
2400現在 未送電件数 | |
0:45 市民体育館に避難者 | |
4:00 現在未送電件数 | |
8:00 本部会議 市職員 | |
1430 日本赤十字社 市民体育館内に無料救護所を開設 | |
1500 本部会議 本部発表(家屋全壊100戸、 一部破損 | |
1700 災害救助法の適用となる。 | |
1830 本部会議 本部発表(家屋全壊122戸、 一部破損 | |
1942 最終停電地区、高師地区など | |
1213日 | 1700 消防本部、警防指揮本部解除 |
【参考文献】
1)茂原市『平成2年12月11日 千葉県茂原市を襲った 竜巻災害の記録』平成4年8月。
2)茂原市『2009 統計もばら』。
3)気象庁気象研究所物理気象研究部主任研究官 新野宏『茂原市の竜巻きの特性と竜巻きを生み出した気象条件について』。
○平成3年2月28日17時、茂原市竜巻災害災害対策本部を解散した。
○復旧・復興体制の構築
・本災害では、事業全体を統括した復興計画は立案されていない。
○茂原市竜巻災害災害対策本部を設置し、以下のような復旧活動等を行った。
・避難場所の開設
・防災行政無線による広報
・被害調査
・見舞金支給
・災害廃棄物処理
・市税減免等
・母子家庭等についての屋根シートをかける費用の負担
・損壊住宅の取り壊し費用,障害物のかたづけ費用、市が10万円以内を負担
・市営住宅に入居する被災者の家賃無料
・市民体育館前スポーツ広場に仮設住宅の建設
・飲料水等の水道修理費用の無料
・災害緊急融資の利子補給
・義援物資の配布
・義援金の配布
・住宅の復興資金に対する利子補給
【参考文献】
1)茂原市『平成2年12月11日 千葉県茂原市を襲った 竜巻災害の記録』平成4年8月。
○平成2年12月11日の竜巻により住宅に被害を受けた者がその住宅の復興として、住宅の新築又は購入及び補修、並びに新築又は購入に必要な土地購入資金(土地のみの購入資金は除く)として災害緊急融資を受けた場合、利子の一部を補給する。
表 利子補給の概要
項目 | 内容 |
利子補給の対象となる融資の限度額 | 101,000万円返済 |
利子補給の率 | 年利5.1%以内 |
利子補給の期間 | 被災者に融資した日から7年間。ただし、この期間満了前に融資金額全ての返済が終えた時は、完了時まで |
手続き | ①被災者が市内の金融機関で融資の手続きをする () ………り災証明が必要 ②被災者は市内の金融機関に交付手続き等に関する一切の権限を委任する |
取扱期間 | 取扱金融機関により異なる |
その他 | 災害緊急融資に必要な書類等①茂原市長の証明したり災証明 ②見積書 ③所得証明書 ④利子補給に要する委任状 ⑤その他金融機関が定める書類等 |