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令和5年版 防災白書|第1部 第2章 第3節 3-2 その他の関係道府県への支援・取組


3-2 その他の関係道府県への支援・取組

(1)安定ヨウ素剤の備蓄・配布

放射性ヨウ素による甲状腺の内部被ばくの予防又は低減をするために服用する安定ヨウ素剤は、PAZPrecautionary Action Zone:予防的防護措置を準備する区域)・UPZUrgent Protective Action Planning Zone:緊急防護措置を準備する区域)内において、国の財政支援の下、地方公共団体が備蓄や事前配布を行っている。UPZ外の住民に対する安定ヨウ素剤については、内閣府が備蓄を行っている。

緊急配布による安定ヨウ素剤の受取の負担を考慮すると、事前配布によって避難等が一層円滑になると想定されるUPZ内住民に対し、適切に事前配布の運用が図られるよう地方公共団体を支援している。また、原子力災害対策指針及び「安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって」に沿った医師による説明会の遠隔開催を、令和2年度より新型コロナウイルス感染症流行への対応として時限的・特例的に推進している。

(2)オフサイトセンターの指定

「原子力災害対策特別措置法」(平成11年法律第156号)第12条第1項に基づき、内閣総理大臣は、原子力事業所ごとに緊急事態応急対策等拠点施設(オフサイトセンター)を指定することとなっている(図表3-2-1)。

図表3-2-1 全国のオフサイトセンター
図表3-2-1 全国のオフサイトセンター

オフサイトセンターの満たすべき要件は、「原子力災害対策特別措置法」に基づく緊急事態応急対策等拠点施設等に関する内閣府令で定められているが、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓等を踏まえ、平成24年9月に実用発電用原子炉に係るオフサイトセンターは、その立地場所について、基本的に5~30km圏内(UPZ内)とする等の改正を行っている。その後、平成29年3月に原子力規制委員会が原子力災害対策指針を改正し、核燃料施設等に係る原子力災害対策重点区域の範囲等について設定を行ったことを踏まえ、令和元年8月に核燃料施設等に係るオフサイトセンターが満たすべき要件について発電用原子炉施設と基本的に同等の要件に改正した。現在、全国で23施設のオフサイトセンターが設置されている。

(3)新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置

新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害における防護措置については、住民等の被ばくによるリスクとウイルスの感染拡大によるリスクの双方から、国民の生命・健康を守ることを最優先とすることが求められる。そのため、内閣府が令和2年6月2日に公表した「新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置の基本的な考え方について」に基づき、原子力災害時においては各地域の緊急時対応等に基づく防護措置と、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(平成24年法律第31号)に基づく行動計画等による感染防止対策を可能な限り両立させ、感染症流行下での原子力災害対策に万全を期すこととしている。加えて、令和2年11月2日に発出した「新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置の実施ガイドラインについて」により、新型コロナウイルス感染症の高齢者の重症化リスクを始めとする様々なリスクを勘案し、合理的に生命・健康を守るための防護措置における考え方を示している。具体的には、

  • 避難所・避難車両等において、距離を保つ、マスク着用、手指消毒を徹底する等の感染対策を実施すること
  • 濃厚接触者、発熱・咳等のある者、それ以外の者を可能な限り分ける・隔離するなど、感染防止に努めること
  • 屋内退避等では、放射性物質による被ばくを避ける観点から、換気を行わないことを基本とすること。ただし、感染症対策の観点から、放射性物質の放出に注意しつつ、30分に1回程度、数分間の換気を行うよう努めること

等に基づき、現場の状況に応じた適切な対応を図り、各地域の実情に合わせた原子力災害対策が実施されている。

(参照:https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/08_sonota_bougosochi.pdf
https://www8.cao.go.jp/genshiryoku_bousai/pdf/08_sonota_guidelines.pdf

(4)避難の円滑化に向けた支援

道路整備等による避難経路の確保など、原子力災害時における避難の円滑化は、地域住民の安全・安心の観点から重要であり、関係省庁が連携し政府全体が一体的に取り組むこととしている。

内閣府(原子力防災担当)においては、避難経路における様々な阻害要因に関して、効果的・効率的な避難方法の改善についてモデルとなる経路を選定し、道府県の避難円滑化計画の作成、改善モデルの実証及びその成果の普及について支援を行ってきた。令和3年度からは、このモデル実証の結果を踏まえ、原子力発電施設等緊急時安全対策交付金に新たに緊急時避難円滑化事業を創設し、住民の円滑な避難又は一時移転を確保するための交通誘導対策等や地域防災計画に位置づけられた避難経路上の改善について支援を行っている。


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