令和4年版 防災白書|第2部 第3章 1 1-4 その他


1-4 その他

(1)国土強靱化の推進

内閣官房国土強靱化推進室においては、切迫する大規模災害が懸念される中、いかなる事態が発生しても人命を守り、行政・経済社会の重要機能に係る致命的損傷を回避すること等の事前防災・減災の考え方に立ち、政府横断的な国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)への取組を推進するため、「国土強靱化基本計画」や「国土強靱化年次計画2020」、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」及び新たな取組である「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく取組を関係府省庁と連携して進めるとともに、地方公共団体や民間の取組促進を図った。

(2)実践的な防災行動推進事業経費

内閣府においては、「災害被害を軽減する国民運動」を展開するため、「防災の日」及び「防災週間」並びに「津波防災の日」を中心に各種行事等を行うとともに、防災に関する総合ポータルサイトにおいて各種情報発信を行うなど、防災知識の普及と防災意識の高揚を図る取組を行った。

(令和2年度決算額 143百万円)

(3)災害ボランティア(多様な主体の)連携促進事業

内閣府においては、被災者支援を円滑に・効率的に実施するため、有識者からなる検討会を行い様々な課題の整理や環境整備の方策等について検討を行うとともに、多様な被災者支援主体間の連携を強化・協働のための研修会を行った。また、「防災とボランティアのつどい」を開催し防災ボランティア活動の裾野を広げる取組を行った。

(令和2年度決算額 32百万円)

(4)社会全体としての事業継続体制の構築推進

内閣府においては、中央省庁における業務継続体制の確保のため、有識者による省庁業務継続計画(BCP)の評価等を行った。また、民間企業・団体の事業継続体制の構築及び災害リスクマネジメント力向上の取組推進のため、BCPの策定状況に関する実態調査や、自然災害に対する事前対策の効果を把握する参考指標の作成等を行った。

(令和2年度決算額 37百万円)

(5)地域防災力の向上推進

内閣府においては、「自助」「共助」の精神に基づく地域コミュニティによる地域防災力の向上を推進するため、地区防災計画制度の普及啓発に向けた、地域における計画の作成支援を行った。

(6)被災者支援・復興対策の調査検討

内閣府においては、自治体の事務の効率化を図るため、クラウド上における、被災者台帳作成の調査検討や、罹災証明書発行のための周辺環境の整備のための調査検討を実施した。また、復旧・復興ハンドブック等を改訂し、地方公共団体に周知した。

(令和2年度決算額 23百万円)

(7)特定地震防災対策施設(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)の運営に関する助成

内閣府においては、特定地震防災対策施設(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)において行われる、阪神・淡路大震災を始めとする国内外の地震災害関連資料の収集・保存・展示や情報発信などに要する経費の一部を補助し、当該事業の推進を図った。

(令和2年度決算額 251百万円)

(8)防災広報

内閣府においては、「災害対策基本法」に基づく防災白書の作成のほか、国民各層に対する防災に関する正確な知識を提供するため、災害発生時にも迅速に情報提供を行うホームページを運営管理し、さらに、防災施策をわかりやすく伝達するための広報誌「ぼうさい」を発行する等の防災広報を幅広く展開した。

(令和2年度決算額 22百万円)

(9)防災計画の充実のための取組推進

内閣府においては、南海トラフ地震防災対策推進基本計画の実効性向上を図るため、地方公共団体の防災計画に基づく取組について、事例調査等を行った。また、市町村における受援体制の構築を支援するため、先進的な受援計画を調査・分析するとともに、ひな型となる受援計画のモデルを策定した。

(令和2年度決算額 22百万円)

(10)災害対応業務標準化の推進

内閣府においては、災害対応現場で情報を集約・地図化するISUT(Information Support Team)の実際の活動や訓練を通じて作成した地図について、各機関が災害対応で活用しやすくなるよう事例集の制作等を行った。

(令和2年度決算額 29百万円)

(11)被災者支援に関する総合的対策の推進

内閣府においては、指定避難所の立地及び防災機能設備等の確保状況の調査や、諸外国等と日本の防災対策に係る比較調査等を実施した。

(令和2年度決算額 11百万円)

(12)地域女性活躍推進交付金事業

内閣府においては、地域における女性の職業生活における活躍推進に資する取組と併せて実施する、地域防災において女性のリーダーシップを推進するための取組等を支援した。

(令和2年度決算額 236百万円の内数)

(13)地域における男女共同参画促進を支援するためのアドバイザー派遣事業

内閣府においては、地域における災害対応等の担い手としての女性リーダーを育成するため、「男女共同参画の視点からの防災研修プログラム」等の地域における活用を図った。

(令和2年度決算額 1百万円の内数)

(14)地域における男女共同参画促進に関する実践的調査・研究

内閣府においては、有識者検討会を設置し、令和2年5月に作成した、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の内容に沿った防災研修プログラムの改定を行った。

(令和2年度決算額 7百万円)

(15)大規模災害対策の推進

警察庁においては、大規模災害発生時における広域部隊派遣計画の策定・検討や災害に強い警察情報通信基盤等の整備を進めるとともに、災害発生時には警察用航空機(ヘリコプター)や通信衛星を利用した映像伝送等により現場情報を収集・伝達するなど、災害警備対策の強化を図った。

(令和2年度決算額 13,639百万円)

(16)道路交通情報の充実

警察庁及び国土交通省においては、高度化光ビーコンやETC2.0、交通情報板、道路情報板等を活用し、的確な道路交通情報の収集・提供を推進した。

また、警察庁においては、災害時における効果的な交通規制、避難路の確保等を行うため、都道府県公安委員会が収集する交通情報と民間事業者が保有するプローブ情報を融合して活用・提供するためのプローブ情報処理システムを引き続き運用するなど、災害時の交通情報提供の充実を図った。

さらに、警察庁、総務省及び国土交通省においては、VICS(道路交通情報通信システム)を活用して提供される道路交通情報の充実に資する取組を推進した。

このほか、国土交通省においては、道路利用者の利便性を向上させるため、豪雨等による事前通行規制区間において実施する規制開始・解除の見通し情報の提供に努めた。

(令和2年度決算額 423百万円)

(17)無線局における災害対策

総務省においては、防災関係機関の無線局の免許、定期検査等に際し、免許人に対して、災害に対する保安対策、予備の無線設備と予備電源の装備や自家発電装置の設置等の停電対策及び非常災害時に備えた訓練の実施を行うよう引き続き指導した。

なお、総務省では、電気通信事業者に対し、災害対応の重要拠点となる市町村役場等をカバーする移動体通信の基地局や固定通信の収容局における予備電源の長時間化について、少なくとも24時間停電対策等を求めることとし、情報通信ネットワーク安全・信頼性基準を行った(令和2年6月)。

(18)非常時情報伝達ネットワークの維持・運用

総務省においては、災害時等における電気通信設備の大規模な被災や輻輳が発生した場合において、被災状況の即時把握等、国・電気通信事業者間の効率的な情報共有を可能とするための非常時情報伝達ネットワークを運用した。

(令和2年度決算額 4百万円)

(19)地域防災等のためのG空間情報の利活用推進(Lアラートの普及促進等)

総務省においては、地方公共団体職員等利用者を対象としたLアラートに関する研修を実施した。また、地域における防災等の課題へのG空間情報の利活用推進に向けた普及啓発・人材育成等を実施した。

(令和2年度決算額 39百万円)

(20)テレワーク普及推進対策

総務省においては、災害時等の事業継続にも有効なテレワークについて、関係者と連携し、テレワーク・デイズ等の普及啓発、専門家による無料相談事業の実施等の導入支援等を行った。

(令和2年度決算額 テレワーク普及展開推進事業 832百万円、地域IoT実装・共同利用総合支援施策 208百万円)

(21)防災拠点等における公衆無線LAN環境の整備促進

総務省においては、発災時に住民等が自治体等からの災害関連情報を確実かつ迅速に入手可能となるよう、防災拠点等に公衆無線LAN環境の整備を実施する地方公共団体等への支援を行った。

(令和2年度決算額 217百万円)

(22)訪日外国人等の被災時におけるコミュニケーション支援

総務省においては、訪日外国人等が被災した際の避難所等での円滑なコミュニケーションを支援するため、多言語音声翻訳システムの高度化や対応言語の拡大等の研究開発を実施するとともに、同システムの社会実装を推進した。

(令和2年度決算額 1,317百万円)

(23)「新たな日常」の定着に向けたケーブルテレビ光化による耐災害性強化事業

総務省においては、災害時に、放送により確実かつ安定的な情報伝達が確保されるよう、条件不利地域等に該当する地域におけるケーブルテレビネットワークの光化に要する費用の一部を支援した。

(令和2年度決算額 915百万円)

(24)全国瞬時警報システム(Jアラート)の安定運用

消防庁においては、弾道ミサイル情報や緊急地震速報、津波警報等の緊急情報を住民に瞬時に伝達するシステムであるJアラートについて、情報受信団体における常時良好な受信環境及び安定的な運用を確保するため、同システムの保守・管理を行った。

(令和2年度決算額 362百万円)

(25)全国瞬時警報システム(Jアラート)更改に伴う設計・開発

消防庁においては、平成27年のJアラートの更改から5年が経過し、ソフトウェア及びハードウェアの保守に関するサポート期限を迎えることから、これを機に機能強化、自治体ニーズへの対応や開発・運用コストの低減を目的とした次期Jアラートの設計・開発を行った。

(令和2年度決算額 39百万円)

(26)地域防災計画の見直しの推進

消防庁においては、地域防災計画の見直しを推進するため、地域の実情に即した具体的かつ実践的な計画になるよう、地方公共団体に対し要請・助言等を行った。また、地域防災計画データベースの運用により、地方公共団体間の計画内容の比較・検証を通じたより適切な計画への見直しを支援し、防災体制の充実を推進した。

(27)緊急消防援助隊派遣体制及び情報通信機能の整備

消防庁においては、緊急消防援助隊の迅速・安全な出動及びより効果的な部隊運用を図るため、地域ブロック合同訓練の実施、アクションプラン等の見直し、またヘリコプター動態管理システム及び動態情報システムの保守管理を行った。

(令和2年度決算額 225百万円)

(28)緊急消防援助隊の機能強化

消防庁においては、東日本大震災の教訓を踏まえ、緊急消防援助隊の充実と即応体制の強化を図るため、国有財産等の無償使用制度(消防組織法第50条)を活用して、必要な車両及び資機材を整備した。

(令和2年度決算額 2,177百万円)

(29)消防団を中核とした地域防災力の充実強化

消防庁においては、地方公共団体による女性や若者等の入団を促進するために地域の企業や大学等と連携して消防団員を確保する取組の支援、地域防災力充実強化大会の開催、装備・教育訓練の充実強化等により、消防団等の充実強化を図った。

(令和2年度決算額 1,864百万円)

(30)救急業務の充実強化

消防庁においては、高齢化の進展等を背景とする救急需要の増大に対応し救命率を向上させるため、救急車の適正利用の推進や、救急業務の円滑な実施と質の向上など、救急業務を取り巻く諸課題への対応策について検討を行った。

(令和2年度決算額 859百万円)

(31)救助技術の高度化の推進

消防庁においては、複雑・多様化する消防の救助活動における課題を克服し、救助技術の高度化を図るため、救助技術の高度化等検討会、全国消防救助シンポジウムを開催し、救助隊員の救助技術・知識の向上を図った。

(令和2年度決算額 11百万円)

(32)市町村の消防の広域化及び消防の連携・協力の推進

消防庁においては、消防の広域化及び消防の連携・協力の取組を促進するため所要の地方財政措置を講じるとともに、「消防の広域化及び消防の連携・協力モデル構築事業」の実施や「消防広域化推進アドバイザー」の派遣等を行った。

(令和2年度決算額 14百万円)

(33)消防職団員の惨事ストレス対策

消防庁においては、消防職団員の惨事ストレス対策の充実強化を図るため、緊急時メンタルサポートチーム登録者のスキルアップや増員等に係る取組を行うほか、消防本部等における惨事ストレス対策の取組について、支援を行った。

(令和2年度決算額 0百万円)

(34)災害応急対応に係る業務継続体制の確立

消防庁においては、首都直下地震時等において本庁舎が被災した場合であっても、全国の被害情報の収集や緊急消防援助隊の出動指示等の災害応急対応業務を迅速かつ的確に実施するため、代替拠点における必要な設備・資機材等の整備を行った。

(令和2年度決算額 4百万円)

(35)地方公共団体等における災害対応能力の強化

消防庁においては、地方公共団体等における災害対応能力を強化するため、市町村長の災害危機管理対応力の向上を図ることを目的とした研修、市町村の業務継続計画(BCP)の策定支援や大規模災害時に首長を支援する「災害マネジメント総括支援員」等を対象とする研修、インターネットを活用して防災教育を行うe-カレッジのカリキュラムの新設、小規模市町村における災害対応訓練、防災情報システムの在り方に関する基礎的な調査・検討等を行った。

(令和2年度決算額 53百万円)

(36)災害対応無人航空機運用推進事業

消防庁においては、災害時にドローンを活用した効果的な情報収集及び部隊運用体制を強化するため、消防職員等を対象としたドローン運用アドバイザー育成研修と、アドバイザーによるドローン未導入消防本部等への普及啓発を推進した。

(令和2年度決算額 9百万円)

(37)法務省における災害時の対処能力の維持

法務省においては、災害が発生し、庁舎・収容施設等が被災した場合に、法務省の業務を継続し、治安上の問題が生じないようにするため、庁舎・収容施設における防災・保安警備等の対処能力の維持を図った。

(令和2年度決算額 36百万円)

(38)法務省における大規模災害発生直後から必要不可欠な行政機能の確保

法務省においては、矯正施設からの被収容者の逃亡による治安の悪化を防止するため、矯正施設の監視カメラ等の総合警備システム、デジタル無線機、非常用食料の更新整備を実施した。

(令和2年度決算額 742百万円)

(39)文教施設の防災対策の強化・推進

文部科学省においては、児童生徒等の安全を確保するため、非構造部材の耐震対策を進めるとともに、学校施設の防災機能の強化に関する検討等、総合的・計画的な防災対策を強化・推進した。

(令和2年度決算額 9百万円)

文部科学省においては、災害ともいえる猛暑に起因する健康被害の発生状況等を踏まえ、早期に子供たちの安全と健康を守るため、公立学校における空調設備の整備への支援を行った。

〔令和2年度決算額 171,608百万円の内数(内閣府で計上している沖縄分を含む)〕

(注)〔 〕書きは、第3章2-2(6)に計上したものと同じである。

(40)災害拠点病院等の活動支援

厚生労働省においては、以下の補助を行った。

  • 国又は国が地方公共団体と連携して行う防災訓練等に参加・協力する災害拠点病院等の訓練参加費用
  • 災害時に被災地へ派遣された災害派遣医療チーム(DMAT)の活動費

(令和2年度決算額 6百万円)

(41)災害福祉広域支援ネットワークの構築支援事業

厚生労働省においては、災害時において災害時要配慮者(高齢者・障害者等支援が必要な方々)に対し緊急的に対応を行えるよう、民間事業者、団体等の福祉支援ネットワークを構築する事業に対する補助を行った。

(令和2年度決算額 1,092,065百万円の内数)

(42)災害派遣医療チーム(DMAT)体制整備

厚生労働省においては、医師、看護師等に対し、DMAT隊員養成研修を実施した。また、DMATを統轄し、DMAT隊員の技能継続研修等を行うDMAT事務局の運営の補助を行った。

厚生労働省においては、災害時に被災地の医療に係る被害状況を把握し、迅速かつ的確な医療の確保を図るため、災害医療の専門家が速やかに被災地に入るためのヘリコプターのチャーター費用の補助を行った。

(令和2年度決算額 310百万円)

(43)独立行政法人国立病院機構における災害医療体制整備

独立行政法人国立病院機構においては、災害時の医療を確実に実施するため、初動医療班の派遣体制の整備等を行った。

(44)山村地域の防災・減災対策

農林水産省においては、山地災害による被害を軽減するため、治山施設の設置等のハード対策と併せて、地域における避難体制の整備等の取組と連携して、山地災害危険地区の位置情報を住民に提供する等のソフト対策を推進した。

(令和2年度決算額 8,619百万円の内数)

(45)防災情報ネットワークの整備

農林水産省においては、国営造成土地改良施設や農業用ため池の被災や地域の被災を未然に防止するため、防災上重要な水位等の観測データや災害時の緊急点検状況、被害状況をリアルタイムで行政機関、施設管理者等が共有できるシステム等の整備、保守運用を行った。

(令和2年度決算額 16,761百万円の内数)

(46)中小企業に対する事業継続力強化計画等の策定に関する支援

経済産業省においては、中小企業に対して、事業継続力強化計画等の自然災害等のリスクに備えるための計画の策定を支援した。

株式会社日本政策金融公庫においては、中小企業自らが策定した事業継続計画や、経済産業大臣が認定した事業継続力強化計画等に基づき防災に資する設備等の整備を行う者に対し、融資を行った。

(47)石油備蓄事業補給金

経済産業省においては、石油精製業者等が所有するタンクを借上げ、経費相当額を補給金として支払い、ガソリン・軽油等の製品形態での国家石油備蓄の維持・管理を行った。

(令和2年度決算額 25,671百万円の内数)

(48)災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金

経済産業省においては、需要家側への燃料備蓄を促進し、災害時のエネルギー供給の安定化を図るため、避難所、多数の避難者が生じる施設等にLPガスタンクや石油製品タンク等を設置するために必要な経費の一部を支援した。

(令和2年度決算額 5,632百万円)

(49)災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費

経済産業省においては、災害時の石油製品の安定供給を確保するため、自家発電設備を備えた「住民拠点SS」の整備やSSの地下タンクの大型化に伴う入換、SSの災害対応能力強化のための研修・訓練等に係る費用について支援した。

(令和2年度決算額 3,373百万円)

(50)石油ガス地域防災対応体制整備事業

経済産業省においては、災害時におけるLPガスの安定供給確保のため、中核充填所の新設・機能拡充や、災害時石油ガス供給連携計画を確実に実施していくための訓練に係る取組を支援した。

(令和2年度決算額 702百万円の内数)

(51)石油コンビナートの生産性向上及び強じん化推進事業

経済産業省においては、大規模災害時にも石油供給能力を維持するため、製油所等における設備の耐震・液状化対策や、被災地域外からの供給に必要な出入荷設備の増強対策、非常用発電設備の設置・増強等の支援を行った。

(52)国土交通省内の防災情報の一元的提供

国土交通省においては、国土交通省が保有する防災情報を国民にわかりやすく提供するためのウェブサイト「防災情報提供センター」で、リアルタイム雨量、リアルタイムレーダーや国土交通省の災害対応に関する情報等を容易に入手できるよう一元的な提供を行った。

(53)地籍整備の推進

国土交通省においては、事前防災や災害後の迅速な復旧・復興等に貢献する地籍調査を推進するとともに、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、土砂災害警戒区域等における地籍調査の実施を重点的に支援した。

(令和2年度決算額 8,979百万円 ※この他に社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の内数)

(54)緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)による大規模災害時の対応体制の強化

国土交通省においては、大規模自然災害に際して、全国の地方整備局等の職員により組織する緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)により被災状況の把握や被害拡大防止に関する被災地方公共団体等の支援を行うとともに、被災地の早期復旧のための技術的支援を迅速に実施する体制の強化を推進した。

(55)土地分類基本調査の実施

国土交通省においては、土地の改変が進み不明確となっている土地本来の自然条件や改変状況等の情報を整備した上で、それを災害履歴等と組み合わせてわかりやすく提供する土地履歴調査を、国が実施する土地分類基本調査として実施した。

(令和2年度決算額 66百万円)

(56)災害に強い物流システムの構築

国土交通省においては、災害時のサプライチェーン維持のため、成田国際空港において大規模な災害等が発生した場合を想定し、代替輸送調整に必要となる関係者の連絡調整体制の在り方について検討を行い、基本的な方向性を示す指針を策定した。

(令和2年度決算額 10百万円)

(57)災害発生時の情報収集・共有等のための体制整備

国土交通省においては、災害発生時に被害の早期把握及び被災地方公共団体等への支援を的確かつ円滑に行うため、本省・地方運輸局等に緊急連絡機器(衛星携帯電話)や、情報収集・共有等のための体制を整備し運用を行った。

(令和2年度決算額 22百万円)

(58)被災宅地危険度判定制度の整備

国土交通省においては、大地震等による宅地被害の発生状況を迅速かつ的確に把握し、二次災害の防止・軽減や早期復旧に資する被災宅地危険度判定について、引き続き、都道府県等と連携し、実施体制の整備を支援した。

(59)平常時・災害時を問わない安全かつ円滑な物流等の確保

国土交通省においては、平常時・災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、国土交通大臣が物流上重要な道路輸送網を「重要物流道路」として指定し、機能強化や重点支援を実施した。災害時においては、迅速な救急救命活動や緊急支援物資の輸送などを支えるため、地方管理道路の災害復旧等を国が代行できる制度を活用し、道路啓開や災害復旧の迅速化を図った。

(60)災害時における自転車の活用の推進

国土交通省においては、「自転車活用推進計画」(平成30年6月8日閣議決定)に基づき、被災状況の把握や住民の避難等、災害時における自転車の活用の推進に関する課題や有用性について検討した。

(61)災害時における被災地域の道路交通機能の確保

国土交通省においては、昨今の災害時交通マネジメントの事例も踏まえ、地域防災計画へ位置づけることで、災害発生時に速やかに実施体制に移行できるよう、全国各地で行政、学識経験者、交通事業者、経済団体等からなる体制の事前構築を推進した。

(62)抜本的かつ総合的な防災・減災対策の推進

国土交通省においては、近年の気候変動の影響により激甚化・頻発化する水災害や切迫する大規模地震など、あらゆる自然災害から国民のいのちとくらしを守るため、「国民目線」と「連携」をキーワードとして検討を行い、令和2年7月に「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」として取りまとめ、同プロジェクトに基づき総力を挙げて防災・減災対策を推進した。

(63)訪日外国人旅行者への初動対応体制の構築

観光庁においては、訪日外国人旅行者向けに開発した災害時情報提供アプリ「Safety tips」について、対応言語を5言語から15言語に拡大する等、アプリの改修を行った。

(64)電子国土基本図と防災地理情報による防災対策の推進

国土地理院においては、我が国の国土を表す地図の基本となる電子国土基本図や、火山周辺の地形等を詳細に表した火山基本図、土地の脆弱性に関する脆弱地形分類データ等、防災対策の基礎となる情報の整備・更新を行った。

(令和2年度決算額 1,301百万円の内数)

(65)防災地理情報による防災教育支援の推進

国土地理院においては、洪水等の自然災害リスクの把握に役立つ脆弱地形分類データ等の防災地理情報を活用した地域防災力向上のための防災教育支援を行った。

(令和2年度決算額 46百万円の内数)

(66)予報、警報その他の情報の発表及び伝達

気象庁においては、避難勧告等の判断等、地方公共団体等が行う災害応急対策や、国民の自主的防災行動に資するため、適時適切な予報及び警報並びに大雨警報・洪水警報の危険度分布等の防災気象情報を発表するとともに、防災関係機関等に伝達し、災害の防止・軽減に努めた。また、各種天気図や波浪、海流及び海氷の実況・予想図等について気象無線模写通報(無線ファクシミリ放送)等による提供を行った。

(67)JETT(気象庁防災対応支援チーム)の派遣

気象庁においては、災害が発生した場合又は発生が予想される場合に、TEC-FORCEの一員として活動するJETT(気象庁防災対応支援チーム)を都道府県や市町村の災害対策本部等へ派遣した。

(68)走錨事故防止対策の推進

海上保安庁においては、臨海部に立地する施設の周辺海域において錨泊制限等の対策を実施するとともに、海域監視体制の強化を図った。

(令和2年度決算額 1,244百万円)

(69)強靱な災害廃棄物処理システムの構築

環境省においては、災害廃棄物対策推進検討会において災害廃棄物を適正かつ円滑・迅速に処理するための必要事項を整理し、個別のワーキンググループにおいて検討事項の具体化を進めた。また、地方公共団体レベルの取組の加速化のための災害廃棄物処理計画策定支援等モデル事業、地域ブロックレベルでの広域連携を促進するための地域ブロック協議会、全国レベルで災害廃棄物対応力を向上させるためのD.Waste-Netや人材バンクの体制強化や各種の検討会等を実施した。

(令和2年度決算額 835百万円)

(70)浄化槽長寿命化計画策定推進

環境省においては、浄化槽の長寿命化による国土強靱化を実現するため、浄化槽の計画的・効率的な更新、修繕、管理の最適化を推進する長寿命化計画策定のためのガイドラインの検討等を実施し、浄化槽長寿命化計画策定ガイドラインとして取りまとめ、公表した。

(令和2年度決算額 15百万円)

(71)生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)という考え方の普及啓発

環境省においては、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の社会実装に向けて必要な事項や優良事例等の情報を整理したパンフレットを用いて、Eco-DRRの考え方の普及啓発を進めた。

(72)災害対処能力の向上経費

防衛省においては、災害対処拠点となる駐屯地・基地等の機能維持・強化のための耐震改修等を促進するなど各種災害への対処能力の向上を図った。

(令和2年度決算額 238,402百万円)


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