令和4年版 防災白書|第2部 第2章 8 危険物災害対策


8 危険物災害対策

(1)危険物災害の防止に関する研究

消防庁においては、次の研究を行った。

  • 危険物施設の老朽化を踏まえた長寿命化対策

施設・設備の長期間使用により老朽化した危険物施設に活用できる腐食状態のモニタリング技術や診断技術を調査し、老朽化を踏まえた施設類型毎の点検のあり方について検討を行うとともに、施設の長寿命化のための補修・補強方法及び施設の長期間使用を前提とした技術基準のあり方について検討を行った(後掲 第3章8-2(3))。

(令和2年度決算額 32百万円)

  • 燃料供給インフラの維持に向けた安全対策の検討

国内の石油製品需要の減少を背景として、過疎化や、それに伴う人手不足等により、給油取扱所の数が年々減少し、自家用車や農業機械への給油、移動手段を持たない高齢者への灯油配送などに支障を来すいわゆる「SS過疎地問題」が、地域住民の生活環境の維持及び防災上の観点から、全国的な課題となっている。このような状況を踏まえ、<1>現存する給油取扱所の事業継続に係る各方策、<2>過疎地域の燃料供給インフラの維持に係る各方策について検討を行った(後掲 第3章8-2(3))。

(令和2年度決算額 23百万円)

  • 危険物の事故・災害の抑止に係る研究開発

石油タンクなど産業施設やエネルギー施設の強靱化と消火技術の効率化のために、<1>石油タンクの地震被害に関する高精度予測と石油タンク地震・津波被害シミュレータの開発、<2>石油タンク等の火災規模や油種等に応じた強力な泡消火技術、<3>石油コンビナートで貯蔵・取り扱われる反応性の高い化学物質の火災危険性に関するより適切な評価と消火時の安全管理技術についての研究開発を行った。

(令和2年度決算額 49百万円)

  • 地下タンクの健全性診断に係る研究開発

防食ライニングが施工された危険物の地下タンクの経年劣化について、タンクが将来継続して使用可能か否かを適切に判断するため、ライニング鋼板の腐食劣化の定量的評価を行い、地下タンクの健全性診断手法を研究開発した。

(令和2年度決算額 44百万円)

  • 火災・危険物流出等事故原因調査に関する調査

(再掲 第2章7(1)

(2)爆発防止等に関する研究

国立研究開発法人産業技術総合研究所においては、火薬類に代表される爆発性化学物質や水素あるいは自然冷媒等の可燃性ガスの爆発安全及び利用技術の研究を行い、爆発防止及び爆発影響低減化技術の開発を行った。また、産業保安分野では、事故事例データベース等の整備を進め共通基盤技術の研究を行った。

(令和2年度決算額 運営費交付金 62,387百万円の内数)


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