第2節 原子力規制委員会における原子力災害対策
東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、原子力規制行政に対する信頼の確保に向けた取組を継続的に行っていくことが極めて重要である。原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、「独立した意思決定」、「実効ある行動」、「透明で開かれた組織」、「向上心と責任感」及び「緊急時即応」を組織理念として、様々な政策課題に取り組んでいる。
2-1 原子力災害対策に係る取組
原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れる等、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に最適なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図っている。令和元年度第75回原子力規制委員会(令和2年3月30日)において了承された原子力事業者が緊急事態区分に該当する状況にあるか否かを判断する緊急時活動レベル(EAL)の見直しの今後の進め方を踏まえ、特定重大事故等対処施設等に係る「緊急時活動レベルの見直し等への対応に係る会合」を計3回開催し、原子力事業者と特定重大事故等対処施設や多様性拡張施設を考慮したEALの見直しに係る意見交換を行った。これら会合の結果を踏まえ、令和2年度第35回原子力規制委員会(令和2年10月28日)において同指針、関係規則等の改正を決定した。
原子力災害時における医療体制については、原子力災害拠点病院の指定促進の支援等、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めている。