内閣府防災情報のページみんなで減災

内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 防災情報のページ > 会議・検討会 > 防災白書 > 令和2年版 防災白書 > 令和2年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-3 防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD・ジャイパッド)の設立

令和2年版 防災白書|第1部 第1章 第4節 4-3 防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD・ジャイパッド)の設立


4-3 防災技術の海外展開に向けた官民連絡会(JIPAD・ジャイパッド)の設立

内閣府においては、平成30年12月に「インフラシステム輸出戦略」において「防災分野の海外展開戦略」が策定されたこと等を踏まえ、我が国が強みを有する防災技術やノウハウを、官民が一体となり、海外に積極的に情報発信するとともに、相手国の官民との関係構築を図ることにより、防災技術の海外展開を促進するため、令和元年8月23日に「防災技術の海外展開に向けた官民連絡会」(Japan International Public-Private Association for Disaster Risk Reduction、通称JIPAD)を設立した。

同連絡会には、令和2年3月1日現在、製造、建設・エンジニアリング、調査・設計、商社、通信、保険等の分野から187企業等が会員となっており、運営協力省庁・団体として、内閣官房、内閣府(科学技術・イノベーション担当)、総務省、消防庁、外務省、経済産業省、国土交通省、気象庁、環境省、防衛省、JICA、(独)日本貿易振興機構(JETRO)、(一社)日本防災プラットフォーム(JBP)、アジア防災センターが参加している。

JIPAD第1回総会(設立総会)の様子
JIPAD第1回総会(設立総会)の様子
(1)官民連絡会の実施

令和元年8月23日に実施した、第1回官民連絡会総会では、モザンビーク大使、インドネシア大使、エクアドル臨時大使、会員企業151社等が参加し、内閣府より令和元年度の主な活動計画について提案するとともに、運営協力省庁・団体である内閣官房、JETRO、JBPよりそれぞれの海外展開支援の取組が報告された。JIPAD設立に際し、山本内閣府特命担当大臣(防災)(当時)より「様々な技術をもつ民間企業と連携し、全世界の一人でも多くの命を救うという気概をもって取組を進めたい」と抱負が述べられた。

令和元年12月11日に実施した第2回官民連絡会総会では、トルコ大使、マラウィ大使、エクアドル大使、ニカラグア大使、ブルガリア大使、コロンビア公使等14か国の大使館より20名、会員企業53社84名が参加し、内閣府から令和元年版防災白書の英訳版を紹介するとともに、令和元年12月までの主な活動が報告された。あわせて、運営協力省庁・団体である内閣官房、内閣府(科学技術・イノベーション担当)、JBPからそれぞれの海外展開支援の取組が報告された。締めくくりに平内閣府副大臣は、「民間企業と連携しつつ、最先端の科学技術を活用し世界の防災に効果的に役立てていきたい」と述べた。

第2回総会における平内閣府副大臣挨拶
第2回総会における平内閣府副大臣挨拶
第1回総会における山本内閣府特命担当大臣(防災)(当時)
第1回総会における山本内閣府特命担当大臣(防災)(当時)
(2)官民防災セミナーの実施

JIPADにおいては、我が国の防災政策・技術・ノウハウを一体的に紹介するとともに、官民ネットワークを構築し、防災協力関係を強化する「官民防災セミナー」を国内及び海外において開催している。

令和元年11月、前述のアジア防災会議と連携し、トルコ国アンカラ市にて日トルコ官民防災セミナーを、JIPAD企業11社の参加を得て開催した。トルコからチャタクル内務副大臣をはじめ官民の防災関係者、そのほか、アジア防災会議に参加していたアジア諸国の防災関係者も多数参加した。

また、令和2年1月、エクアドル国キト市・コロンビア国ボゴタ市を訪問し、JIPAD企業12社の参加を得て、官民防災セミナーを開催した。エクアドルでは、日本から首藤在エクアドル大使、村手内閣府大臣官房審議官等、エクアドルからオクレス危機管理庁長官をはじめとする官民の防災関係者、コロンビアでは、森下在コロンビア大使、村手内閣府大臣官房審議官等、コロンビアはゴンザレス危機管理庁副局長をはじめとする官民の防災関係者が参加した。

日・トルコ官民防災セミナー
日・トルコ官民防災セミナー
日・エクアドル官民防災セミナー
日・エクアドル官民防災セミナー

また、JICA研修等で各国から防災行政幹部や担当官が訪日する機会をとらえ、内閣府等において、JIPAD企業の参加を得て、官民防災セミナーを実施した。令和元年度には、令和元年10月にブルガリア(ベルネル内務副大臣等)、アフリカ諸国、ASEAN諸国、11月にモザンビーク(ペレイラ復興庁長官、マイタ国家災害管理庁長官等)、太平洋・カリブ島嶼国、令和2年1月にガーナ(プレンペ防災機構局長)、2月にアジア等6か国、モルディブ共和国、ブルガリア・西バルカン諸国、モザンビーク(マラケス ベイラ市長代理等)、ミャンマー(ココナイン社会福祉救済復興省防災局長)を対象に、合計11回開催した。

ASEAN官民防災セミナー
ASEAN官民防災セミナー
ガーナ共和国官民防災セミナー
ガーナ共和国官民防災セミナー
【コラム】
JIPAD会員が展開する防災技術の例

JIPAD会員が海外に紹介する技術を数例紹介する。

「防災・復興の技術開発で社会貢献」:株式会社フジタ

ロボットによる無人施工技術により、危険を伴う被災地や急傾斜地においても、建設を施行できる。建設会社として免震や耐震技術といった強靱な建築・土木施工技術はもちろん、工具不要でコンパクトに収納可能なベッドも開発している。

「壊れない堤防で人命、財産を災害から守る」:株式会社技研製作所

高剛性の鋼矢板や鋼管杭を地中深く圧入することにより、地震による地盤沈下や津波などの外力にも耐えられる「インプラント工法」を開発。同工法は足場が無い・狭い所でも施工可能。

「津波に備える」:八千代エンジニアリング株式会社

3D解析技術により、建物による津波のせり上りを分析し、何階以上が安全かについて提言することのできるシミュレーションモデルを開発。津波に強いまちづくり計画に役立てることを目的とする。

「気象観測・予報等の高度化による防災への貢献」:日本気象協会

気象観測機器の運用から気象予測、予報・警報の発表、伝達まで気象に係るコンサルティングを幅広く手掛けている。我が国の固体素子気象レーダーは、真空管を用いた従来のレーダーと比べてライフサイクルコストに優れ、安定的に運用できる。また、小型で高性能なラジオゾンデを実用化しているため、軽量でランニングコストに優れる。

「地域の防災力を創る」:トーハツ株式会社

日本の消防団でも活用されている、「小型・軽量・コンパクト」という特徴を持つ可搬消防ポンプを開発・製造する。消防車では入れないような小道の先の火災現場での迅速な消火活動を可能とし、地域の防災力向上に貢献している。

「安心・安全な災害用備蓄型・組立式トイレ」:株式会社カワハラ技研

ほぼ紙で簡単に組み立てできる個室トイレを開発。バイオ製剤を排泄物貯留タンクに入れ、感染症などのリスクを抑える。軽量でかつ工具を使わず、女性2人で簡単に組み立てることが可能である。

無人施工機械
無人施工機械
危険を伴う被災地や急傾斜地に建設を施行
危険を伴う被災地や急傾斜地に建設を施行
コンパクトに収納可能なベッド
コンパクトに収納可能なベッド
インプラント工法
インプラント工法
シミュレーションモデル
シミュレーションモデル
可搬消防ポンプ
可搬消防ポンプ
気象レーダー
気象レーダー
組立式トイレ
組立式トイレ

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.