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令和2年版 防災白書|第1部 第1章 第3節 3-3 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策の検討


3-3 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策の検討

日本海溝・千島海溝沿いの海溝型地震に対する防災対策については「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」等に基づき政府全体で重点的に進めてきたところであるが、中央防災会議「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」(平成23年9月28日)を踏まえ、住民等の生命を守ることを最優先とし、とりうる手段を尽くした総合的な津波対策を確立するため、最大クラスの地震・津波を想定した対策の見直しを進めてきている。

そのため、平成27年2月に理学・工学等の研究者から構成される「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」を内閣府に設置し、過去に発生した津波の痕跡などを幅広く整理及び分析するなどして、科学的知見に基づき考えられうる最大クラスの地震・津波断層モデルの設定や、想定される震度の分布、沿岸での津波の高さの推計等の検討を進めてきた。

図表3-3-1 検討した最大クラスの津波断層モデル(左:日本海溝モデル、右:千島海溝モデル)
図表3-3-1 検討した最大クラスの津波断層モデル(左:日本海溝モデル、右:千島海溝モデル)
図表3-3-2 想定される沿岸津波高
図表3-3-2 想定される沿岸津波高

これらの最大クラスの地震・津波断層モデルの検討結果を踏まえ被害想定及び被害を軽減するための防災対策等の検討を行うため、令和2年4月に中央防災会議防災対策実行会議の下に「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」を設置した。

ワーキンググループでは、国として実施すべき各種の防災・減災対策を立案し、施策を推進していくために、まず、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で想定される津波や揺れによって生じる人的な被害や、建物の被害、水道・電気・ガス等のライフライン、道路・鉄道等の交通施設等の被害の様相及び定量的な被害量を検討することとしている。その後、被害の様相等を踏まえて、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震が生じた際の課題等を整理し、巨大地震対策の基本的な考え方を検討することとしている。特に、日本海溝・千島海溝沿いで冬季に地震が発生した場合は、積雪寒冷地特有の被害が想定されるため、これも考慮に入れ、検討を進めていく予定である。

【コラム】
「災害弔慰金の支給等に関する法律の改正」

災害援護資金貸付制度は、災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号。以下「災害弔慰金法」という。)に基づき、自然災害により世帯主が負傷した場合や住宅・家財に被害を受けた場合に、所得が一定以下の世帯の世帯主に対して、条例の定めるところにより、生活の立直しのための資金を貸し付ける制度である(貸付限度額:350万円、償還期間:10年)。

未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災時には、被災者生活再建支援法(平成10年法律第66号)が制定されておらず、多くの被災者が災害援護資金を頼りに生活再建を余儀なくされていたが、10年という期間での返済が難しく、期限内の償還が困難な者が数多くいたことから、これまで5度にわたり期限が延長された。

この間、関係地方公共団体においては、滞納者への法的措置などにより最大限の債権回収に努めてきた(貸付金額に係る償還率90%以上)一方、借受人の資力が十分にないこと等のため、震災から20年以上が経過した現在においても回収困難な債権が残ることとなった。

このような状況に鑑み、関係自治体の要望等も踏まえつつ、この問題の終局的な解決策が検討され、与野党調整の結果、以下の7点を柱として議員立法により災害弔慰金法が改正された(令和元年6月7日公布、8月1日施行)。

災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律の概要
災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律の概要

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