4-4 「世界津波の日」の制定に係る取組
2015年12月23日(現地時間22日)、ニューヨークで開催されていた第70回国連総会本会議で「世界津波の日」を定める決議が全会一致により採択された。この決議は、2015年3月に宮城県仙台市において行われた第3回国連防災世界会議、及び2015年9月に国連総会で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダのフォローアップとして、我が国をはじめ142か国が共に提案したものである。
決議の具体的な内容は、(1)11月5日を「世界津波の日」として制定すること、(2)早期警報、伝統的知識の活用、「より良い復興」を通じた災害への備えと迅速な情報共有の重要性を認識すること、(3)すべての加盟国、組織、個人に対して、津波に関する意識を向上するために、適切な方法で、世界津波の日を遵守することを要請すること、等である。
11月5日を指定することは、安政元年(1854年)11月5日に和歌山県で起きた大津波の際に、村人が自らの収穫した稲むらに火をつけることで早期に警報を発し、避難させたことにより村民の命を救い、被災地のより良い復興に尽力した「稲むらの火」の逸話に由来する。
今後は、この決議により、津波の脅威について関心が高まり、その対策が進むことが期待される。また、日本は、毎年11月5日に向けて、世界各地での津波の啓発活動や津波対策の強化を通じ、国際的な防災協力の取組を推進していく予定である。世界における津波防災の取組を推進していく上で、既に「津波防災の日」における取り組みを実施している我が国が模範を示していく必要があるため、政府においては、ホームページなどやポスターを作成し「世界津波の日」の制定に係る啓発活動を行っている。