4-2 アジア・太平洋地域における防災協力
(1)アジア防災センターの活動を通じた防災協力
アジア防災センター(ADRC)は、平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災の教訓をはじめ、我が国の災害教訓をアジア地域と共有するため、平成10年(1998年)に兵庫県神戸市に設立され、災害情報の共有、メンバー国の人材育成、コミュニティの防災力向上、メンバー国、国際機関、地域機関、NGOとの連携の4つの柱を軸に活動を行ってきた。WCDRRの際に安倍内閣総理大臣が発表した「仙台防災協力イニシアティブ」において、グローバルな協力、広域協力のための仕組みとして位置づけられたADRCの活動を支援するため、日本政府(内閣府)はその運営委員会の議長として、SFDRRを踏まえたADRCの今後の活動方針についてメンバー国等間の議論をリードしている。
また、ADRCが平成28年2月にプーケットで開催した第12回アジア防災会議について、西川内閣府審議官を団長とする政府代表団として参加し、津波防災に関する討論会においては東日本大震災及び津波被害の状況やそこから得られた貴重な教訓の数々を他のメンバー国等と共有するとともに、世界津波の日について日本政府と他のメンバー国とが連携して取組みを進めることを表明し、賛同を得た。
(2)アジアにおける仙台防災枠組推進に向けたハイレベル会合
平成28年秋に開催予定のアジア防災閣僚級会議開催国であるインド及びUNISDRが主催者となり、日本、中国など合計9か国によるハイレベル会合を平成27年11月16日から18日にインドのニューデリーで開催した。ここでは、アジアにおける仙台防災枠組推進に向けた政策の方向付けや、次回開催のアジア防災閣僚級会議の方向付けについて話し合いが行われた。
我が国からは、松本内閣府副大臣が出席し、我が国の統計に関するノウハウを活用するなど各国の統計整備の支援や、我が国の防災体制を紹介しつつ、世界各国のガバナンス強化に向けたサポートなど、仙台防災枠組をアジア地域で積極的に推進することを表明した。