平成28年版 防災白書|第1部 第1章 第1節 1-3 津波防災に係る取組


1-3 津波防災に係る取組

津波による被害を最小限に軽減するためには、平時から防災意識を高め、「津波が想定されるような大きな地震が発生した場合、速やかに高台に避難する」といった適切な避難行動の定着、浸透が重要である。こうした津波防災の意識向上に向け、内閣府ではこれまでも、11月5日の津波防災の日を中心に、全国各地において、中央省庁、地方公共団体、民間企業・団体などによる津波避難訓練の実施を働きかけてきたが、平成27年度は、適切な避難行動定着に向け、国民に対し訴求力のある普及啓発活動に一層注力した。

(1)「津波防災ひろめ隊」による普及啓発活動 ~「津波!?高いところへ!」~

平成27年度は津波防災意識向上のため、全国的に著名で発信力のある「ふなっしー」や「くまモン」などのご当地キャラクター達が「津波防災ひろめ隊」を結成し、9月7日のお披露目会(山谷えり子内閣府特命担当大臣(防災)(当時)も参加)を皮切りに、「津波!?高いところへ!」という分かり易いキャッチフレーズのもと、各種広報活動に取り組んだ。

まず、全国各地の訓練・イベント情報や津波防災の心得などを掲載した特設ホームページ「津波防災ひろめ隊サイト」を開設、各種情報を発信した。また、コアメンバーである「ふなっしー」、「くまモン」、「ちっちゃいおっさん」が出演し、津波防災の心得を親しみ易く伝える啓発動画を作成するとともに、内閣府防災のYouTube公式チャンネルにて、これらの動画や、津波防災ひろめ隊の取組状況、各種イベントの様子を公開した。さらに、多数のフォロワーを持つコアメンバー達が、積極的にTwitter等で津波防災に関するメッセージをツイートするなど、広く情報発信を行った。

コアメンバーの取組だけではなく、地域に密着して津波防災の普及啓発に取組む意欲のあるご当地キャラクターやご当地アイドルなども「津波防災ひろめ隊」隊員となり、メンバー達は各地で津波防災の取組を盛り上げた。

津波防災ひろめ隊コアメンバー津波防災ひろめ隊コアメンバー
(2)「津波防災トーク in 丸の内」の開催

11月5日の津波防災の日には、東京・丸の内の丸ビル「Marucube(マルキューブ)」にて、安倍内閣総理大臣、河野内閣府特命担当大臣(防災)の出席のもと、啓発イベント「津波防災トークin丸の内」を開催した。

本イベントでは、安倍内閣総理大臣、河野内閣府特命担当大臣(防災)と今村文彦教授(東北大学・災害科学国際研究所所長)が津波防災に関する大切なポイントについてトークショーを行い、安倍内閣総理大臣はその中で、津波警報が出たら、各自が自らの命を守るために全力を尽くし、速やかに避難すること、そして、そのためには自宅や職場近くの避難場所をあらかじめ確認、その情報を家族で共有し、津波の恐れがなくなってから家族で落ち合うことが重要であり、家庭や職場で確認や話し合いを行っておくことの大切さを訴えた。

このほかに、当時我が国から国連に提案を行っていた「世界津波の日」や防災分野における国際協力についての取組を紹介するとともに、津波から身を守るために必要である速やかに高いところへ逃げると言うこと体現した「津波避難ポーズ」を安倍内閣総理大臣、河野内閣府特命担当大臣(防災)、津波防災ひろめ隊のキャラクター達が一緒に決めながら、津波防災を知ってもらうことを呼びかけた。

当日会場には多数の観客が来場し、またその模様は各種メディアでも取り上げられ、広く津波防災の大切さについて広報することができた。

津波防災ひろめ隊コアメンバーと津波避難ポーズをとる安倍内閣総理大臣、河野内閣府特命担当大臣(防災)津波防災ひろめ隊コアメンバーと津波避難ポーズをとる安倍内閣総理大臣、河野内閣府特命担当大臣(防災)
(3)津波防災の日(11月5日)近辺に行われたその他の取組

11月5日の津波防災の日を中心とした期間において、全国各地でのポスターの掲示や、主要コンビニエンスストア各社のお客様向けレジディスプレイ画面での表示、商業施設の屋外型モニターなどでの啓発動画の上映などを通じて、津波防災ひろめ隊による津波防災を知ってもらう呼びかけを行った。

また、全国各地で地震・津波防災訓練が行われ、国(9省庁)、地方公共団体(179団体)、民間企業(96団体)などで実施され、数多くの国民が参加した。内閣府が各市町村と共催で実施した地震・津波防災訓練の内、全国6ヶ所では、地域のご当地キャラクターやご当地アイドルが出演して地域密着型の啓発イベントを実施するなど、参加者が楽しみながら津波防災について理解を深める取組も行われた。


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