附属資料61 学習指導要領等における主な防災教育関連記述
【幼稚園教育要領(抄)】
第2章 ねらい及び内容
健康
〔健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。〕
2 内容
(10)危険な場所、危険な遊び方、災害時などの行動の仕方が分かり、安全に気を付けて行動する。
第3章 指導計画及び教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項
第1 指導計画の作成に当たっての留意事項
2 特に留意する事項
(1)安全に関する指導に当たっては、情緒の安定を図り、遊びを通して状況に応じて機敏に自分の体を動かすことができるようにするとともに、危険な場所や事物などが分かり、安全についての理解を深めるようにすること。また、交通安全の習慣を身に付けるようにするとともに、災害などの緊急時に適切な行動がとれるようにするための訓練なども行うようにすること。
【小学校学習指導要領(抄)】
第2章 各教科
第2節 社 会
第2 各学年の目標及び内容
〔第3学年及び第4学年〕
2 内容
(4)地域社会における災害及び事故の防止について、次のことを見学、調査したり資料を活用したりして調べ、人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考えるようにする。
ア 関係機関は地域の人々と協力して、災害や事故の防止に努めていること。
イ 関係の諸機関が相互に連携して、緊急に対処する体制をとっていること。
3 内容の取扱い
(4)内容の(4)の「災害」については、火災、風水害、地震などの中から選択して取り上げ、「事故の防止」については、交通事故などの事故防止や防犯を取り上げるものとする。
〔第5学年〕
2 内容
(1)我が国の国土の自然などの様子について、次のことを地図や地球儀、資料などを活用して調べ、国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。
エ 国土の保全などのための森林資源の働き及び自然災害の防止
(4)我が国の情報産業や情報化した社会の様子について、次のことを調査したり資料を活用したりして調べ、情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする。
イ 情報化した社会の様子と国民生活とのかかわり
3 内容の取扱い
(5)内容の(4)については、次のとおり取り扱うものとする。
イ イについては、情報ネットワークを有効に活用して公共サービスの向上に努めている教育、福祉、医療、防災などの中から選択して取り上げること。
〔第6学年〕
2 内容
(2)我が国の政治の働きについて、次のことを調査したり資料を活用したりして調べ、国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること、現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。
3 内容の取扱い
(2)内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については、社会保障、災害復旧の取組、地域の開発などの中から選択して取り上げ、具体的に調べられるようにすること。
第4節 理 科
第2 各学年の目標及び内容
〔第5学年〕
2 内容
B 生命・地球
(3)流水の働き
地面を流れる水や川の様子を観察し、流れる水の速さや量による働きの違いを調べ、流れる水の働きと土地の変化の関係についての考えをもつことができるようにする。
ウ 雨の降り方によって、流れる水の速さや水の量が変わり、増水により土の様子が大きく変化する場合があること。
(4)天気の変化
1日の雲の様子を観測したり、映像などの情報を活用したりして、雲の動きなどを調べ、天気の変化の仕方についての考えをもつことができるようにする。
ア 雲の量や動きは、天気の変化と関係があること。
イ 天気の変化は、映像などの気象情報を用いて予想できること。
3 内容の取扱い
(4)内容の「B生命・地球」の(4)のイについては、台風の進路による天気の変化や台風と降雨との関係についても触れるものとする。
〔第6学年〕
2 内容
B 生命・地球
(4)土地のつくりと変化
土地やその中に含まれる物を観察し、土地のつくりや土地のでき方を調べ、土地のつくりと変化についての考えをもつことができるようにする。
ウ 土地は、火山の噴火や地震によって変化すること。
第5節 生活
第2 各学年の目標及び内容
〔第1学年及び第2学年〕
1 目標
(1)自分と身近な人々及び地域の様々な場所、公共物などとのかかわりに関心をもち、地域のよさに気付き、愛着をもつことができるようにするとともに、集団や社会の一員として自分の役割や行動の仕方について考え、安全で適切な行動ができるようにする。
2 内容
(1)学校の施設の様子及び先生など学校生活を支えている人々や友達のことが分かり、楽しく安心して遊びや生活ができるようにするとともに、通学路の様子やその安全を守っている人々などに関心をもち、安全な登下校ができるようにする。
第6章 特別活動
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔学級活動〕
2 内容
〔共通事項〕
(2)日常の生活や学習への適応及び健康安全
カ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
〔学校行事〕
2 内容
(3)健康安全・体育的行事
心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。
【中学校学習指導要領(抄)】
第2章 各教科
第2節 社 会
第2 各分野の目標及び内容
[地理的分野]
2 内容
(2)日本の様々な地域
イ 世界と比べた日本の地域的特色
世界的視野や日本全体の視野から見た日本の地域的特色を取り上げ、我が国の国土の特色を様々な面から大観させる。
(ア) 自然環境
世界的視野から日本の地形や気候の特色、海洋に囲まれた日本の国土の特色を理解させるとともに、国内の地形や気候の特色、自然災害と防災への努力を取り上げ、日本の自然環境に関する特色を大観させる。
ウ 日本の諸地域
日本を幾つかの地域に区分し、それぞれの地域について、以下の(ア)から(キ)で示した考察の仕方を基にして、地域的特色をとらえさせる。
(ア) 自然環境を中核とした考察
地域の地形や気候などの自然環境に関する特色ある事象を中核として、それを人々の生活や産業などと関連付け、自然環境が地域の人々の生活や産業などと深い関係をもっていることや、地域の自然災害に応じた防災対策が大切であることなどについて考える。
エ 身近な地域の調査
身近な地域における諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を行い、生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めて地域の課題を見いだし、地域社会の形成に参画しその発展に努力しようとする態度を養うとともに、市町村規模の地域の調査を行う際の視点や方法、地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。
3 内容の取扱い
(4)内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
イ イの(ア)から(エ)で示した日本の地域的特色については、指導に当たって内容の(1)の学習成果を生かすとともに、日本の諸地域の特色について理解を深めるための基本的な事柄で構成すること。
ウ ウについては、次のとおり取り扱うものとすること。
(ア) 地域区分については、指導の観点や学校所在地の事情などを考慮して適切に決めること。
(イ) 指導に当たっては、地域の特色ある事象や事柄を中核として、それを他の事象と有機的に関連付けて、地域的特色を追究するようにすること。
(ウ) (ア)から(キ)の考察の仕方については、学習する地域ごとに一つ選択すること。また、ウの学習全体を通してすべて取り扱うこと。
エ エについては、学校所在地の事情を踏まえて観察や調査を指導計画に位置付け実施すること。その際、縮尺の大きな地図や統計その他の資料に親しませ、それらの活用の技能を高めるようにすること。また、観察や調査の結果をまとめる際には、地図を有効に活用して事象を説明したり、自分の解釈を加えて論述したり、意見交換したりするなどの学習活動を充実させること。なお、学習の効果を高めることができる場合には、内容の(2)のウの中の学校所在地を含む地域の学習と結び付けて扱ってもよいこと。
第4節 理 科
第2 各分野の目標及び内容
[第2分野]
2 内容
(2) 大地の成り立ちと変化
大地の活動の様子や身近な岩石、地層、地形などの観察を通して、地表に見られる様々な事物・現象を大地の変化と関連付けて理解させ、大地の変化についての認識を深める。
ア 火山と地震
(イ) 地震の伝わり方と地球内部の働き
地震の体験や記録を基に、その揺れの大きさや伝わり方の規則性に気付くとともに、地震の原因を地球内部の働きと関連付けてとらえ、地震に伴う土地の変化の様子を理解すること。
ウ 日本の気象
(ア) 日本の天気の特徴
天気図や気象衛星画像などから、日本の天気の特徴を気団と関連付けてとらえること。
(イ) 大気の動きと海洋の影響
気象衛星画像や調査記録などから、日本の気象を日本付近の大気の動きや海洋の影響に関連付けてとらえること。
(7) 自然と人間
イ 自然の恵みと災害
(ア) 自然の恵みと災害
自然がもたらす恵みと災害などについて調べ、これらを多面的、総合的にとらえて、自然と人間のかかわり方について考察すること。
3 内容の取扱い
(3)内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
イ アの(イ)については、地震の現象面を中心に取り扱い、初期微動継続時間と震源までの距離との定性的な関係にも触れること。また、「地球内部の働き」については、日本付近のプレートの動きを扱うこと。
(5)内容の(4)については、次のとおり取り扱うものとする。
ウ ウの(イ)については、地球を取り巻く大気の動きにも触れること。また、地球の大きさや大気の厚さにも触れること。
(8)内容の(7)については、次のとおり取り扱うものとする。
ウ イの(ア)ついては、地球規模でのプレートの動きも扱うこと。また、「災害」については、記録や資料などを用いて調べ、地域の災害について触れること。
第7節 保健体育
第2 各分野の目標及び内容
[保健分野]
2 内容
(3)傷害の防止について理解を深めることができるようにする。
ア 交通事故や自然災害などによる傷害は、人的要因や環境要因などがかかわって発生すること。
ウ 自然災害による傷害は、災害発生時だけでなく、二次災害によっても生じること。また、自然災害による傷害の多くは、災害に備えておくこと、安全に避難することによって防止できること。
第8節 技術・家庭(家庭分野)
第2 各分野の目標及び内容
2 内容
C 衣生活・住生活と自立
(2)住居の機能と住まい方について、次の事項を指導する。
イ 家族の安全を考えた室内環境の整え方を知り、快適な住まい方を工夫できること。
第5章 特別活動
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔学級活動〕
2 内容
(2)適応と成長及び健康安全
キ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成
〔学校行事〕
2 内容
(3)健康安全・体育的行事
心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。
【高等学校学習指導要領(抄)】
第2章 各学科に共通する各教科
第2節 地理歴史
第2 世界史B
2 内容
(1)世界史への扉
ア 自然環境と人類のかかわり
自然環境と人類のかかわりについて、生業や暮らし、交通手段、資源、災害などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ、世界史学習における地理的視点の重要性に気付かせる。
第5 地理A
2 内容
(2)生活圏の諸課題の地理的考察
イ 自然環境と防災
我が国の自然環境の特色と自然災害とのかかわりについて理解させるとともに、国内にみられる自然災害の事例を取り上げ、地域性を踏まえた対応が大切であることなどについて考察させる。
3 内容の取扱い
(2)内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
イ 内容の(2)については、次の事項に留意すること。
(ウ) イについては、日本では様々な自然災害が多発することから、早くから自然災害への対応に努めてきたことなどを具体例を通して取り扱うこと。その際、地形図やハザードマップなどの主題図の読図など、日常生活と結び付いた地理的技能を身に付けさせるとともに、防災意識を高めるよう工夫すること。
第5節 理科
第1 科学と人間生活
2 内容
(2)人間生活の中の科学
エ 宇宙や地球の科学
(イ) 身近な自然景観と自然災害
身近な自然景観の成り立ちと自然災害について、太陽の放射エネルギーによる作用や地球内部のエネルギーによる変動と関連付けて理解すること。
3 内容の取扱い
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
オ (中略)(イ)については、地域の自然景観、その変化と自然災害に関して、観察、実験などを中心に扱うこと。その際、自然景観が長い時間の中で変化してできたことにも触れること。「自然景観の成り立ち」については、流水の作用、地震や火山活動と関連付けて扱うこと。「自然災害」については、防災にも触れること。
第8 地学基礎
2 内容
(2)変動する地球
エ 地球の環境
(イ) 日本の自然環境
日本の自然環境を理解し、その恩恵や災害など自然環境と人間生活とのかかわりについて考察すること。
3 内容の取扱い
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
イ (中略)(イ)の「恩恵や災害」については、日本に見られる季節の気象現象、地震や火山活動など特徴的な現象を扱うこと。また、自然災害の予測や防災にも触れること。
第9 地 学
2 内 容
(2)地球の活動と歴史
イ 地球の歴史
(ア) 地表の変化
風化、侵食、運搬及び堆積の諸作用による地形の形成について理解すること。
(3)地球の大気と海洋
ア 大気の構造と運動
(イ) 大気の運動と気象
大循環と対流による現象及び日本や世界の気象の特徴を理解すること。
イ 海洋と海水の運動
(イ) 海水の運動
海水の運動や循環及び海洋と大気の相互作用について理解すること。
3 内容の取扱い
(2)内容の範囲や程度については、次の事項に配慮するものとする。
イ (中略)イの(ア)については、段丘や海底堆積物も扱うこと。
ウ (中略)(イ)の「大循環」による現象については、偏西風波動と地上の高気圧・低気圧との関係も扱うこと。「対流」による現象については、大気の安定・不安定にも触れること。「日本や世界の気象の特徴」については、人工衛星などから得られる情報も活用し、大気の大循環と関連させて扱うこと。また、気象災害にも触れること。
(中略)(イ)の「海水の運動や循環」については、波浪や潮汐も扱うこと。「海洋と大気の相互作用」については、地球上の水の分布と循環にも触れること。
第6節 保健体育
第2 保健
2 内容
(1)現代社会と健康
エ 交通安全
交通事故を防止するには、車両の特性の理解、安全な運転や歩行など適切な行動、自他の生命を尊重する態度、交通環境の整備などがかかわること。また、交通事故には責任や補償問題が生じること。
3 内容の取扱い
(4)内容の(1)のエについては、二輪車及び自動車を中心に取り上げるものとする。
また、自然災害などによる障害の防止についても、必要に応じ関連付けて扱うよう配慮するものとする。
第5章 特別活動
第2 各活動・学校行事の目標及び内容
〔ホームルーム活動〕
2 内容
(2)適応と成長及び健康安全
ケ 生命の尊重と安全な生活態度や規律ある習慣の確立
〔学校行事〕
2 内容
(3)健康安全・体育的行事
心身の健全な発達や健康の保持増進などについての理解を深め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと。
出典:文部科学省資料