平成26年版 防災白書|第2部 第2章 4 風水害対策


4 風水害対策

(1)都市圏における複合水災害の発生予測に関する研究

独立行政法人防災科学技術研究所においては、局地的豪雨をより高精度に観測し早期予測する技術、局地的豪雨による都市型水害、土砂災害や台風による沿岸災害の予測技術の開発を推進した。

(2)豪雨・地震時の山地災害対策に関する研究

独立行政法人森林総合研究所においては、豪雨・地震による山地災害の発生源対策のために必要となる崩壊・地すべり・土石流の物理則モデルの精度向上に関する研究を行った。

(3)気候変動下での大規模水災害に対する施策群の設定・選択を支援する基盤技術の開発

国土交通省国土技術政策総合研究所においては、気候変動下の水災害リスク低減のため、現在の科学技術では避けることのできない不確実性を前提として、将来の気候変動等を考慮した洪水対策手法について研究している。平成24年度は、将来の氾濫原内の人口・年齢構成・資産分布の変化を考慮した水災害リスク評価手法について、モデル河川を対象として検討を行った。

(平成24年度決算額 11百万円)

(4)豪雨・地震による土砂災害に対する危険度予測と被害軽減技術の開発

独立行政法人土木研究所においては、深層崩壊等異常土砂災害の発生場所及び規模推定に関する技術開発、新潟県中越地震による地すべりの発生機構の解明とそれに基づく危険度評価手法の開発、流動化する地すべりの要因の解明に関する研究を行った。

(5)風水害対策に関する研究

独立行政法人土木研究所においては、河川災害防除に関する研究及び斜面災害防止に関する研究を行った。

(6)水災害リスクマネジメント国際センター(ICHARM)の運営

独立行政法人土木研究所においては、「水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)」を通じ、世界の水関連災害の防止・軽減に貢献するべく、統合洪水解析システム(IFAS)の開発・普及、途上国行政官を対象とする洪水リスク管理技術に関する研修活動を実施した。また、平成21年度から開始したアジア開発銀行との地域技術協力連携プロジェクトでは、インドネシアやバングラディシュ、メコン河流域などの洪水が頻発する国や地域における対応能力を向上させるための各種活動を実施し、プロジェクトを完了した。

(7)気候変化等により激甚化する水災害を防止、軽減するための技術開発

独立行政法人土木研究所においては、不確実性を考慮した地球温暖化が洪水・渇水に与える影響の予測技術の開発、堤防、構造物周辺堤防、基礎地盤を総合的に考慮した浸透安全性及び耐震性の照査技術の開発、低コストな浸透対策や効果的な地震対策等の堤防強化技術の開発に関する研究を実施した。

(8)港湾・海岸及び空港土木施設の地震災害防止に関する研究

独立行政法人港湾空港技術研究所においては、異常波浪を対象とした実験・計算手法の高度化、中・長期気候変動による海象外力の変化の評価等、高波・高潮災害の防止・軽減に関する研究を行った。


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