附属資料29 学習指導要領における主な防災教育関連記述の抜粋
【幼稚園教育要領(抄)】
第2章 ねらい及び内容
健康
〔健康な心と体を育て,自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。〕
2 内容
(10) 危険な場所,危険な遊び方,災害時などの行動の仕方が分かり,安全に気を付けて行動する。
第3章 指導計画及び教育課程に係る教育時間の終了後等に行う教育活動などの留意事項
第1 指導計画の作成に当たっての留意事項
2 特に留意する事項
(1) 安全に関する指導に当たっては,情緒の安定を図り,遊びを通して状況に応じて機敏に自分の体を動かすことができるようにするとともに,危険な場所や事物などが分かり,安全についての理解を深めるようにすること。また,交通安全の習慣を身に付けるようにするとともに,災害などの緊急時に適切な行動がとれるようにするための訓練なども行うようにすること。
【小学校学習指導要領(抄)】
第2章 各教科
第2節 社会
〔第3学年及び第4学年〕
2 内容
(4) 地域社会における災害及び事故の防止について,次のことを見学,調査したり資料を活用したりして調べ,人々の安全を守るための関係機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考えるようにする。
ア 関係機関は地域の人々と協力して,災害や事故の防止に努めていること。
イ 関係の諸機関が相互に連携して,緊急に対処する体制をとっていること。
3 内容の取扱い
(4) 内容の(4)の「災害」については,火災,風水害,地震などの中から選択して取り上げ,「事故の防止」については,交通事故などの事故防止や防犯を取り上げるものとする。
〔第5学年〕
2 内容
(1) 我が国の国土の自然などの様子について,次のことを地図や地球儀,資料などを活用して調べ,国土の環境が人々の生活や産業と密接な関連をもっていることを考えるようにする。
エ 国土の保全などのための森林資源の働き及び自然災害の防止
(4) 我が国の情報産業や情報化した社会の様子について,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする。
イ 情報化した社会の様子と国民生活とのかかわり
3 内容の取扱い
(5) 内容の(4)については,次のとおり取り扱うものとする。
イ イについては,情報ネットワークを有効に活用して公共サービスの向上に努めている教育,福祉,医療,防災などの中から選択して取り上げること。
〔第6学年〕
2 内容
(2) 我が国の政治の働きについて,次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。
3 内容の取扱い
(2) 内容の(2)については,次のとおり取り扱うものとする。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については,社会保障,災害復旧の取組,地域の開発などの中から選択して取り上げ,具体的に調べられるようにすること。
【中学校学習指導要領(抄)】
第2章 各教科
第2節 社会
〔地理的分野〕
2 内容
(2) 日本の様々な地域
イ 世界と比べた日本の地域的特色
(ア) 自然環境
世界的視野から日本の地形や気候の特色,海洋に囲まれた日本の国土の特色を理解させるとともに,国内の地形や気候の特色,自然災害と防災への努力を取り上げ,日本の自然環境に関する特色を大観させる。
ウ 日本の諸地域
(ア) 自然環境を中核とした考察
地域の地形や気候などの自然環境に関する特色ある事象を中核として,それを人々の生活や産業などと関連付け,自然環境が地域の人々の生活や産業などと深い関係をもっていることや,地域の自然災害に応じた防災対策が大切であることなどについて考える。
第4節 理科
〔第2分野〕
2 内容
(7) 自然と人間
イ 自然の恵みと災害
(ア) 自然の恵みと災害
自然がもたらす恵みと災害などについて調べ,これらを多面的,総合的にとらえて,自然と人間のかかわり方について考察すること。
3 内容の取扱い
(8) 内容の(7)については,次のとおり取り扱うものとする。
ウ イの(ア)については,地球規模でのプレートの動きも扱うこと。また,「災害」については,記録や資料などを用いて調べ,地域の災害について触れること。
第7節 保健体育
〔保健分野〕
2 内容
(3) 傷害の防止について理解を深めることができるようにする。
ウ 自然災害による傷害は,災害発生時だけでなく,二次災害によっても生じること。また,自然災害による傷害の多くは,災害に備えておくこと,安全に避難することによって防止できること。
【高等学校学習指導要領(抄)】
第2章 各学科に共通する各教科
第2節 地理歴史
第2款 各科目
第2 世界史B
2 内容
(1) 世界史への扉
ア 自然環境と人類のかかわり
自然環境と人類のかかわりについて,生業や暮らし,交通手段,資源,災害などから適切な歴史的事例を取り上げて考察させ,世界史学習における地理的視点の重要性に気付かせる。
第5 地理A
2 内容
(2) 生活圏の諸課題の地理的考察
イ 自然環境と防災
我が国の自然環境の特色と自然災害とのかかわりについて理解させるとともに,国内にみられる自然災害の事例を取り上げ,地域性を踏まえた対応が大切であることなどについて考察させる。
3 内容の取扱い
(2) 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
イ 内容の(2)については,次の事項に留意すること。
(ウ) イについては,日本では様々な自然災害が多発することから,早くから自然災害への対応に努めてきたことなどを具体例を通して取り扱うこと。その際,地形図やハザードマップなどの主題図の読図など,日常生活と結び付いた地理的技能を身に付けさせるとともに,防災意識を高めるよう工夫すること。
第5節 理科
第2款 各科目
第1 科学と人間生活
2 内容
(2) 人間生活の中の科学
エ 宇宙や地球の科学
(イ)身近な自然景観と自然災害
身近な自然景観の成り立ちと自然災害について,太陽の放射エネルギーによる作用や地球内部のエネルギーによる変動と関連付けて理解すること。
3 内容の取扱い
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
オ 内容の(2)のエの(イ)については,地域の自然景観,その変化と自然災害に関して,観察,実験などを中心に扱うこと。その際,自然景観が長い時間の中で変化してできたことにも触れること。「自然景観の成り立ち」については,流水の作用,地震や火山活動と関連付けて扱うこと。「自然災害」については,防災にも触れること。
第8 地学基礎
2 内容
(2) 変動する地球
エ 地球の環境
(イ)日本の自然環境
日本の自然環境を理解し,その恩恵や災害など自然環境と人間生活とのかかわりについて考察すること。
3 内容の取扱い
(2) 内容の範囲や程度については,次の事項に配慮するものとする。
イ 内容(2)のエの(イ)の「恩恵や災害」については,日本に見られる季節の気象現象,地震や火山活動など特徴的な現象を扱うこと。また,自然災害の予測や防災にも触れること。