3−5 平成20年8月末豪雨



3−5 平成20年8月末豪雨

(1)災害の状況

8月26日に低気圧が東シナ海を東に進み九州南部に接近した。これに伴い,27日にかけて西日本の太平洋側を中心に南から暖かく湿った空気が流れ込み大雨となった。また,この低気圧が日本の南海上に進んだ8月28日から31日にかけては,本州付近に停滞した前線に向かって南から非常に湿った空気の流れ込みが強まり,大気の状態が不安定となって,東海,関東,中国および東北地方などで記録的な大雨となった。

愛知県岡崎市岡崎では29日の1時間雨量が観測史上1位を更新する146.5ミリに達するなど,1時間雨量の記録を更新した地点が全国で20箇所を超え,各地で局地的な短時間の非常に激しい雨が降った。

この大雨により,死者3名,負傷者3名,住家全壊5棟,住家半壊1棟,住家一部破損18棟,床上浸水1,678棟,床下浸水8,071棟などの被害が発生した(愛知県名古屋市の住家被害は棟数で集計されていないため未計上)ほか,最大380,683名に避難勧告が出された。

土砂災害については,14都県の31市町村で54件発生した。

河川については,矢作川水系伊賀川等4水系4河川で計画高水位を超え,4水系5河川ではん濫危険水位(危険水位)を超えたほか,14水系18河川で避難判断水位(特別警戒水位)を超え,各地で浸水被害等が発生した。

ライフライン関係においては,東北・東京・中部・中国電力管内で延べ約88,500戸が停電となったほか,都市ガスについては愛知県等で114戸が供給停止,上水道については栃木県等で142戸が断水した。電気通信関係では,愛知県等で携帯電話基地局272局が停波した。

道路については,都県管理道路等11区間で通行規制が行われた。鉄道については,全国各路線で雨量規制等のために運休が発生した。

公共土木施設では,河川300か所,河川管理施設6か所,砂防21か所,道路140か所,下水道2施設に被害が発生した。

農林水産関係では,農地534か所,農業用施設700か所,林地荒廃72か所,治山施設5か所,林道施設276か所,養殖施設10か所に被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設12校,公立学校施設69校,私立学校施設15校,社会教育・体育,文化施設等59施設,文化財等5件,研究施設等1施設で被害が発生した。

社会福祉施設等では,193施設に被害が発生した。

(2)国等の対応状況

8月29日に林防災担当大臣(当時)を団長とする政府調査団を愛知県へ派遣した。また同日,災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況や各省庁の対応状況についての情報を共有したほか,今後の対応について,防災担当大臣の指示に基づき申し合わせを行った。

適用日を8月28日として,愛知県が名古屋市及び岡崎市に災害救助法を適用した。

また,適用日を8月28日として,愛知県が名古屋市及び岡崎市に対し,被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金支給制度を適用した。

各府省の対応は, 附属資料3 のとおり。


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内閣府政策統括官(防災担当)

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