3 平成20年に発生した主要な災害とその対策等
平成20年は,6月に平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震,7月に岩手県沿岸北部を震源とする地震が発生し,最大で震度6強若しくは震度6弱を観測した。また,台風については,発生数は22個と平年より少なく,日本に上陸した台風はなかった。台風の上陸がなかったのは,平成12年以来であり,昭和26年の台風統計開始以降4回目のことであった。林野火災による焼失面積は843haであった。平成20年に発生した災害のうち激甚災害に指定されたものは,表1−3−1のとおり。
3−1 平成20年2月の低気圧による災害
(1)災害の状況
2月23日朝,日本海にあった低気圧が発達しながら東進し,同日夜には東北北部に達した。24日は低気圧が三陸沖で更に発達して冬型の気圧配置が強まり,日本付近に強い寒気が流れ込んだ。このため,2月23日から24日にかけて,北日本から西日本にかけての日本海側と太平洋側の山沿いの広い範囲で大雪となり,特に北日本から東日本では23日から24日にかけての降雪量が50cmを超えたところがあった。また,北日本から西日本にかけて暴風や暴風雪となり,最大瞬間風速が30mを超えるところもあった。北日本から西日本にかけての周辺の海域では6mを超える大しけとなった。
この低気圧の影響により,死者4名,負傷者89名,住家全壊4棟,住家半壊6棟,住家一部破損452棟,床上浸水14棟,床下浸水124棟などの被害が発生したほか,150世帯に避難指示・勧告が出された。
ライフライン関係においては,東北・東京・中部・関西電力管内で延べ約108,000戸が停電となったほか,上水道については新潟県で3戸が断水した。電気通信関係では,栃木県等において携帯電話基地局13局が停波した。
道路については,東北自動車道,国道8号,府県管理道路等142区間で通行規制が行われた。
公共土木施設では,河川1か所,海岸67か所,道路(橋梁を含む)7か所,港湾23か所,公園1か所に被害が発生した。
農林水産関係では,農地1か所,農業用施設等5か所,治山施設3か所,漁港施設81か所に被害が発生した。
文教施設では,国立学校施設5校,公立学校施設21校,社会教育・体育,文化施設等7施設,文化財等4件で被害が発生した。
社会福祉施設等では,7施設に被害が発生した。
(2)国等の対応状況
適用日を2月24日として,富山県が入善町に対し,災害救助法を適用した。
各府省の対応は, 附属資料3 のとおり。