国土交通省においては,各地で台風,集中豪雨,地震等によりがけ崩れ災害等が多発している事態をふまえ,急傾斜地崩壊防止施設等の整備を強力に推進する。
4 急傾斜地崩壊対策事業
平成17年度予算額 平成16年度予算額 差引増△減 (百万円) 22,621 25,462 △2,841
(1)補助事業
土砂災害の犠牲者となりやすい高齢者,幼児などの災害時要援護者に関連した施設や避難地・避難路を保全対象に含む急傾斜地崩壊危険箇所や大規模地震の発生が懸念されている地域における対策を推進する。また,事業の実施にあたっては,斜面環境・景観を保全しつつ安全度を向上するため,既存植生を活用した「緑の斜面工法」による斜面整備や,がけ崩れ緩衝樹林帯の整備により配慮する。
(2)急傾斜地崩壊対策事業調査
事業の効率的な執行を図るため,急傾斜地の崩壊の発生機構及び土砂移動の解明,大規模な地震発生を考慮した危険度の把握,情報収集・伝達の迅速化等に関する技術開発・調査研究を行う。
(3)総合流域防災事業
事業規模の小さな土砂災害対策の施設整備等を推進するとともに,情報基盤緊急整備によりテレメータ雨量計などの観測機器や,これらのデータを処理する監視装置,情報の伝達等に関する機器の設置及びこれらを統合する土砂災害警戒避難システムの整備を推進する。また,平常時から災害時を通じて,住民と行政機関が土砂災害関連情報を相互通報する土砂災害情報相互通報システム整備を実施する。さらに,「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)に基づき,土砂災害警戒区域等の指定等を目的とする基礎調査を補助制度により推進し,総合的な土砂災害対策を実施する。