4 火山災害対策



4 火山災害対策

(1) 航空機等からの先端リモートセンシング技術を用いた地表面変動の把握技術の開発

  独立行政法人情報通信研究機構(旧 独立行政法人通信総合研究所)においては,航空機搭載映像レーダ技術を用いた地表面計測技術を応用し,火山災害調査のための計測技術の開発と,その基礎データ取得のための観測を実施した。

(2)火山噴火予知に関する基礎的研究

a 文部科学省においては,関係国立大学における火山噴火予知に関する基礎的研究を推進するため,観測研究体制の整備を図るとともに,火山噴火予知高度化のための基礎研究等を実施した。
(国費 281,132千円)
b 国土交通省国土地理院においては,火山噴火予知の基礎資料とするため,火山変動測量及び機動連続観測を行った。
(国費 17,215千円)
c 気象庁においては,気象研究所を中心に火山活動を客観的に評価する手法を開発する研究等を推進した。また,火山噴火予知連絡会を通じて,関係機関と緊密な連携を図り,火山噴火予知に関する研究を推進した。
(国費 50,355千円)

(3)富士火山の活動の総合的研究と情報の高度化

  科学技術・学術審議会測地学分科会の報告「当面の富士山の観測研究の強化について」(平成13年6月)を受けて,関係国立大学,国土交通省国土地理院,気象庁,独立行政法人防災科学技術研究所,独立行政法人産業技術総合研究所は,科学技術振興調整費により,低周波地震とマグマ蓄積過程の研究,噴火履歴の研究,情報の高度化の研究(平成13〜15年度)を実施した。
(国費 266,499千円)

(4)雲仙火山:科学掘削による噴火機構とマグマ活動解明のための国際共同研究

  文部科学省,独立行政法人防災科学技術研究所,独立行政法人海洋研究開発機構,独立行政法人産業技術総合研究所においては,科学技術振興調整費総合研究により,山麓での山体掘削等による火道の実体解明,火山発達史及び3次元構造モデル化等の研究を行った。
(国費 404,530千円)

(5)火山噴火の予知及び防災に関する研究

  独立行政法人防災科学技術研究所においては,火山噴火予知の研究等を推進するため,富士山の山腹に観測施設を新設するとともに,噴火が継続する三宅島ほかの火山活動に関する観測研究を行った。また,火山専用空中赤外映像装置を用いて,噴火活動中の三宅島やその他の火山の温度観測を実施するとともに,火山活動の総合評価のための研究や噴火機構に関する研究を行った。

(6)火山噴火に関する調査研究

  独立行政法人防災科学技術研究所においては,火山噴火調査研究を強化・推進するため,富士山,三宅島,伊豆大島等の火山活動に関する観測研究を行った。また,火山専用空中赤外映像装置による観測研究を行った。

(7)火山噴火予知に関する研究

 独立行政法人産業技術総合研究所においては,火山噴火予知研究の推進のため,活動的火山の地質学的調査及び観測研究を行った。岩手山,富士山,三宅島,口永良部島において地質図の作成のための調査研究を実施した。

(8)大都市における火山灰災害の影響予測評価に関する研究

  独立行政法人産業技術総合研究所及び筑波大学においては,わが国の火山のデータの整理・解析・データベースの作成,降灰予測図の試作,及びモデル火山として選定した富士山の噴火予知のための山体変動観測等を行った。

(9)火山地域における地殻変動の連続監視

  国土交通省国土地理院においては,三宅島,有珠山をはじめとする火山地域において,火山活動に伴う地殻変動の動向を的確に把握するため, 電子基準点(GPS連続観測施設),GPS火山変動リモート観測装置(REGMOS), 及びAPS(光波測距連続観測装置)等による地殻の三次元的な連続監視を行った。

(10)火山モニタリング手法の高度化に関する研究

  国土交通省国土地理院においては,火山地域におけるGPS連続観測等の地殻変動データから,火山活動の推移をモニタリングする火山活動監視システムの開発に関する研究を行った。
(国費 12,962千円)

(11)火山斜面地の地形変化に関する研究

  国土交通省国土地理院においては,多時期の空中写真から作成した火山斜面地の地形データをGIS上で比較することにより,火山斜面地の解析過程を把握し,火山防災に利用していくための研究を行った。
(国費 5,447千円)

(12)のり面・斜面の崩壊・流動災害軽減技術に関する研究

 独立行政法人土木研究所においては,火山噴火に伴う降灰の影響による降雨流出,土砂流出特性の変化を評価し,泥流 発生場の経時変化を考慮した泥流発生危険度および規模の予測手法について検討を行った。また構造物の存在等,複雑な形状の氾濫域における火山泥流の氾濫・堆積特性を解明し,氾濫シミュレーション手法の改良を図るために,水理模型実験を行った。

(13)海底火山噴火予知の推進

  海上保安庁においては,航空機による南方諸島及び南西諸島方面の海底火山活動海域の温度分布,火山性変色水の分布等の調査及び磁気測量を行った。また,三宅島西方の海底地殻変動観測を定期的に行った。さらに,海域における火山噴火の予知に関する的確な情報収集と提供を図るため,海域火山基礎情報図の整備を行った。
(国費 13,277千円)

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