4−2 阪神・淡路大震災に関する復興対策



4−2 阪神・淡路大震災に関する復興対策

(1)震災復興事業に係る特別の地方財政措置
 総務省においては,被災市街地復興特別措置法に基づく「被災市街地復興推進地域」において被災地方公共団体が実施する土地区画整理事業及び市街地再開発事業について,引き続き,国庫補助事業に係る地方負担額に充当される地方債の充当率を90%に引き上げる(従来30%)とともに,その元利償還金について普通交付税措置を講ずる。
(2)要保護及び準要保護児童・生徒に対する補助
 文部科学省においては,災害のため経済的な理由で就学困難となった小・中学校の要保護及び準要保護児童・生徒に援助を行った市町村等に対し補助を行う。
 平成16年度予算額  平成15年度予算額  差引増△減  (百万円)        56         59     △3 
(3)地震防災フロンティア研究の推進
 独立行政法人防災科学技術研究所においては,兵庫県の協力のもと,兵庫県神戸市の地震防災フロンティア研究センターにおいて,多分野の研究者等の連携により,都市部を中心とする地震災害の軽減に関するソフト面に重点を置いた研究を推進する。
(4)実大三次元震動破壊実験施設の整備
 構造物や,地盤等の震動破壊現象を解明・予測するため,実際の地震動と同様の震動により,実大構造等を破壊させて,データを得ることができる「実大三次元震動破壊実験施設」(Eディフェンス)の整備を推進する。
(5)中小企業対策
 中小企業庁においては,被災中小企業者への円滑な資金供給の実施,被災中小企業の再建・復興に向けた支援策を講じる。
(6)産業復興支援
 経済産業省においては,被災地域における経済復興に資する産業支援体制を整備するため,(財)阪神・淡路産業復興推進機構が行う企業誘致,地場産業支援,新事業創造等の事業に対して事業費の一部補助を行う。
 平成16年度予算額  平成15年度予算額  差引増△減  (百万円)       100         129     △29 
(7)災害公営住宅等の家賃の低減
 国土交通省においては,低所得者の被災者の居住の安定等を図るため,災害公営住宅等の家賃について,地元地方公共団体が特別に減額する場合の特別措置として,入居後10年間(激変緩和としての5年間の移行措置を含む。),その減額分の一定割合を国が補助するとともに,地方負担について,特別交付税措置を講ずる。
 平成16年度予算額  平成15年度予算額  差引増△減  (百万円)      3,243        3,948    △705 
(8)被災者向け住宅確保対策
 国土交通省においては,次の措置を講ずる。
a 低所得の被災者の居住の安定等を図るため,災害公営住宅の整備等に対し補助を行う。
b 住宅金融公庫の災害復興住宅融資等による住宅の再建について,引き続き事業を推進・支援する。
c マンションの復興の促進のため,優良建築物等整備事業等について,引き続きその推進を支援する。
(9)被災地域の再生等のための面的整備事業の推進
 国土交通省においては,被災市街地復興推進地域等の再生,被災者のための住宅供給及び新都市核の整備のため,土地区画整理事業,市街地再開発事業,住宅地区改良事業及び,平成16年度予算において,創設する住宅市街地総合整備事業等について,引き続き制度拡充等により推進・支援する。
(10)幹線道路等の整備推進
 国土交通省においては,次の措置を講ずる。
a 格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等
 阪神地域の交通の円滑化はもとより,緊急時における交通の多重化,代替性を確保するため,格子型幹線道路ネットワークを構成する高規格幹線道路等について,引き続き事業を推進・支援する。
b 格子型幹線道路ネットワークを補完する一般道路
 緊急輸送道路や広域迂回路の一部を形成する幹線道路等及び災害危険市街地における緊急活動を支援する路線等の一般道路について,引き続き事業を推進・支援する。
(11)防災性向上のための根幹的公共施設等の整備
 国土交通省においては,次の措置を講じる。
a 避難地・防災活動拠点となる都市公園等の整備
 広域防災拠点,広域避難地及び一次避難地等となる防災公園等並びに防災公園等における災害応急対策施設の整備について,引き続き事業を推進・支援する。
b 土砂災害対策の推進
 二次災害の防止や迅速な警戒避難体制の確立等に資する土砂災害対策,六甲山麓部において安全性を高め緑豊かな都市環境と景観の保全・創出に資するグリーンベルトの整備について,引き続き推進・支援する。
c 防災性向上に資する河川の整備
 緊急時の消火用水等の取水等を行うためのアクセスが確保できる河川整備を行うとともに,防災拠点,広域防災帯として機能する河川の整備について,引き続き推進・支援する。
(12)公共施設の耐震性の向上
 国土交通省においては,震災被害を踏まえ,緊急度の高い橋梁の橋脚及び落橋防止装置等の所要の補強対策,新耐震基準に基づく下水道施設の改築・更新等及び下水道施設のネットワーク化,砂防設備の補強について,引き続き推進・支援する。
(13)災害に強いライフライン共同収容施設の整備
 国土交通省においては,一般国道2号等において,災害時におけるライフライン確保に資する共同溝・電線共同溝の整備について,引き続き推進・支援する。
(14)緊急時の消火・生活用水等の確保対策
 国土交通省においては,下水処理水の活用のための高度処理施設等の整備,生活用水の安定的供給や緊急時における消火用水等の供給が早期に可能となるダムの整備について,引き続き推進・支援する。
(15)情報通信基盤の整備
 国土交通省においては,災害時に迅速かつ的確に災害情報等を収集し,関係機関に伝達するとともに,道路・河川利用者等への情報提供に資する道路・河川情報通信基盤の整備を推進する。
(16)鉄道の整備
 国土交通省においては,鉄道駅の利便性及び安全性の向上を図るため,土地区画整理事業と一体的に行う最寄駅(阪神電気鉄道春日野道駅)の総合的な改善事業について補助を行う。


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