3−3 その他



3−3 その他

(1)総合的な土砂災害対策の推進
 内閣府においては,総合的な土砂災害対策の推進を図る。
 平成15年度予算額  平成14年度予算額  差引増△減  (百万円)       18         19    △ 1 

(2)風水害対策の推進
 消防庁においては,災害危険箇所の把握及び周知,情報の的確な把握とこれに基づく適切な避難の勧告・指示や誘導など警戒避難体制の整備,二次災害防止対策の強化,実践的な防災訓練の実施及び防災知識の普及等について,地方公共団体に対し要請・助言等を行う。また,土砂災害の発生する危険度が高い地域の属する地方公共団体に対し,総合的な土砂災害対策を講ずるよう要請・助言等を行う。

(3)災害弱者関連施設に係る防災対策の推進
 「災害弱者関連施設に係る複合的な土砂災害対策の実施について」(平成11年1月,文部省,厚生省,林野庁,建設省,消防庁 共同通達)等を受け,次の対策を図る。
a 農林水産省においては,災害弱者施設に係る農地の保全に係る地すべり危険箇所の周知等,地すべり対策事業等による防災対策を推進する。また,高齢者や障害者等の災害弱者の入居する災害弱者関連施設を保全するため,治山事業を重点的に実施する。
b 国土交通省においては,被害想定区域内にある災害弱者関連施設の管理者等に対して,市町村と協力して地域防災計画に基づき警戒避難体制の整備を行うよう指導するとともに,自力避難が困難な者が入所・入院している施設等を保全対策に含む緊急的に対応すべき箇所について警戒避難体制を確立する情報基盤の整備や砂防設備等の整備を実施する。

(4)日本郵政公社と国土交通省・林野庁との連携による土砂災害・山地災害警戒避難体制の強化
 各地の郵便局を窓口として地域住民への土砂災害・山地災害関連情報の提供を行うなどの基本協定(日本郵政公社と国土交通省・林野庁)に基づき,土砂災害・山地災害警戒避難体制の強化を行うため引き続き郵便局と砂防担当機関・治山担当機関との連携を推進する。

(5)河川情報基盤整備の推進
 国土交通省においては,河川等情報基盤緊急整備事業により,洪水,土砂災害,津波等に関する都道府県の各種観測施設の整備を推進するとともに,国が管理する防災情報とあわせて,総合的に情報を収集,処理,活用するシステムの整備を行う。

(6)河川情報の提供の推進
 国土交通省においては,災害時における迅速な危機対応が可能となるよう,インターネットや携帯電話を通じて,リアルタイムのレーダ雨量,テレメータ水位・雨量,洪水予報,水防警報などの河川情報を提供する。また,河川の状況などのライブ映像を報道機関に提供し,災害時の情報がTV報道を通じて広く提供されるよう努める。

(7)国土交通省と気象庁との河川及び気象等に関する情報のリアルタイム交換の整備
 国土交通省と気象庁においては,水防法及び気象業務法に基づき共同で実施する洪水予報業務その他の業務の高度化に資するため,それぞれの保有する河川及び気象等に関する情報のリアルタイム交換を行う。
a 交換する情報の内容
(a)国土交通省が気象庁に提供する情報
 河川水位・流量,地点雨量,レーダー雨量計,ダム,堰諸量,積雪,地震情報,洪水予報,水防体制・水防警報,ダム放流通知
(b)気象庁が国土交通省に提供する情報
 洪水予報,気象注意報・警報,台風や大雨等に関する気象情報,降水短時間予報(含む流域雨量),量的予報,アメダス,レーダーエコー,降水ナウキャスト,季節予報・天候等の状況に関する気象情報,地震・津波
b 技術交流の促進
 情報の効果的な使用を促進するため,国土交通省と気象庁は,観測の方法,データの精度等,情報の内容や質に関する基礎資料を相互に交換するとともに,交換情報の利用について技術的な助言を相互に行い,技術交流を促進する。

(8)総合治水対策の実施
 国土交通省においては,浸水被害の著しい既成市街地が大部分を占める河川流域等について,治水施設の整備,流域の保水・遊水機能の確保等を行う総合治水対策を推進する。特に,鶴見川等全国17の総合治水対策特定河川について,総合治水対策特定河川事業による河川改修の重点的実施,流域の保水・遊水機能の確保等,流域整備計画に基づく諸施策を実施する。また,上記17河川以外の河川においても,浸水予想区域及び浸水実績の公表を推進する。さらに,流域の保水・遊水機能の恒久的な維持・増進を図るため,個人の住宅の敷地等への貯留浸透施設(浸透ます等)の整備及び公共公益施設への貯留浸透施設の設置等の総合的な雨水流出抑制対策を推進する。

(9)総合的な都市型水害対策の推進
 国土交通省においては,浸水被害等の著しい都市部の河川の流域において,河川管理者,下水道管理者及び地方公共団体が共同で流域水害対策計画を作成し,本計画に基づき,河道から離れた雨水貯留浸透施設の河川管理者による整備などの総合的な都市水害対策を推進する新たな法制度の整備を図る。

(10)災害危険区域図等の作成,公表
 国土交通省においては,浸水実績図,土砂災害危険区域図の作成及び災害が発生した場合の状況を想定して,避難地,避難路の位置,災害時の心得等を具体的に示したハザードマップの作成を支援し,住民の防災意識の効用と災害への備えの充実,地域防災計画への反映を図る。また平成13年7月に施行された改正水防法に基づく浸水想定区域図を活用した,洪水ハザードマップの作成・普及の促進を図る。

(11)氾濫域対策の推進
 国土交通省においては,住宅地の嵩上げや輪中堤等の築堤事業を行うとともに道路などを利用して浸水被害の防御・軽減を図る氾濫流制御施設の整備を実施する。

(12)総合的な土砂災害対策の推進
 国土交通省は,「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(土砂災害防止法)に基づき,砂防関係基礎調査費補助制度により,土砂災害の恐れのある区域の指定を促進し,既存の諸制度と相まって総合的な土砂災害対策を実施する。このほか,土砂災害予警報システム等の整備,土砂災害危険区域図の作成・公表,表示板設置・ダイレクトメールによる危険箇所の周知,土砂災害110番の設置,砂防ボランティアと連携した斜面カルテの作成など適切な警戒避難体制の確立に向けた各種施策を推進する。また,土砂災害による被害の軽減を図るため,地方自治体の防災活動や住民の警戒避難行動等を支援することを目的に,気象庁と連携して,土砂災害に関する情報伝達を推進する。

(13)土砂災害防止のための啓発普及活動
 国土交通省においては,土砂災害に関する国民の理解と関心を深めるとともに,土砂災害に関する防災知識の普及,警戒避難体制整備の促進等を強力に推進し,土砂災害による人命,財産の被害の防止に資することを目的として,土砂災害防止月間及びがけ崩れ防災週間を実施する。月間中には,土砂災害防止推進の集い(全国大会)を静岡県で開催するほか,広報活動の推進,土砂災害防止功労者の表彰,土砂災害に関する絵画・ポスター・作文の募集を行うとともに,各地で講演会,見学会の開催,危険区域の周知,砂防ボランティア等と連携して実施する点検,警戒避難訓練等を実施する。

(14)水防に関する啓発普及活動
 国土交通省においては,水防の意識及び重要性について国民の理解と関心を高めるとともに,水防に対する国民の協力を求めるため,水防月間において,都道府県,水防管理団体,その他関係機関とともに各種の行事及び活動を実施する。特に,関係団体と連携して,水防団員等に対して水防技術の習得・研鑽,水防に関する基本的考え方の普及を図るため,利根川等9河川において洪水時に際しての水防工法,情報伝達,救援,救護避難訓練等の総合的な演習を実施する。また,都道府県及び市町村の職員に対し,水防に関する実務的知識を修得させるため,関係団体と連携の下に水防研修を実施するとともに,主として水防団員の水防技術の向上及び伝承を図るため,水防工法の実技演習を中心とした水防技術講習会を実施する。

(15)鉄道施設の落石事故等防止対策
 国土交通省においては,落石等による鉄道施設の災害を防止するため,危険箇所等の実態調査を行い,落石事故等防止対策について検討し,鉄道事業者に対して指導を行う。

(16)風水害基礎情報整備
 国土交通省国土地理院においては,ハザードマップ作成の基礎情報とするため,航空レーザスキャナ技術を用いて精密地形を三次元情報として取得するとともに,地形の分類,活断層,防災関係施設等の分布に関する事項を空中写真判読,現地調査等により調査し,防災数値データを整備する。併せて2万5千分の1土地条件図の作成を行う。
 平成15年度予算額  平成14年度予算額  差引増△減  (百万円)       105         41      64 

(17)予報,警報その他の情報の発表,伝達
 気象庁においては,気象,高潮,洪水に関する予報及び警報を発表するとともに,水防法等に基づき,国土交通大臣が指定する洪水予報指定河川について,国土交通省と共同で洪水予報を発表し,円滑かつ迅速な避難の確保等により災害の防止・軽減に努める。さらに,平成13年7月に施行された水防法等に基づき,都道府県と共同で都道府県が管理する河川を対象として洪水予報を行い,きめ細かい情報の提供を図る。
 また,地方自治体の防災活動や住民の警戒避難行動等を支援するため,国土交通省と連携して,土砂災害に関する情報伝達の推進に取り組む。さらに,官邸や防災関係機関の初動体制の強化を目的として,観測直後から10分間間隔で1時間先までの雨量予測など,ナウキャスト防災気象情報の即時的な提供を開始する。


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