表示段落: 第3部/第3章/7


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7 危険物災害対策

7-1 教育訓練

(1) 危険物担当者の教育訓練

 警察庁においては,消防危険物,高圧ガス,毒物・劇物,火薬類等の危険物による災害防止等保安対策推進のため,都道府県警察の危険物担当幹部に対して,関係法令,指導取締り要領等について必要な教育訓練を行う。

(2) 消防大学校における教育訓練

 消防庁消防大学校においては,国,都道府県の消防の事務に従事する職員及び市町村の消防職団員に対し,危険物災害防止対策,石油コンビナート災害防止対策等に関する高度の教育訓練を行う。

(3) 火薬類災害防止対策

 経済産業省においては,社団法人全国火薬類保安協会に事業委託し,火薬類取扱従事者保安対策講習,各種技術基準の作成,煙火等保安対策,火薬類流通保安対策,その他保安対策及び国際化に対応した火薬類保安規制の見直しのための検討を行う。

  平成13年度予算額 (36百万円)

  平成12年度予算額 (38百万円)

   差引増△減    (△2百万円)

(4) 危険物運送事業者の研修等

 国土交通省においては,危険物輸送事業者への監査の実施のほか,運行管理の徹底,関係法令の遵守等の指導,関係民間団体による自主パトロールの推進を図る等,イエローカード(緊急連絡カード)のより一層の普及を図るため研修等の機会をとおして指導を行う。また,放射性特質等の安全輸送に関する知識普及のため,運送事業者等の使用者等の関係者に対する研修を行うとともに,運搬の事故防止等を図るため,立入検査を行う。

(5) 海上防災訓練等

 海上保安庁においては,石油コンビナート等の周辺海域を中心に,油等排出事故対策訓練及び消防訓練を実施する。また,海上災害防止センターの行う海上防災訓練に対する指導を行うとともに,タンカー等危険物積載船の乗組員,危険物管理施設の従業員を対象に,危険物排出時や海上災害発生時の通報及び応急措置の具体的な方法について,海上防災講習会等を通じて指導する。さらに,サハリン東方沖掘削基地での油の暴噴事故に備えて,ロシア連邦運輸省国家海難救助調査庁との間で油防除に関する情報交換及び合同訓練を実施する。

  平成13年度予算額 (8百万円)

  平成12年度予算額 (3百万円)

   差引増△減    (5百万円)

7-2 防災施設設備の整備

(1) 石油コンビナート災害用消防施設

 消防庁においては,石油コンビナート等特別防災区域等における危険物災害に対処するため,大型化学消防ポンプ自動車,大型高所放水車,泡原液搬送車及び化学消防ポンプ自動車の整備について,当該区域所在の市町村等に対し補助を行う。

  平成13年度予算額 (524百万円)

  平成12年度予算額 (539百万円)

   差引増△減    (△15百万円)

(2) 大規模石油災害対策

 経済産業省においては,原油流出等大規模な石油災害に対応するため,石油連盟が実施する災害対策用資機材の整備,災害対策技術等に関する調査研究及び国際会議の開催等に補助を行い,石油災害への対応体制の整備を行う。

  平成13年度予算額 (899百万円)

  平成12年度予算額 (798百万円)

   差引増△減    (101百万円)

(3) LPガス用安全器具及び高圧ガス保安設備の設置推進

 経済産業省においては,次の措置を講じる。

 LPガス集中監視システム

 LPガス集中監視システムの導入促進をするため,LPガス販売事業者に対し融資を行う。

 (平成13年度中小企業金融公庫=事業環境整備促進グループ貸付枠6,500億円の内数,国民生活金融公庫=事業環境整備促進グループ貸付枠800億円の内数)

(4) 工業地帯及び石油コンビナート地帯等と市街地との間の緩衝地帯の整備

 国土交通省においては,石油コンビナート地帯等における災害・公害の市街地への拡大を防止するため,和歌山地区共同福利施設等において,都市公園等整備事業の一環として,工業地帯等と市街地との間に緩衝緑地を整備する事業を行う。

7-3 その他

(1) 火薬類の安全管理対策

 警察庁においては,火薬類取扱事業者等による火薬類の保管管理と取扱いの適正化を図るため,火薬類取扱場所等への立入検査を徹底するよう都道府県警察を指導し,併せて火薬類の盗難防止等についての広報啓発活動を推進する。

(2) 消防危険物等の災害防止対策

 警察庁においては,都道府県警察が行う関係機関との緊密な連携による消防危険物,高圧ガス,毒物・劇物,火薬類等の運搬車両等に対する指導,取締りの強化及び安全基準の遵守についての指導を徹底する。

(3) 石油コンビナート等防災対策指導等

a 新設事業所等のレイアウト規制

 消防庁及び経済産業省においては,石果コンビナート等災害防止法に基づき,石油及び高圧ガスを併せて取り扱う事業所の新設等に際し,事業所内の施設のレイアウトについて規制を実施するとともに,必要な指導を行う。

b 石油コンビナート等防災本部等の指導

 消防庁においては,石油コンビナート等防災本部等に対し石油コンビナート等防災計画の策定及び運用等について指導を行う。

  平成13年度予算額 (10百万円)

  平成12年度予算額 (10百万円)

   差引増△減    (0百万円)

c 石油コンビナート防災アセスメント実施の推進に関する調査研究

 石油コンビナート防災対策の充実強化のため,防災アセスメントの理解の増進と実施こ推進を図ることが必要なため,防災アセスメントの結果の意味及び公表に当たっての留意すべき事項,公表のあり方等について理解の増進と実施の推進を図る。

  平成13年度予算額 (0百万円)

  平成12年度予算額 (4百万円)

   差引増△減    (△4百万円)

(4) 危険物規制についての指導

 消防庁においては,消防法に基づき,次の予防対策を推進する。

  平成13年度予算額 (129百万円)

  平成12年度予算額 (158百万円)

   差引増△減    (△29百万円)

a 危険物の規制に関する指導等

 危険物規制事務が適正に行われるよう,その運用に係る指導を行う。特に危険物の判定業務が円滑かつ適正に行われるよう指導を徹底するとともに,都道府県担当者を対象として危険物規制事務に係る研修会を開催する。

b 危険物等に係る調査の実施

 危険物施設,危険物取扱者の実態を把握するため,危険物規制事務調査等の調査を行う。また,危険物施設における事故事例の収集及び液化石油ガス,都市ガス等に係る事故状況調査を行う。

c 危険物の安全を確保するための技術基準等の整備

 危険物施設の技術基準の作成等を行う。

(a)

 危険物防災に関する基準の作成

 危険物に係る違反処理マニュアルの作成に関する調査研究を行う。

(b)

 危険物施設に係る効果的な立入検査のあり方の調査検討

 立入検査の専門家の育成方策に係る調査検討を行う。

(c)

 危険物施設の安全確保対策及び事故調査体制等のあり方に関する調査検討

 事故状況等を詳細に分析し,危険物施設における今後の安全管理のあり方や今後のより効果的な事故調査体制等のあり方について検討を行う。

(d)

 特定屋外タンク貯蔵所の開放周期の算定方法に係る性能規定化に関する研究

 タンク内部の検査・点検について,個々のタンクの状況に応じて開放周期を設定する方法を技術的な面から検討を行う。

d 危険物データベースの活用

 危険物の判定が公正かつ統一的に行われるよう危険物データベースのデータの一層の充実を図り,そのデータを消防機関に積極的に提供する。

e 危険物災害等情報支援システムの運用

 火災が発生した場合に著しく消火が困難な物質や人体に有害な物質の性状及び消防活動上必要な情報を消防機関等に提供する危険物災害情報支援システムの運用を行い,危険物災害等の安全対策の強化を図る。またシステムの内容を更に充実させるよう,化学物質の性状等の収集・整理等を行う。

f 危険物等事故情報研究・活用システムの構築

 消防庁に危険物事故情報データベースを構築し,消防機関,研究機関,事業所等とネットワーク化を図り,事故内容の研究を高度化し,その成果を活用することによって,危険物施設の保全確保を推進する。

g 危険物規制に関する技術基準の性能規定化の検討

 危険物規制に関する技術基準に関して,安全性を損なわないことを前提とし,新技術,新素材等の円滑な導入を可能とすることを目的として,性能規定化について検討を行う。

(5) 高圧ガス保安対策の強化と拡充

 経済産業省においては,次の事業を行う。

  平成13年度予算額 (25百万円)

  平成12年度予算額 (27百万円)

   差引増△減    (△2百万円)

a 高圧ガス保安技術基準作成事業

 技術進歩に即応して,計画的な保安基準の作成,整備を行う。

b 事故調査解析事業

 高圧ガスに係る事故の原因調査,分析を行う。

(6) 高圧ガス及び火薬類による災害防止の指導等

 経済産業雀においては,製造事業者等に対する立入検査及び保安教育指導,都道府県取扱担当者に対する研修,事故調査等を行う。

  平成13年度予算額 (28百万円)

  平成12年度予算額 (21百万円)

   差引増△減    (7百万円)

(7) 石油コンビナート等防災対策についての指導

a 新設事業所等のレイアウト規制

 経済産業省及び消防庁においては,石油コンビナート等災害防止法に基づき,石油及び高圧ガスを併せて取り扱う事業所の新設等に際し,事業所内の施設のレイアウトについて規制を実施するとともに,必要な指導を行う。

 〈経済産業省〉

  平成13年度予算額 (12百万円)

  平成12年度予算額 (12百万円)

   差引増△減    (0百万円)

(8) 危険物の海上輸送の安全対策の確立

 国土交通省においては,危険物の多種多様化及び海上輸送量の増加にかんがみ危険物をばら積み船等で運送するための要件を評価検討し,危険物の特性に応じた安全対策を行う。また,危険物の海上輸送における国際基準を定めている海上人命安全条約及び国際原子力機関が定める放射性物質安全輸送規則の改正に伴い,国内規則を整備する。

  平成13年度予算額 (27百万円)

  平成12年度予算額 (27百万円)

   差引増△減    (0百万円)

(9) 危険物運搬船の立入臨検等

 国土交通省においては,危険物の海上運送による事故を防止するため,危険物運搬船に対し立入臨検を行うとともに,危険物コンテナの安全基準適合性について確認を行う。

  平成13年度予算額 (4百万円)

  平成12年度予算額 (6百万円)

   差引増△減    (△2百万円)

(10) 沿岸海域環境保全情報の整備

 海上保安庁においては,油流出事故が発生した際の迅速かつ的確な油防除措置等の実施に資するため,沿岸海域の自然的・社会的情報等をデータベース化し,海図データ及び油の拡散・漂流予測結果と併せて電子画面上に表示できる沿岸海域環境保全情報の整備を引き続き行う。また,この情報の効果的な収集・整備等のため「沿岸海域環境保全情報整備推進委員会」を開催する。

  平成13年度予算額 (24百万円)

  平成12年度予算額 (24百万円)

   差引増△減    (0百万円)

(11) 危険物積載船舶及び危険物荷役に関する安全防災対策

 海上保安庁においては,海上交通安全法,港則法等の関係法令による諸規制等を行い,危険物積載船舶の航行安全を確保するとともに,荷役安全管理体制,大型タンカーバースにおける防災体制等について指導を行い,荷役時の安全防災対策の充実を図る。また,船舶所有者に対し排出油防除資機材を備えるよう指導する。

(12) 油防除対策に係る分野別専門家等の登録

 海上保安庁においては,「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」に基づき,それぞれの関係行政機関が把握している国内の各種分野の専門家等に関する情報を一元化するとともに,油汚染事件への準備及び対応に関する活動に活用しようとする関係行政機関,地方公共団体の要請に応じて提供しうる体制の確保に努める。

(13) 漂流予測体制の強化

 海上保安庁においては,現場の巡視船からリアルタイムに海象,風等のデータが収得できる「船舶観測データ集積・伝送システム」を引き続き整備するとともに,リアルタイムで運用される海流メッシュデータベースの作成等を行う。さらに,日本近海の海況把握の精度向上及び漂流予測の精度向上を図るため,データアシミレーションによる海況把握手法の研究,外洋域の潮流を考慮した漂流予測モデルの開発研究を行う。

  平成13年度予算額 (27百万円)

  平成12年度予算額 (38百万円)

   差引増△減    (△11百万円)

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