表示段落: 第2部/第3章/9/(15)


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(15) 労働災害防止に関する研究

 労働省産業安全研究所においては,次の基礎的,応用的研究を行った。

  (国費 683,923千円)

a 順応型アクチュエータによる協調制御に関する研究

 人間と協調的作業を行うロボットに,接触時に安全が保障できる人体への衝撃を軽減する装置を開発し,その特性について検討した。

b マルチサイト疲労損傷部材の寿命予測手法の開発

 繰り返し荷重を受けるボルト接合部などにおいて,ボルトの締め付け力のバラツキ,締め付け力が応力分布に及ぼす影響を求めた。

c つりチェーンの疲労破壊特性と損傷検出技術に関する研究

 つりチェーンの破損による労働災害の防止を目的として,つりチェーンの応力解析を実施し,疲労強度についての知見を得た。

d 人体と物体の識別装置の開発

 製品の搬入・搬出用の開口部において,人体が進入したときに直ちに機械を停止するためのセンサについて検討を加え,光線式安全装置を開発した。

e 建設用タワークレーンの振動性状に関する研究

 建設中の建物に結合されて使用されるタワークレーンの耐震性能に関して,建物の振動特性が及ぼす影響について検討した。

f 掘削溝に設置したエア封入袋体に関する土止め効果の遠心模型実験による検証

 掘削中の溝に対してエア封入袋体により地盤崩壊を防止する性能について土止め効果が大であることを確認した。

g すべりの時間経過パターンを考慮したすべり評価法に関する基礎的な研究

 歩行中の転倒・転落災害のもととなるすべりの発生について,すべり発生後にバランスを失って倒れる状態を再現する実験を実施した。

h ガス爆発駆動式火炎抑止装置の開発

 化学設備におけるガス爆発を抑制するため,消火剤高速噴霧式の火災抑止装置の開発を行った。

i 石松子粉じん雲中の火炎伝ぱ機構

 粉じん爆発災害の防止を目的として,可燃性粒子群中における火炎伝ぱ機構について,粒子間の火炎伝ぱのモデル化を行った。

j 結合・減結合回路の任意電気ノイズ波形印加への適用

 電磁ノイズによる電子機器の誤差動防止を目的とした研究の一環として,電磁環境に即した任意の電磁ノイズを印加可能な装置の開発を行った。

k 視覚情報を用いた作業空間内の危険領域の抽出

 人間や機械などの移動する物体が危険領域内に侵入していないか実時間で把握するための装置として,双曲面鏡とCCDカメラを用いたシステムを開発した。

l 建設作業員への質問紙調査による墜落災害の背景分析

 墜落災害防止に関連したアンケート調査により,安全帯の不使用に関しては,日常的不使用,疲れ・あせり,作業能率の主要な人的要因が抽出された。

m 掘削機との接触災害の防止対策

 掘削機と人間の接触災害の防止を目的として,後方確認を補助するためTVカメラの画像から接近する像を対象に人間を判別する方法について検討した。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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