表示段落: 第1部/第2章/4/4-7/(1)


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(1) システムの概要

 阪神・淡路大震災に際しては,発災時における応急対策活動を円滑に行うための課題として,特に被災地の状況を迅速に把握するとともに,事前対策,応急対策及び復旧・復興対策の各段階における情報を統合化し,総合的な意思決定を行うことの重要性が改めて指摘された。

 内閣府(旧国土庁)ではこうした経験にかんがみ,地形,地盤状況,人口,建築物,防災施設などの情報をコンピュータ上の数値地図と関連づけて管理する,地理情報システム(GIS)を活用した「地震防災情報システム(DIS:Disaster Information Systems)」の整備を進めている( 図2-4-12 )。

  (図2-4-12) 地震防災情報システム(DIS)の概要

 DISは,地盤・地形,道路,行政機関,防災施設などに関する情報を必要に応じあらかじめデータベースとして登録し,この防災情報データベースを基礎として,震災対策に求められる各種の分析や発災後の被害情報の管理を行うものである。DISにあらかじめ登録する防災情報の例としては,次に掲げるようなものがある。

 基本地図 1/25,000地形図,1/2,500詳細地図

 自然条件 地質,活断層

 社会条件 人口・世帯数,高層建築物,地下街

 公共土木施設 道路,鉄道・駅,港湾,空港,ヘリポート

 防災施設 行政機関,病院,避難施設,備蓄施設

 また,防災情報データベースをもとに,GISの機能を活用することにより,事前対策,応急対策,復旧・復興の各段階に応じて,[1]地震発生時の被害の想定の実施や被害想定に基づいた地震に強いまちづくり計画の作成等の支援,[2]地震発生後に送られてくる震度情報に基づく被害推計による被害規模のおおまかな把握や被災地の被害情報に基づいた緊急輸送,救助・医療,避難,ライフライン,ボランティアなどの各種応急対策計画の策定の支援,[3]公共施設や輸送機関などの復旧・復興に有用な情報の提供や復旧・復興計画の進捗状況の適切な管理等が可能となり,情報の統合的な活用による各種震災対策の充実が可能となる。

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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