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(1) 南関東地域直下の地震の切迫性
昭和63年6月,中央防災会議地震防災対策強化地域指定専門委員会で,1923年の関東大地震タイプの海溝型巨大地震が相模トラフ沿いで発生する可能性は100年か200年先とされる一方で,南関東地域直下における地震の発生についてはある程度の切迫性を有していることを報告している。さらに,平成4年8月の同専門委員会報告においては,特に重点的に地震防災対策を講じる必要のある震度6相当以上になる可能性のある地域の範囲( 図2-4-10 )は1都6県にわたることが明らかにされている。
(図2-4-10) 南関東直下の地震により著しい被害を生じるおそれのある震度VI相当以上になると推定される地域の範囲(大網の対象地域)
また,この2つの報告により,直下の地震は,現状ではその予知は非常に難しいこと,想定される震源域を一つに特定することができないことなどの特徴を有していることが明らかにされている( 表2-4-7 )。