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[2] ヒートアイランド現象の進行
大都市においては,緑地の減少による水分蒸発量の減少,建築物の高層化・高密化に伴う廃熱量の集中と増加等により,中心部の気温が周辺部より高くなる「ヒートアイランド」現象が現出している。地球の温暖化により,このような現象がさらに顕著になるものと考えられる。上述のIPCC報告書は,ヒートアイランド現象により人口1,000万人以上の巨大都市では,雷,集中豪雨,雹を伴う巨大都市特有の気象パターンが出現するとしており,現在の都市構造では十分対応できないような局地的集中豪雨の発生の可能性もある。我が国の場合,すでに東京等の大都市で時間雨量100mm前後の集中豪雨が多くなっており,今後,十分な観測・原因分析と対策の検討が必要となろう。