表示段落: 第1部/第1章/3/3-5/(1)


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(1) 災害の状況

 平成12年度の冬は,しばしば強い寒気が日本付近に流れ込み,このため,北日本の冬の気温(12〜2月)は昭和61年以来の低さとなった。

 北陸地方や東北地方などの日本海側では降雪及び積雪の量が多くなり,金沢,青森などでは,ほぼ15年ぶりの大雪となった。

 このため,屋根の雪降ろし中の転落等により死傷者が出たほか,道路の通行止めや空港の閉鎖,また,鉄道,航空機,バスなどの公共交通機関の運休等が多くみられた。このほか,農作物や森林への被害も顕著であり,一部では,電気・ガスなどにも影響を与えた。

 人的被害は,死者55名,負傷者702名,家屋被害は,住家の全壊3棟,半壊2棟,一部損壊102棟,床上浸水18棟,床下浸水84棟となった(13年2月28日現在)。

 道路では,一般国道1路線を含む県道以上の道路(冬期閉鎖区間を除く)で,雪に伴い86か所(1月29日9時現在)が通行止めとなったほか,滑走路が閉鎖となった空港は14を数えた。鉄道関係では,JR東日本やJR西日本などで,18路線が断続的に運休となった。海上交通では,降雪による視界不良のための運休や,積雪のため荷役の遅延等が発生した。バス関係では,一般路線で,全面運休が21系統,一部運休が56系統,迂回運行が22系統となるとともに,主に北陸地方を経由する高速バス路線において,全面運休が23系統,一部運休が1系統,迂回運行が9系統となった。

 農林水産業関係では,東北,関東,北陸地方を中心に,ハウス,農作物,樹体,森林等に被害が発生した。

 電力関係では,栃木県及び千葉県において,送電線系統事故及び配電線被害により,断続的に供給支障が発生し,最大供給支障戸数は,124,500戸に及んだ。また,ガス関係では,長野県において,ガス発生設備の一部凍結によりガスが発生できず174戸で供給支障となったほか,東北・北陸地方において,落雪や除雪作業による配管等の損傷,積雪により調整器等が破損し,ガスの漏えいや漏えい爆発等が発生した。電話関係では,雪の影響により携帯電話基地局等への送電断等のため,基地局が停波し,サービスエリア内での発着信ができなくなるなどの被害が発生した。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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