第1回記者発表資料


記者発表資料

中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」(第1回)
議事概要について

中央防災会議事務局(内閣府(防災担当))

1.専門調査会の概要
日 時 : 平成13年10月3日(金)13:00〜15:00
場 所 : 東海大学交友会館 「望星の間」
出席者 : 土岐座長、阿部、安藤、今村、入倉、河田、島崎、廣井、翠川、吉井の各委員、
松下防災担当副大臣、阪上政務官、髙橋内閣府政策統括官(防災担当)他

2.議事概要
 土岐座長から、座長代理に河田委員が指名された。
事務局から別添資料をもとに説明があった。

審議結果のポイント

  1. 平成10年の中央防災会議「大都市震災対策専門委員会」の南関東、近畿圏、中部圏について地震防災対策を検討すべきであるという提言を受けて、南関東地域については、「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」が策定されたが、近畿圏、中部圏ではまだ作成されていないので、近畿圏、中部圏についての地震対策の大綱を作るための検討を行うことが本調査会の重要な目的の一つである。
  2. 近畿圏、中部圏の大綱を検討するためには、東南海、南海地震だけではなく、内陸の地震の検討が重要であり、本調査会においては、両方を対象として検討する。
  3. 地震対策には、事前の予防対策と事後の応急対策があり、それぞれ対象とする地震の考え方を変え、その両方について検討する。
  4. アウトプットとしては、「近畿圏の地震防災対策に関する大綱(仮称)」、「中部圏の地震防災対策に関する大綱(仮称)」、「東海から九州の太平洋沿岸等における地震防災対策に関する大綱(仮称)」の作成の基礎とする

上記に関連して、各委員からは以下のような意見等が出された。
なお、詳細な議事録については、後日各委員の確認を経たのち、公表の予定。

  • 東南海、南海地震は、日本で発生する地震のなかでも過去の歴史が良くわかっているものである。地震予知が警報レベルに達してはいないということも確かであり、今すぐということではないが、とるべき防災対策の一部として地震予知についての取り組みということも含めるべき。
  • 東南海、南海地震による津波は、太平洋沿岸だけでなく瀬戸内海まで及んでいる事例があり、そのような地域も検討の対象とすべきである。
  • 単に東南海、南海地震だけを対象にするのではなく、内陸部の直下型地震を検討対象とすることは評価できる。
  • 内陸の地震については具体的な地震を想定するのは大変であり、どのように検討を進めていくのか十分検討が必要である。
  • 防災対策については、その時点で最良の知見が出せれば良く、活断層等の評価がすべてできている必要はないのではないか。知見が確定するのを待っているといつまでたっても防災対策ができない。
  • 東南海、南海地震により沿岸域では、津波以外に広範囲に同時多発的に地震被害が発生するため、国レベルの検討対象とすべきである。
  • 東南海、南海地震の発生の時間差を考慮した、時間軸を踏まえた防災対策の検討が必要である。
  • 内陸型の地震も海溝型の地震も予防対策は同じようなものかもしれない、応急対策はまったく異なり、特に国の役割が変わってくる。
  • 地方自治体間で防災に関する温度の差が激しい。国がリーダーシップをとり、整合性のある計画を作ることが必要。
  • 地方自治体間のギャップを埋めることが必要である。
  • 広域災害に対しては、地方自治体が計画を作るためにも、国がどういう方向で動くかを明示する必要がある。
  • 国は地方自治体にやっていることを補完する形でやるべきであり、地域でやるべきことは地域でやり、大枠でどうするのか、広域的なものをどうするのかということを国がやるべきではないか。
  • 地方自治体が何をやっているか調査して、自治体の努力の上に国がどうするかということを議論していただきたい。
  • 地方自治体のやっていることをそのまま取り入れるのではなく、評価することが重要。地方自治体でもそれを受けて見直すということが必要である。
  • 単に防災計画を作るだけでなく、それにより防災対策がそれぞれの地域や事項でどれだけ進んでいるかに関する評価も重要である。
  • 被害想定の手法を検討する際に、対策の進捗状況が後々判断できる手法を考えて欲しい。
  • 地震調査研究推進本部では、理学者が集まって、内陸の活断層も含め地震の評価を行っており、その評価結果を本専門調査会の検討に取り入れて活かすようにすべき。
  • 地震調査研究推進本部地震調査委員会は理学的研究の色彩が強すぎ、防災に活かすものを検討するには本専門調査会の方が良い。二重の検討だとは思わないが、当然、使える成果は使うというものである。
  • 地震調査研究推進本部では、近畿圏・中部圏の内陸の活断層についても評価・公表しており、その資料も使って議論していただきたい。

 
 

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