3. 津波の試算


 

3. 津波の試算

 
   
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津波の試算の結果
  津波試算の結果を、資料2の図11に示す。今回の津波試算は、沿岸での津波の高さまでとし、遡上高は計算していない。

(1)多数の小断層による場合と矩形断層による場合との津波計算の比較
 多数の小断層による津波の計算手法の妥当性を評価するため、ケース1とケース4の試算結果の比較を、資料2の図12に示す。これらは、概ね一致しており、想定震源を多数の小断層で近似して津波を計算する手法に問題点はないと考える。
(2)断層面の変位が一様な場合と一様でない場合との津波計算の比較
 ケース1〜3と、アスペリティケース1〜3の試算結果の比較を、資料2の図13に示す。駿河湾内でみると、これら両者はほぼ一致している。
(3)1854年安政東海地震の津波と試算結果との比較
 1854年安政東海地震のときの津波の高さは遡上高と考えられ、今回の試算結果との直接比較はできない。このため、ケース1〜3のそれぞれについて、相田のK(実測値と試算値の比の幾何平均)を求めて、試算値をK倍した数値(遡上高に相当)と、1854年安政東海地震の津波の高さとを比較する(資料2の図12参照)。
相田のKは次のとおり。
相田のK
ケース1
ケース2
ケース3
2.07
2.09
1.46
κ(分散)
1.40
1.39
1.46

 資料2の図11及び図13から、ケース1とケース2の津波の試算結果は、ほとんど同じで、駿河湾の津波には、東海断層系による津波は影響しないことがわかる。
 資料2の図13から、ケース1に比べ、ケース3の方が津波の試算値は大きな値を示すが、1854年安政東海地震の津波と比べると、若干、ケース1の方がより実際に近いようにも思われる。

 今回の試算では、断層設定の違いによる津波高さ分布の傾向の違いを把握でき、また、部分的に安政東海津波の傾向の再現もできた。しかし、今回の試算では遡上高の計算を行っていないことから、今後、より細かい50mメッシュでの詳細な遡上計算まで試算した後、再度、検討を行う。

 
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