Yoshioka et al.(1993)は測地測量データのインバージョン解析から、プレート境界面でのバックスリップ分布を堆定した。その結果を図2-1に松村(1996)とあわせて示す。図中矢印の長さがバックスリップの大きさを示すが、バックスリップの大きな領域は、プレート間の固着が強い領域であると考えることができる。
2-2 微小地震データによる固着域の推定
松村(1996)は、フィリピン海スラブ内微小地震の震源分布や発震機構解のパターンから、プレート間の固着域を推定した。その結果が図2-1のハッチをつけた部分である。この領域は、2-1で示したYoshioka et al.(1993)によるバックスリップ分布と調和的である。
図2-1 松村(1996)による固着域と、Yoshioka et al.(1993)によるバックスリップ分布。破線はバックスリップの大きさが3cm/yrを超える範囲。細線はIshida(1992)によるフィリピン海プレート上面の等深線。