1-1 名古屋大学地震観測網のデータによる結果


(1)-1 東海地域におけるフィリピン海プレート形状の推定
 
 「東海地震」の震源モデルの設定においては、沈み込むフィリピン海プレートの形状の把握が必要であることは言うまでも無い。東海地域においては、防災科学研究所、気象庁、大学等の高密度微小地震観測網が展開されており、これらの各機関のデータによる解析から沈み込んだプレートの形状がかなり詳細にわかってきた。ここではこれらの主なものを年代順に示す。
 
 
1-1 名古屋大学地震観測網のデータによる結果
 
 図1-1はYamazaki et al.(1989)によるスラブの等深線である。大局的には、御前崎付近を境にして、駿河湾側では西北西に次第に深くなるのに対して、伊勢湾・紀伊半島側では北から北西に最大傾斜方向が向いている。しかし、このモデルで特徴的なことは、伊勢湾付近でプレートの段差構造が描かれていることである。山岡(1996)はこの場所で東側のスラブが西側のスラブの上にのし上げられているとしている。
 
図1-1 名古屋大学で収録されている地震観測網から推定されたフィリピン海プレートの形状をあらわす等深線。[Yamazaki et al. (1989), 山岡(1996)]
 
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