4. 地震動予測


4. 地震動予測
 
(2) 地震動伝播(深部)
 
地盤構造は3次元とし、長周期成分と短周期成分を個別に計算するハイブリッド法を採用し広帯域強震動加速度波形を計算する。
 
長周期成分
 
計算方法: 3次元差分法
必要データ: 3次元広域地盤構造(速度・密度・Q値構造)
 
・震源と地盤が一意的にモデル化されれば運動方程式の解として強震動加速度波形が計算できる。
・長周期成分に対して3次元計算をするための長波長深部地盤構造はモデル化できる。
・長周期成分に対して3次元計算をするための震源の長周期成分はモデル化できる。
・3次元の地盤構造を反映した主な計算方法は以下のとおりである。
  (1)差分法
  (2)有限要素法
  (3)境界積分法(離散化波数積分法、境界要素法など)
・解の安定性、計算時間等から判断して差分法が実用的に優れている。
・地震基盤以深の速度構造及び密度構造は、トモグラフィ結果、プレート形状の研究結果を利用する。
・地震基盤から工学的基盤までの速度構造及び密度構造は、屈折法探査、重力解析結果を利用する。
・地震基盤までのQ構造については、構造境界は速度境界と一致させ、構造設定にはトモグラフィ結果を参照する。Q値は周波数に依存しないものとする。
・地震基盤から工学的基盤までのQ構造は、自然地震記録の解析結果を参照する。
・地震観測記録の得られる地点では、地震動記録を予測された波形の検証に利用する。
 
短周期成分
 
計算方法: 統計的グリーン関数法
必要データ: 3次元広域地盤構造(速度・密度・Q値構造)
 
・短周期地震動は、震源での短周期すべり変位により引き起こされ、また、地盤の短波長構造による複雑な反射や散乱の影響を受ける波動である。
・震源の短周期すべり変位は長周期成分とは異なり一意的にモデル化されない。
・地盤構造の短波長成分は求められておらず一意的にモデル化されない。
・したがって、地盤モデルに基づいて運動方程式を解く方法は適さず、経験的あるいは続計的方法がとられる。
・経験的方法(経験的グリーン関数法)には、想定断層に一様に分布した小地震に対して各地震動予測地点で観測された波形記録が必要であるが、断層の一部分で発生した地震が一部の予測点で観測されているに過ぎない。
  ・統計的方法(統計的グリーン関数法)は、小地震の観測記録の少なさを補う方法で、観測波形記録の代わりに統計的パラメタに基づいて計算する方法である。
・走時及び見かけのQ値は長周期成分予測に用いる3次元広域地盤構造を参照する。
・Q値の周波数依存性は近年の研究成異を参照して考慮する。
・地震観測記録の得られる地点においては、地震動記録を予測された波形の検証に利用する。
 
長周期成分と短周期成分の合成
 
合成方法: 時間領域でそれぞれの加速度波形を加えあわせる。
必要データ: なし
 
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