図1-1はYamazaki et al.(1989)によるスラブの等深線である。大局的には、御前崎付近を境にして、駿河湾側では西北西に次第に深くなるのに対して、伊勢湾・紀伊半島側では北から北西に最大傾斜方向が向いている。しかし、このモデルで特徴的なことは、伊勢湾付近でプレートの段差構造が描かれていることである。山岡(1996)はこの場所で東側のスラブが西側のスラブの上にのし上げちれているとしている。
図1-1 名古屋大学で収録されている地震観測網から推定されたフィリピン海プレートの形状をあらわす等深線。[Yamazaki et al. (1989), 山岡(1996)]