バークレーのプロジェクトインパクトイニシアティブの主眼点は、産業界とより強力で緊密な連携をしてリスクと安全情報を共有すること、より良い政策を立案すること、地域の建築・改善コードと基準を改良するための法律の制定であろう。イニシアティブを通じて強化されるもう一つの連携は、国内で最初の災害対応大学であるカルフォルニア大学バークレー校(UCB:University of California, Berkeley)との連携である。
カリフォルニア大学バークレー校(UCB)は、同市の近隣住民と地元の学校と共に、学生、教職員、スタッフの安全にかつてない程関心を払ってきた。同校の地震安全プログラム、施設強化・改造のための地震実行プラン(SAFER:Seismic Action plan for Facilities Enhancement and Renewal)は、建物の安全性の問題に取り組むために始められた。カリフォルニア大学バークレー校(UCB)はヘイワード断層の真上にあり、施設の総点検によって、校内スペースの27%が「弱い」か「非常に弱い」とランク付けされ、地震対策には総額で10億ドル以上必要なことが分かった。SAFERプログラムの目標である、キャンパス内の安全確保と大地震後の運営維持が大学の新たな信条となった。
地域経済における大学の役割と、国の研究環境を検討するために連邦緊急事態管理庁(FEMA)が新たに連携した先が、施設強化・改造のための地震実行プラン(SAFER)傘下の災害対策大学プロジェクトであった。研究者達は、大地震が発生すれば4億2千万ドルにのぼる連邦から同校への年間研究投資は危険にさらされ、財政上の打撃はサンフランシスコ湾岸地域周辺に長期にわたって影響を及ぼすことを知った。6月に「被害軽減・危険管理戦略プラン(Strategic Plan for Loss Reduction and Risk Management)」が発表され、継続される被害軽減と対策プロセスの次段階の要点が明かになった。