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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
サンフランシスコ湾地域における「プロジェクト・インパクト」の概要について
 

 バークレーのプロジェクトインパクトイニシアティブの主眼点は、産業界とより強力で緊密な連携をしてリスクと安全情報を共有すること、より良い政策を立案すること、地域の建築・改善コードと基準を改良するための法律の制定であろう。イニシアティブを通じて強化されるもう一つの連携は、国内で最初の災害対応大学であるカルフォルニア大学バークレー校(UCB:University of California, Berkeley)との連携である。

 カリフォルニア大学バークレー校(UCB)は、同市の近隣住民と地元の学校と共に、学生、教職員、スタッフの安全にかつてない程関心を払ってきた。同校の地震安全プログラム、施設強化・改造のための地震実行プラン(SAFER:Seismic Action plan for Facilities Enhancement and Renewal)は、建物の安全性の問題に取り組むために始められた。カリフォルニア大学バークレー校(UCB)はヘイワード断層の真上にあり、施設の総点検によって、校内スペースの27%が「弱い」か「非常に弱い」とランク付けされ、地震対策には総額で10億ドル以上必要なことが分かった。SAFERプログラムの目標である、キャンパス内の安全確保と大地震後の運営維持が大学の新たな信条となった。

 総点検とそれに伴う安全プランのお蔭で、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)の様子は既に変わり始めている。カリフォルニア州、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、並びに個人の寄付による支援を得て、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)は今年だけで進行中の建設プロジェクトに2億3千5百万ドルの資金をつぎ込んだ。同校の役員はこの地震対策を老朽化する教室、研究室、インフラを近代化するチャンスだと受けとめている。連邦緊急事態管理庁(FEMA)の資金によりカリフォルニア大学バークレー校(UCB)プロジェクトにバローズホール、ヒルデブランドホール、ラティマーホール、シルバーラボの4つの建物が付け加えられた。

 地域経済における大学の役割と、国の研究環境を検討するために連邦緊急事態管理庁(FEMA)が新たに連携した先が、施設強化・改造のための地震実行プラン(SAFER)傘下の災害対策大学プロジェクトであった。研究者達は、大地震が発生すれば4億2千万ドルにのぼる連邦から同校への年間研究投資は危険にさらされ、財政上の打撃はサンフランシスコ湾岸地域周辺に長期にわたって影響を及ぼすことを知った。6月に「被害軽減・危険管理戦略プラン(Strategic Plan for Loss Reduction and Risk Management)」が発表され、継続される被害軽減と対策プロセスの次段階の要点が明かになった。

 プロジェクトインパクトの次なる連携先は、オークランド市とバークレー市に隣接する、湾岸地域のサンレアンドロ市である。被害軽減、災害対策における国家的リーダーとして、連邦緊急事態管理庁(FEMA)はサンレアンドロ市を住宅改善に刷新的に取り組むモデル地域に選んだ。同市の住民向け住宅安全ガイドは、安全改良を望む持ち家所有者への効果的な手引きとして、連邦と州の役人によって出版された。カリフォルニアワインの産地であるナパ市と共に、サンレアンドロ市の災害対策の担い手は、地域社会と、事前の被害軽減対策を講じておけば、一旦災害が襲ったときの対応費用と復旧費用を減らせることを知っている前向きな考えの市の役人達であった。

 

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