(9)兵庫県豊岡市西花園区防災ネット
地域の特色
円山川左岸の市街地に位置し、900世帯と110事業所が地域内にある。ふだんから様々な地域の行事を実施するなど、活発な地域活動を展開している。
防災活動の状況
以前から自警団、水防団があったが、阪神・淡路大震災後の平成8年に、消防団、老人会、婦人会、子供会、民生・福祉団体と自治会の70組で西花園防災組織(防災ネット)を結成した(195人)。3拠点に防災資機材を設置し、防災訓練・消火訓練、緊急連絡網を使った訓練を実施している。平成15年8月に、詳しすぎるかと思われる防災マニュアル(風水害、地震想定)を作成していたことが、台風第23号時に役立った。 また、台風第23号後に、道路冠水状態マップを作成し、全戸に配布した。消火器・消火栓の場所、避難場所名、高齢者一覧も作成している。
災害時の対応
台風第23号が接近して風雨が強まるなか、防災マニュアル(風水害)に基づき、防災会長が自警団、水防団を緊急連絡網で体育館に招集した。集まった会員を3班に分け、民生委員も入り、弱者と高齢者の安否確認を腰まで水につかりながら行った。市の避難勧告が遅く、避難先も遠いアイティ(商業施設)の1箇所しか言っていなかったが、住民を4箇所に避難させた。住民からどこに避難したら良いかという電話があり、「外に出ると危ないので2階に避難してほしい」と回答し、避難勧告・指示の意味も説明した。市街地側が破堤しなかったこともあり、けが人がなくて済んだ。また、ボランティアは後片づけに役だった。



写真提供:兵庫県豊岡市