内容3

あなたの考える 我が国の地震防災対策
内閣府 地震・火山対策担当
 
中央防災会議で検討された 今後の地震対策の基本的方向について
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「今後の地震対策の基本的方向」についての解説

 
今後の地震対策の基本的方向について
 
1.背景・目的
  •  阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、大震災以降、行政、民間の各分野において様々な対策の充実強化が図られ、相当の成果を実現。
     
  •  しかし、地震防災体制の実効性は十分確保されておらず、地震防災施設についても耐震化が進んでいないものも存在。また、災害に強い街づくりも十分進捗していない状況。
     
  •  このため、阪神・淡路大震災後の対策の総括を行い、対策の実効性を検証するとともに、そのボトルネックとなっている原因を究明、解消を図ることが課題。
     
  •  東海地震、首都直下型地震、東南海・南海地震等大地震の発生の切迫性が指摘。
     
  •  近年、経済成長の鈍化、少子高齢化の進展、生活圏の広域化、社会活動の24時間化、ITの飛躍的な進歩、従来型の地縁に基づくコミュニティーの崩壊と新たな市民連携の芽生えなど社会経済情勢が著しく変化。
     
  •  このため,限られた予算の中での効率的・効果的な地震対策の推進、ITを活用した防災情報の共有、行政による「公助」だけでなく、「共助」「自助」も含めた地震防災体制の確立等経済社会情勢の変化に対応した対策の実施が課題。
 
2.施策の方向性

 地震対策は今後も各種の対策を総合的に進める必要があるが、真に安全で安心な社会を形成していくため、特に、以下のような点について推進を図ることとする。

(1)実践的な危機管理体制の確立等

  1. 国及び地方公共団体等の役割、目標の明確化及び効果的な連携体制の構築
     
     地震災害の規模や態様、対策の内容に応じた国と地方公共団体等の役割や目標を明確にした上で、緊急時の的確な対応のための防災体制の充実・強化や効果的な連携体制を構築。
     
  2. 徹底して実践的である地震防災体制の確立
     
     防災機関における防災活動の具体的手順等を明らかにしたマニュアルの作成、実践的な防災訓練の実施や手法等の開発、防災に関する専門職員の育成や機動的な専門組織の整備及び災害時の医療活動や物資の緊急輸送等についての各機関の連携等により、災害時に徹底して具体的に動ける地震防災体制を確立。
     
  3. 広域的防災体制の確立
     
     広域防災活動に関する計画の作成、防災体制や資機材・装備・情報等の共通化・標準化及び広域的救助等の迅速・的確な実施体制の整備等により、複数都道府県にまたがる広域的な地震災害に的確に対応できる体制を確立。
     

(2)防災協働社会の実現

  1. 住民、企業、NPO等と行政の連携による地域の防災対策の推進
     
     住民、企業、NPO・NGO及び行政等の様々な主体の参加・連携 により、地域の防災計画の検討、行政計画への反映及び地域内での啓発等、自助・共助も含めた防災対策を推進。
     防災教育や人材育成を総合的に推進し、国民や地域の防災対応能力 の向上を図るとともに、学識経験者等の専門家によるサポート体制を構築。
     
  2. 企業防災の推進
     
     防災の観点からの企業評価の確立等により、従業員・顧客の安全確保、経済損失の最小化等を図るとともに、被災地への物資・サービスの提供等の多様な機能を発揮できる企業との連携の仕組みを構築。
     
  3. 平常時の社会システムの災害時における活用
     
     災害時のみ使用する機器やシステムは、効率的・効果的な機能が発揮できないおそれもあり、通信や物流・販売等の平常時の社会システムが可能な限り災害時にも活用できる体制を整備。
     
  4. 防災情報共有社会の実現
     
     防災協働社会実現の前提として、国、地方公共団体及びその他防災関係機関の間やそれらと住民等との間で防災情報を共有するシステムを構築。
     
  5. 震災に強い都市の整備
     
     密集市街地の解消や都市部におけるオープン・スペースの確保を図るため、民間事業者や土地所有者がプロジェクトのメリットを感じるような開発手法の活用など震災に強い都市基盤の整備を推進するとともに、消防防災基盤の整備を推進。
     通信、電力、ガス、水道等のライフライン機関と防災機関の連携等により、災害時においても様々な防災対策の基礎となるライフライン機能の確保を推進。
     
  6. 国際的な防災協力の推進
     
     災害大国である我が国の経験も活かし、海外の大規模災害への迅速で効果的な支援体制を平常時から整備。また、我が国の被災時における海外からの支援の円滑な受入れ体制等を構築。
     

(3)効率的・効果的な防災対策の推進

  1. 限られた予算の中でのハード・ソフト両面にわたるメリハリのある対策の推進
     
     進捗状況を把握するための指標や目標等を明らかにするとともに、限られた予算の中での効率的・効果的に事業等を展開。
     
  2. 住宅や防災上重要な公共建築物等の耐震化の推進
     
     ハザードマップの作成や多様な支援による総合的な施策を展開し、住宅の耐震診断・耐震改修等を強力に推進。
     既往の耐震化計画・施策を含む耐震化推進のプログラム等により、住宅及び庁舎、学校、病院、社会福祉施設等の公共建築物等の耐震化を強力に推進。
     
  3. 防災への市場原理の導入
     防災に着目した製品の性能標準の設定や防災配慮型製品の表示等、防災性に優れた製品等が市場において評価される仕組みを構築し、その普及を支援。また、被災時を含めたトータルの社会コストが低減される仕組みを構築。
     
  4. 被災者のニーズに合った多様な生活支援
     
     真に支援を必要とする被災者に対して、公平性・透明性等も考慮した上で、被災者の経済的能力、被害の状況等に応じた多様な生活支援策を用意。
     
  5. 地震防災のための調査研究の推進
     
      地震発生メカニズム、構造物の減災、防災システム等、効果的に被害の軽減を図るための調査研究を推進
     

(4)先端技術を活用した防災対策の推進

  1. ITを駆使した情報システムの開発
     
     迅速かつ的確な情報の収集・共有化を図るため、ITを駆使し発災直後から復旧・復興を見通した防災情報システムを開発。
     
  2. 各種バリアを解消する技術・システムの開発
     
     災害時に援護を必要とする人々について的確な情報伝達や避難誘導を可能とする技術等を開発。また、災害時に人が立ち入ることが困難な場所での作業や情報収集のためのロボット等を開発。
     
  3. 便利脆弱社会の弊害を克服する技術・システムの開発
     
     電化や情報化に頼りきった便利快適な社会状況の下で生じる災害時の停電や通信遮断等による混乱を克服できるような平常時に利用するシステムを開発。
     

 

 
 

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