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対応に従事した県職員のエピソード(鳥取県防災局)

自衛隊の活動の様子

『雪に埋もれた車の移動の様子


自衛隊に出動要請 〜雪道渋滞の車に燃料運ぶ〜

大雪警報の発令を受け、鳥取県防災局で午後5時から「雪害警戒連絡会議」を開催しました。その後、「国道9号でかなりの渋滞が発生し、ドライバーの方からの苦情が相次いでいます」という連絡を受けました。年末に雪で渋滞というのは珍しい話ではありませんが、午後2時に渋滞が発生してからもう数時間経っているということで、その数日前に福島県が雪道渋滞で自衛隊を要請した事例もあり、状況次第でそういう対応が必要となるかもという心づもりでやっていました。

8時か9時ごろ、ある箇所での渋滞が解消し、車が流れだしたというような情報が入って安心する間もなく、「他のところでも色々渋滞が発生しているようです」という連絡。「これはちょっとただ事ではないのかもしれん。自衛隊の出動要請も考えないかんな」と思い始め、関係部署にある程度準備は始めてもらっていました。

国道のような幹線道路では基本的に機械除雪になりますが、米子の駐屯地にいる自衛隊は普通科連隊(歩兵連隊)ですので、除雪機械を持っていません。で、雪道渋滞の場合、燃料切れになったら車内でも凍死しかねませんから、まず燃料を運んでもらおうということになりました。普通のポリタンクでガソリンを運ぶことはできず、専用の携行缶が必要となりますが、県には1つか2つしかない。携行缶をたくさん持っている自衛隊に頼む必然性があると判断しました。

自衛隊の出動要請は知事の権限ですので、知事と相談の上、午後11時40分ごろに事前要請というかたちで自衛隊に派遣をお願いしました。当時、自衛隊も駐屯地が停電していましたし、給油用のトラックを出すとなるとそれなりの準備が必要でしたから、実際に基地から出発できるようになったのが午前3時、その時をもって正式に出動を要請しました。

【有識者からの一言コメント】

  • 渋滞が発生してから約10時間後に自衛隊に派遣を要請し、自衛隊が実際に基地を出発したのが翌午前3時ですから、渋滞が発生してから実に13時間位が経っていました。
    悪いことは重なるもので、当時自衛隊の駐屯地には除雪機械がなかったことや駐屯地自体が停電であったことも出発の遅れの原因になっています。
    防災局の皆さんのご苦労と共に、渋滞中の車の中におられた皆さん(ご高齢の方や妊婦さんもおられたと聞いています)の不安を思うと、大変な時を過ごされた事が想像できます。
  • 今回の豪雪被害は、現場の状況把握と後続ドライバーへの情報伝達が難しく状況が悪化したことによると理解しています。
    「対応が遅い」とお叱りを受けることが多いのですが、自衛隊要請の判断は、目に見えずジワリと事態が深刻化する雪害の場合は他の災害より難しくなります。
    凍死など深刻な被害が出なかったことが何よりです。
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雪に埋もれた車は人力除雪 〜消防団と自衛隊の力を借りて〜

雪道で渋滞して車の中にいる人たちに、毛布や水や食料を配らなければならないことになり、各市町村が災害用に備蓄しているものを使わせてもらうことにしました。

夜中で市町村も対応できないだろうということで、対策本部が色々指示できる県の職員を、県の職員といっても鳥取から人を派遣したのでは間に合いませんから、最寄りの総合事務所に連絡をとり、職員を動員し、部隊を編成して、市町村に物資を取りに行ってから配ってくれるよう指示をしました。早いところで、午前3時ごろには現場に到着し、配布を開始してくれました。

それから次の日の除雪はどうしましょうかという相談をしました。雪が降り続いていましたので、一晩渋滞している間にも雪に埋もれてしまう車が出るだろうということは予想がつきました。その車の周りの除雪はきめ細かにやらないと車を傷つけてしまいますので機械除雪ではなく、人力除雪が必要です。

で、誰に人力除雪をやってもらうかということになり、県や町の職員はすでに出払っていることから消防団や災害協定を締結している建設業協会に頼むことにして、自衛隊にもできれば手伝ってもらおうということにしました。

そうこうしているうちに、いつの間にか夜が明けたという感じです。

【有識者からの一言コメント】

  • ここでは、物資は市町村のものを、人手は最寄りの総合事務所からというように、最も早く配付できるよう準備をすすめています。
    また、渋滞中に降り積もった雪の除雪については消防団や災害協定を締結している建設業協会、自衛隊などの力をかりて、車を傷つけないようにと人力で実施しています。
    災害時には限られた人手と物資をどのように効率よく活用するかが担当者の手腕にかかっています。
    阪神・淡路大震災を経験した建築家が“いざ!という時に頼りになるのは個人の創造力と想像力である” と言われたことを思い出しました。
  • 地震ならば震度5以上で無条件に役場に集まるといったルールがありますが、豪雪時のルールを定めているところはあまり無いように思います。
    豪雪の場合、被災地も地域全体と広くかつ移動も制限されますから、人手が不足します。
    豪雪の時は総力戦、と想定して防災計画を立てておく必要があるでしょう。
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雪道渋滞の道路情報入らずやきもき

うちの課(道路企画課)では12月31日に大雪警報が出ていたので、職員を2名課の方に待機させていました。渋滞については、午後2時頃、一般のドライバーの方から「渋滞しとるけども、何が原因か分かりませんか」という問い合わせが入りました。

で、道路管理者のほうに確認したところ、「明確な情報がない」ということでした。そんな状況がずっと続いて、やっと午後6時ごろに「一カ所の事故車の処理が終わり、車が流れるようになった」という情報が入りましたが、それと相前後して、「別のところも止まっています。テレビのライブ映像を見るとまだ渋滞しています。どうしてかは分かりません」という報告がありました。

しばらくは、「まだ除雪車が現場に到着していないので、詳細は分かりません」ということでこちらはずっとやきもきしていました。

第一報から5時間ほど経過した午後の7時になっても、道路管理者の方から何の連絡もありませんでしたが、細かいことは書けないけれども9号線で大渋滞が発生しているということを、緊急道路情報としてマスコミに流しました。

それが午後の8時頃、テレビでは年末の特番を放送していました。「テロップでも流せないのか」と言うと、「検討してみます」という返事でしたが、結局テロップは流れませんでした。

【有識者からの一言コメント】

  • 大災害ほど、そこで起こっている情報が入らないと認識していますが、ここでも同じ現象が起きています。
    また、情報が入っても断片的であるが故に却って混乱を招くこともあります。
    全体像をつかむには、ヘリコプターを飛ばして把握する方法もありますが、降雪のため飛ばせない場合もあります。
    これもダメあれもダメという時には人の活用しかないことに行きつきます。
    これからは防災部局と市民(情報通信専門ボランティア)との協働による情報収集と発信が期待されています。
  • 「雪で道路が渋滞中」という程度のことはメディアからは軽く見られているということなのでしょうか。
    こういうときこそ、あらゆるメディアがしっかりと情報を流してくれれば、後続車両が次々と立ち往生の列に加わり、事態を悪化させるということが軽減できたのではないかと思います。
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情報の把握に苦労 〜教訓踏まえ地域ツイッターポータルサイト立ち上げ〜

渋滞で車の中にいらっしゃる方たちに、何とか今の状況を知らせなければならない。どうやってお伝えしようかといろいろ検討しました。県のほうでは、パソコンのホームページだけではなく、モバイルサイト、つまり携帯電話から見られるホームページのサイトも作っていましたが、両方に打ち込むと手間がかかるので、パソコンで出すホームページのある一定の情報だけが携帯のサイトに自動的に載るというような仕組にしていたため、渋滞車両の方に役立つ情報提供手段にならなかったのです。

で、車の中ならばラジオだなということで、NHKと地元の放送局2社に対して被害情報や対応状況等を流してもらうよう協力のお願いをしました。

当時、言葉の使い方の問題もありました。「復旧の見通しが立っていません」と、きちんと言っていれば伝わったんでしょうけど、「復旧の見込みは分かりません」というと、分からないのは情報を持っていないからなのか、見込みが立ってないからなのかが分からなかったという声も聞かれました。

とにかく、災害時にあっては状況の把握が一番ですからね。今回の経験を踏まえて、携帯のホームページを改良しましたし、toritter(とりったー)という鳥取県とTwitterを掛け合わせた地域ツイッターポータルサイト (http://twitter.pref.tottori.lg.jp/(外部サイトへ移動します) )を立ち上げました。有効な情報交換の場に育てばいいなと思っています。

【有識者からの一言コメント】

  • 渋滞中の車のラジオに着目し、NHKと地元放送局2社に被害情報を流してもらうよう働きかけたことは良い気づきだったと思います。
    文言について反省しておられるように、「分かりません」と言われると聞く側は不安になるものです。
    「ただ今、情報が途絶えていますので、復旧にはかなりの時間がかかる見込みです」とありのままの状況を言ってくれた方が、聞く側は長期戦になるのだと覚悟ができて落ち着くものです。
    かつて、電車に閉じ込められた時も車内放送は「ただ今 原因を確認中のため、しばらくお待ち下さい」と繰り返すばかりでした。
    それを聞いた乗客は「しばらく」というのは5〜6分?それとも10〜20分?と自分の都合のいいように解釈するものです。
    結果的に、停電のため手動でポイントを切り替えていたため、相当な時間(約2時間)がかかった訳ですが、そのため 飛行機や列車に乗り遅れた人、約束の時間に間に合わなかった人、このトラブルを処理しなければならなかった人など多くの人が迷惑を被りました。
  • Twitterが今回の豪雪災害で情報共有の有効なツールになったというのは、全国メディアでも大きく取り上げられていました。
    信頼性の高い公的情報だけでなく、多少信頼性が低くても即時性があり流通しやすい民間情報をうまく活用することは現代的で有効なアプローチであることは間違いありません。
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