第1分科会「機能別にみたボランティアの人材育成について」 第4回「防災ボランティア活動検討会」 日時 平成17年10月30日(日) 10:30〜16:00 場所 長岡商工会議所 第1分科会 機能別にみたボランティアの人材育成について (以下敬称略) 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  はい。では、一応パワーランチの間は自己紹介と、それから、簡単な質疑と書いてあるけれども、それもやめて自己紹介をがんがんやりましょうか。じっくりちょっと時間をかけて。今回のボランティアの人材育成について、それぞれのかたが今課題に思っていらっしゃることとか、実際に今やっていらっしゃることをご紹介いただきながら、自己紹介をしていただきたいと思います。時間が50分までということですので、今から40分間ございます。一人4分ぐらい持てると、けっこう時間があると思います。  では、黒田さんから順番に自己紹介を。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  では、皆さん、こんにちは。第3回の福井のときには、私は傍聴席で皆様がたのご意見を聞かせていただきました。そして、今回は私の未熟をもっと勉強させていただきます。ご一緒させていただきましたことを感謝いたします。  先ほどもご紹介の中にございましたが、私も被災者の一人です。そして、あのときに寝ていれば今命はなかったのですが、たまたま4時に起きていたので、こうやって皆様がたの前に存在することができました。命ある限り災害語り部としてボランティアをしています。  先ほども「継続的な支援」ということが出ておりましたが、私は避難所から仮設住宅から復興住宅の一連を通して、住民のかたたちとともに歩んでまいりました。その中で見えてくるものがたくさんありました。これからの自分たちの課題です。また、人材育成の重要性を感じてここに入りました。  新潟県中越地震が10月23日にあって、3日目に入りました。約1か月半か1か月ぐらいにずっとこの1年間入ってまいりました。これからの10年は復興に携わらせていただくということを、住民のかたたちと自治会のかたたちに言っております。皆様がたのご議論の中からいろいろなご意見を聞かせていただ、言わせていただきます。今回私をお招きいただいた内閣府に感謝をいたします。どうぞよろしくお願いしたいと思います。以上です(拍手)。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  主に関東首都圏を中心として、災害ボランティアリーダーの育成の活動を、10年以上しています。 問題意識的な話をすると、災害ボランティアのリーダーや指導者は、非常に重要な仕事、役割を担っていますが、それに見合う保障と権限がありません。それから、本来的にはリーダーには、それに従う集団、ないしは従う規律があって初めて成り立ちますが、災害ボランティアリーダーの場合は、その現場、現場で指導原則も違います。顔ぶれもやり方も違います。したがってより訓練されたリーダーや集団を作っていく必要があると考えています。  ボランティア保険の話は先ほど言ったとおりです。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  すみません。茶々を入れて。若い柔軟性のある人はいいリーダーになるのですが、頭の固いお年寄りでリーダーになった人はどうなっているのですか。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  いや、地域で頑張っていただいております。そういう意味ではリーダーというのは若いうちから育てなければだめだなと思っているのです。ただ、問題意識的な話でいうと、災害ボランティアというのは後で出てくる話ですが、リーダーとか指導者というのは、ある意味で非常にかわいそうな人たちだなと私は思っているのです。どういうことかというと、非常に重要な責務、役割、激務を担わされる割には、それに見合う保障と権限がないという意味で、割に合わない仕事をさせるなというのがあります。それから、本来的にはリーダーというのはそれに従う集団、ないしは従う規律があって初めて成り立つのですが、災害ボランティア分野の場合はその現場、現場で指導原則も違いますし、顔ぶれでやり方も違ってくるから、そういう意味でより高度なリーダーといいますか、そういう集団を作っていかないといけないという点では、まだまだ発展途上かなというような認識を持っています。  あと、直接人材育成には関係ないのですが、話のテーマが復興にかなり力点があったので、そうなってくると、ここにボランティアがどこまでかかわるかというのがまた非常に難しい問題があって、我々なんかでもどこまでかかわるかというのでいつも議論するのです。そんな意味でいろいろなテーマがあったなということで、4分になったかな。  ボランティア保険の話は先ほど言ったとおりで、うちなんかの場合は、行く人間は団体で先に掛けていって、行って掛けていない人間と同じ扱いを受けて待たされるのはばかばかしいなと。もちろん紙でばっと出すやり方を知っているから先にぽんとやってしまうのですが、ETCではないですが、持っている人はすっと通していただけるような仕組みと、あと災害の規模が少なければいいけれども、大規模に大都市で災害が起きたら、今の仕組みは完全に金銭的にもあれではもたないなと思っています。そんなことを言いたかったのです。以上です(拍手)。 事務局   検討会事務局の津賀です。今回第1分科会に入らせていただきました。先ほど澤野さんが「リーダー」という言葉を使われましたが、皆さんリーダーという認識が、いろいろなかたからお話を聞いていても違います。「コーディネーター」という言葉一言をとっても、指している役割が違うときがある。  今回、第1分科会の中で議論いただきたいことは、もちろん資料の中で説明しますが、やはりセンターの中、いろいろなボランティア活動を支える側の役割というのは、いろいろな形であって、それぞれ特徴的なものもあり、あいまいになっている部分もあろうかと思います。そういう部分にもう少し踏み込んで議論できればと思います。今回提示する資料は一つの情報提供ですので、足りない部分、もしくは解釈が少しおかしい部分などをご指摘いただきながら、有意義な1時間半にできればと思います。2時半までの時間になりますが、よろしくお願いします(拍手)。 加納(YMCAよこすかコミュニティサポート(渡辺善明代理))  神奈川県立保健福祉大学の加納と申します。先ほど若い頭の柔らかいリーダーという話があったのですが、今回は、NPO法人YMCAよこすかコミュニティサポートの渡辺善明さんの代理ということで参加させていただきました。今は横須賀に住んでいるのですが、横須賀の地域で防災というものを考えてやっているのですが、そこに防災ユースフォーラムというネットワークがありまして、それもやっております。  その防災ユースフォーラムには全国の学生が集まって、全国というとちょっと大げさなのですが、西は京都のほうまで学生が集まって、年に2回フォーラムを行っています。そういった関係で、それが昨年度の9月に発足して、1年ちょっと続いています。第3回めは神奈川で行いまして、そのときに「福祉と防災」というテーマでフォーラムを行いました。そういったこともあって、この分科会の機能別というところにも少しかかわっているので、そこで参加させていただきました。  あともう一つは、僕自身が復興というところにすごく興味を持っていまして、昨日のフォーラムでも、ボランティアの役割が救援期のボランティアの役割から復興に関してのボランティアの役割も加わってきたというところで、自分自身の関心にもすごくひきつけられるところがありまして参加させていただきました。未熟ですが、本当によろしくお願いいたします(拍手)。 藤田(千葉レスキューサポートバイク)  私も今回から参加させて頂きます千葉レスキューサポートバイクの藤田です。バイク隊ということでちょっと偏っているのかなというのもありますが、何回か救援活動をさせて頂いています。  復興という話が先ほど出たのですが、今まで自分たちはどちらかというと、なるべく早めに撤収してしまいます。基本的に仕事を持っていて、自分も家族があるし、自分のところが被災したときには全力投球になるかと思いますが、そこで燃え尽きるわけにはいかないと思っています。 新潟とか、宮城とか、いろいろたくさん活動させて頂いたのですが、そういうことで、機能別ということで、今回はバイク隊の話も載っているようなので、その辺に参加できればと思って来ました。  それから、民生委員さんの話が先ほど出ていたのですが、実際に消防団に入っている人だったら多分分かるかと思うのですが、あの辺の情報というのは消防団が持っていて、公民館等に保管されていたりしますが、何回か見させて頂いた中で消防団の話が出てこないのかなということを感じています。よろしくお願いします。 弘中(NPO法人防災ネットワークうべ/宇部市職員)  NPO法人防災ネットワークうべの弘中と申します。私は本業のほうは地元市役所の防災課に勤めています。行政としての肩書きで、仕事で動く部分とボランティアとして動く部分とあって、地元に被災があると逆に私は動けないということで、後方支援に徹するという活動をこれまでやってきました。今年の9月6日・7日の台風14号、九州各地で、宮崎県をはじめ、鹿児島が大きな被害を受けましたが、山口県の東部、広島側のほうで被害がかなり出まして、美川町という小さな町のほうにボランティア支援に入っていました。そういった活動をしています。  今回、復興というテーマの中で、昨日からいろいろな話が話題として出ましたが、私どもが美川町の災害ボランティアセンターを閉じるときに、そのあとの、閉じた直後の活動が実際にはありますので、そういったものが一つあると思いました。それから、被災地域に新しい被災者を支援する、継続して活動していくボランティア組織が設立されまして、そのお手伝いをさせていただきました。一つそういった新しい芽が生まれたというのが個人的には非常にうれしく思っているというところです。以上ですが、よろしくお願いいたします。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  京都の吉村と申します。阪神・淡路大震災も京都はそんなに被害は受けなかったのです。死者1名だけでした。そんなこともありまして、私も震災直後から、当時はまだ私は大学生だったのですが、東灘のほうに入っていろいろ活動させてもらいました。そのときは本当に黒田さんをよく新聞で見ました。こんなかたと席を一緒するとは思いもしませんでした。そのあとでホームページを見たら、今度はSLが出てきて、澤野さんが出て、またその澤野さんと一緒の席になるとは思いもしませんでした。  そんなことは置いておいて、すごいカオスの状態だったのですが、それから10年たって、非常にいろいろなところで災害が発生すると同時に、その経験からいろいろと学んできて、いろいろなことを積み重ねてこられたと思うのです。その結果が例えば三重の山本さんのところであったり、福井の松森さんのところであったり、新潟のいろいろなところであったりというようなことで、いろいろな知恵が出てきたのです。それを何とかうまいこと生かせないかと思って、京都でずっと活動してきました。  私は自分のスタンスは、災害ボランティアのスタンスは昔の日本の電器メーカーと同じと考えておりまして、よそのいいところを全部パクらせていただくと、これが私のいちばんずるいですが、やり方です。いいところをパクらせていただいて、京都で何らかの形で、いわゆるコラボレーションの形でやっていこうという形でやっております。ただし、これもまだ発展途上ですので、いろいろ課題があります。後ろから鉄砲で撃たれることもいっぱいありますが、いろいろと頑張っていきたいと思っています。  最後に復興という話で、全然話が違うのですが、復興という話をさせていただきますと、復興という言葉、特に災害からの復興という言葉が初めて生まれたのは大正12年の関東大震災だと記憶しております。当時の帝都復興院の総裁を務めました当時の内務大臣の後藤新平という人がいるのですが、これが帝都復旧ではなくて、帝都復興であると。災害でもうぐちゃぐちゃにやられてしまった。だから、そういう形で新しい帝都を作り直すのだというようなスタンスで物事を始められたのが、帝都復興の始まりであると私は記憶しております。  昨日、室崎先生が、私はちょっといなかったのですが、非常にいいことをおっしゃったと伺っています。これは作っていくのだと。ともすれば、防災ボランティアの活動検討会は今まで4回行われましたが、どうしてもやはりまだ皆さんいろいろと自分のところから持ってきたイズムというのを、おれのところはこんなことを頑張ったというようなことを当然自己紹介の名刺代わりにみんなで出し合う機会ばかりだったと思うのです。  そろそろ4回も続いていることですから、一つのいろいろな所で起こっているテーマを現在進行形にそれぞれ意見を闘わせて、例えば防災ボランティアのヒント集とか、そのようなものにどんどんリアルに、この検討会、もしくは分科会をツールとして生かしていけるような、もしくは例えばいろいろな現場で活動しているかたがたの学習をきっちり融合させた形で、いろいろな知恵を出していくのが大事なのではないかと思っています。以上です。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  板橋区役所で板橋福祉事務所長をしています鍵屋と申します。前は防災課長でした。それで、防災と福祉の世界に来て違ったのは、福祉というのは非常にシステム化されていて、莫大なお金を使って、成果というものに対するシビアな目が福祉の世界ではあります。それから、関係者の数も膨大です。  ところが、防災というのはそれに比べると、やればやっただけいい。やらないよりやったほうがいいのだから、やればいいではないかということで、具体的な成果目標とか、あるいはそれを達成するためのシステムといったところがやはり遅れていたと、私は防災のときに感じました。それをだいぶ修正している時代の流れといいますか、せっかく100人のボランティアさんが来てくれるのだったら、こういう活動をしてもらったほうがこの100人のパフォーマンスは最高になるのではないかということを考えるべき時期に来ているのではないかと思います。ただこれをやってください、あれをやってくださいというのではなくてですね。  では、そういう仕組みや制度をどうやって作っていけばいいだろうというときに、だれか偉い先生がどこかの教科書を引いてきて各ボランティア論をつづる、あるいは経営論を語るのではなくて、まさに現場でこういう知恵、このようにやったらうまくいったという知恵を共有化して議論し、あるいは違いを際立たせ、その中からさらに一段レベルアップするというシステムを、これから具体的にとっていく必要があるだろうと思います。  この場はとりあえず自己紹介ということですので、後で詳しく申し上げたいと思いますが、人材育成について私自身の経験でいえば、三つほどそういうことをまともに考える機会がありました。  一つは産業振興の課にいたときに中小企業の経営品質を考える板橋経営品質賞というものを創設したのです。そこでは経営とは何かということをいろいろやるのですが、最終的にはトップ、あるいは幹部職員の人材育成ということです。トップや幹部職員の人材を育成するときにポイントになる、あるいはリーダー層を育てるときにポイントとなるのは、優れた人材のオーラルヒストリーです。非常に優れた会社なり、あるいは同業者なりで、非常に優れた人が一体どういう経験を積み重ねてそういうリーダーシップを持ったかということをきちんと理解をしたうえで、そのヒストリーを理解するのです。ここでしゃべってしまうと、後でしゃべることがなくなってしまうな(笑)。まずそういうことです。  それから、次に真剣に考えたのは40歳で入学する社会人大学、大学院です。これはアカデミックな伝統的な人材育成という方法を執ります。先生のそばにぴったりくっついて、いろいろなことを先生から学ぶ。批判するのではなくて、ひたすら学ぶという形で知恵を積み重ねていく。その中から自分の独自性を作っていくというようなスタイルです。  3番めに今取り組んでいるのが地域安全学会での人材育成特別委員会という仕組みです。これは後ほど提案させていただきますが、被災したときにどういう苦しみがあったのか、どういう点がネックだったのかということをずっとオーラルヒストリーを語っていただきます。エスノグラフィーといいますが、そういったことを通じて災害時の体験を追体験するのです。追体験して、現在のマニュアルなどを見直す。一人で見直したものをみんなで議論してレベルアップをする。レベルアップしたものをさらにまた討論するということを繰り返しながら、その討論によって、議論によって、人材を育成していくというシステムは比較的こういうのが適しているかなと思います。  こういった観点から災害ボランティアのかたがたについての、形的にはこういう論点集というのがあるのですが、要はコンテンツなのです。具体的に。何を学べば育つのか。何を学ぶのかと。その何を学ぶかということについて今日はお話をしたいと思ってまいりましたので、その点についていろいろ、ちょっと時間がかかりますが、これしか人数がいないので、ラッキーなことですので。  たくさんしゃべらせてもらって、いい成果を上げたいと思っています。ここが第4の私の人材育成の取り組みの場になればと心から思っております。よろしくお願いいたします。 青木(内閣府防災担当企画官)  私は内閣府の青木と申します。8月から今のところに参りました。よろしくお願いいたします。  まず自分自身の災害とか、あるいは防災、あるいはボランティアとのかかわりというと、正直なところこれまであまりなかったのです。幸いにして、自分や自分の家族がそういう経験をしたことも個人的にはなかったのです。今回はこの2か月半、毎日いろいろ新しい勉強をさせていただいているところです。  今回の人材育成についてもそうなのですが、この「ボランティア活動検討会」につきましては、内閣府というか、役人の立場で、皆様にご議論いただいて、先ほど吉村さんが言われたように、出だしとしてはそれぞれの過去の経験などを持ち寄って、ひととおり話をした段階が過ぎて、今までだとその中で共通によかったことを、みんなの共通の財産にしていきましょうという話だったと思いますが、それをさらにもう一つよいものに高めていこうという段階になっているのだろうということは何となく感じております。  ただ、そこの方向性の出し方といたしましては、役所の立場だと、こうしたいと内心思っている部分とか、あるいはこう言ったらいいなと思う部分というのは、多分こっちはこっちで持っています。それは皆さんも同様にそれぞれのお考えがあるということで、出しゃばりすぎない、しかし、逃げないというような微妙なところを要求されているのかなと思っております。  普通のこのボランティア関係については、ほかの行政分野でもだいぶ市民や国民を含む位置関係が変わってきたと思いますが、ここはある意味で特に先進的なのではないかと感じています。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  富士常葉大学の小村でございます。自己紹介ですよね。だから、雑ぱくな話でいいのですよね。とりとめなくてもいいということですね。今どんな活動をやっているかということで、ちょっと自己紹介に代えさせていただければと思います。  大学の一応教員をやっております。といっても、いわゆる博士号を取ってという純然たるアカデミックの中で育った人間ではありません。防衛庁の研究機関で11年ほど研究公務員をやっておりました。ボランティアもどらちかというと現場経験のほうですので、本当はひょっとしたら私はここにいるよりも、反対側にいたほうが話しやすいのかもしれません。コマとしては、例えば災害と人間社会、災害対応論、災害医療システム、防災実習など、そのようなコマをちょっとやっています。社会科学系の防災論みたいな話をやっているとお考えいただければと思います。  それとは別に、幾つかのフィールドといったらいいのでしょうか。現場といったらいいのでしょうか。そのような形を持っていまして、例えば明日は、私は高松の国土交通省の四国地方整備局で、南海地震が発生したときの国の出先機関の連携の在り方というようなワークショップをやります。あさっては内閣府などでやっている広域搬送のためのトリアージタッグをどうやったら電子化できるだろうかという、患者トレーシングシステムといっているのですが、それの用途についての議論をやってきます。先週のというか、この火曜日は本当は行きたかったのですが、トヨタ自動車本社の災害対応の在り方についてのちょっとしたアドバイスみたいなことをやっています。  水害対応のDIGという簡易型の図上訓練のノウハウがあるのですが、それのブラッシュアップみたいなことを、これは総務省消防庁の消防大学校が昨年度と今年度にやっているプログラムなのですが、そういったもののブラッシュアップをやるとか、そういう形の活動をやっています。  やはりどこか自分の中で走ってしまっているのですね。まとまっていないというか、まとめられないというか。なので、逆にいうと、ここのところで自分がやれなかったことを一つやりたいなと思う、この分科会に対する思いという意味では、標準化ということを少しこだわりたいなという思いがあります。山本さんとは実はナホトカ号の重油流出災害の現場で、そんなに長くではないのですが、ニアミスみたいな形で少しお手伝いすることができました。  ボランティアの在り方について学ぶべきこと、初動ボランティアですが、学ぶべきことはあると思うのですが、多くの人にとっては、それが標準化されていない。されていないがゆえに無駄な努力があります。そこのところを何とかしたいと思っております。細かい点は後ほど(拍手)。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  自分がやっていませんでした。山本康史と申します。三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会というところの名前と、あと「ハローボランティア・ネットワークみえ」というのを第2回検討会で出席していないときにご紹介いただいたそうで、出ていないほうがいろいろ紹介していただけるというのはありがたいなとつくづく思いました。そういうところでやっています。あと、皆さんに資料として出させていただいたのは、前回と今回はボラパックの資料を出させていただきました。  現地のボランティア活動そのものというよりは、もうちょっと後方支援としてのボランティア活動というのがあって、それの一つの事例として、こんなやり方がありますよというような形のものです。マニュアルとしては、ボランティアセンターのマニュアルは非常に多いのですが、それ以外の活動事例についてのマニュアルがまだなかったものですから、これはいいやと、仲間がいろいろノウハウを持ってくれたので、それをまとめようという形で、去年の水害のときにまとめさせていただきました。  実は本業はちゃんと会社の代表取締まられ役をしておりまして(笑)、いろいろな雑務をこなしながらボランティア活動もやらせていただいているので、なるべく手をかけないでやる、なるべく手を抜いてやるというのか、効率よくやるというのか、あまり熱を入れないで成果が上がる方法を常々考えながらやっております。  あとは、ともかくどうやったら楽しめるのか。災害時のボランティア活動で楽しむというのはちょっと問題ある表現かもしれないのですが、ただ、支援に行った人がまじめな真剣な深刻な顔をしてしまうと、被災者はもっと深刻になってしまうというところもありますので、被災者の気持ちをどう前向きにしていくお手伝いができるのかというのが災害時のボランティア活動のいちばんの根本だろうと。無理に前向きにさせるのではなくて、本人が前向きになってくれるお手伝い、サポートをどうできるのかということを、災害時のボランティア活動をやる人のすべてに伝えたい思いがあります。  そういうものをいかにこういう講座など、育成を考える中で共有していければいいのかということを私自身は考えています。そのあと、ノウハウなり技能なりというのは、どんなところでも入手できるだろうというか、自分で学んでくださいと。ただ、やはりマインドはみんなで共有していきたいなという方向性を私自身は持っております。  ただ、今回こうやって司会をさせられたということは、あまりしゃべるなという意味だと私はとらえておりますので、皆さんからのご意見をどんどん引き出せるように今日は進めていきたいと思います。ご協力をよろしくお願いいたします(拍手)。 青木(内閣府防災担当企画官)  一つだけ補足をさせていただきますと、全体会の最初に申し上げたとおり、司会となったかたもご自分のご意見を言うことを制するものではありませんので(笑)。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  ちょっとご提案をさせていただきたいのですが、場づくりなのですけれども、委員はそっちに、これしかいないのだから、そういう感じにして、そこをびたっとくっついてもらって、一緒に聞いてもらって、時々意見を挟んでもらうような場を作りましょう。    ***   机の移動   *** 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  今、54分でございまして、一応タイムテーブルでは1時ちょうどから第1分科会を始めると言っていたのですが、時間を少しでも有効に使いたいということで、55分から始めたいと思っております。それで、1時だと思って後から来られるかたが見えると思います。進行の私がいちいち呼んでいるとここが止まってしまうので、だれか入ってきたなと思ったら呼んであげてください。その辺は進行のご協力をよろしくお願いいたします。いすなどが足りなくなったら、また追加をしていただくなりというのはみんなで対応したいと思います。ざっくばらんに始めていきたいと思っておりますという話をしたところで55分になりました。  改めまして、第1の分科会「機能別にみたボランティアの人材育成について」ということで、今日はお話をさせていただきたい、みんなでご議論をさせていただきたいと思っております。先ほどお昼ご飯を食べながら、メインになるかたがたについては自己紹介をしていただきました。議論を進めていく中で、そちらで聞かれているかたでも意見があるかたは、ぜひ挙手いただくなりしてご発言いただければと思っております。よろしくお願いします。  本日は2時半まで、95分間しかありませんので、一人の発言時間は最高3分を目安にご発言いただければと思います。あまりにも長くなってきたときは、私が問答無用で止めますので、その辺は最初に言っておきます。ご協力をお願いします。  それから、一応これが終わったあと、この分科会の内容の概要を全体会で報告することになっているのですが、発言しながらでも報告者になっていいというかたはいらっしゃいますか。いらっしゃいませんよね。これは私のほうでやっていいのかしら。今までどうでしょう。報告しながら、そのメインの発言をされたかたに適宜振ります。そのときにまた、「1分ぐらいで話してください」という言い方をしますので、ご協力ください。  もう一つ確認事項ですが、本検討会は報道関係のかたも含め公開で行います。それから、議事録を取らせていただいております。録音と議事録を取らせていただいておりますので、発言者の皆様の確認のうえで内閣府さんのホームページに掲載されるということはご了解ください。  それでは、本論を始めたいと思います。まず事務局のほうから、資料3に基づいて今回の議論をさせていただくのですが、この資料3についての説明をよろしくお願いいたします。 事務局  では、配付しています資料3について説明させていただきます。開いていただきまして、1に分科会での論点を示させていただいています。今回は大きく三つの項目についてご議論いただきたい。一つは災害ボランティアの役割・機能について、二つめがボランティアの機能・役割に対して求められるスキルや特技、3番めがボランティアの機能・役割を果たすための育成方法について現状と今後の課題についてディスカッションしたいと、論点として提示させていただきました。ここに示している細かい論点についてはあくまで事務局側が考える例示ですので、これにあまり束縛されないように、ほかのことについてもいろいろご発言いただければと思います。  それでは、全体の資料の説明、次に行きます。2ページめに、災害ボランティアの機能についてです。先ほど自己紹介で少し話をしましたけれども、例えばボランティアリーダー、ボランティアコーディネーターという言葉で役割を担われているかたがいらっしゃいます。もう少しそれを、全体を見たときに、ボランティア活動のボランティアさんをコーディネートする機能が一般的にどうなっているのかということを示したのが図1にあるものです。あくまでこれはいろいろな状況を見た中で、ある一般的な例として挙げさせていただいています。これはあくまで一例ですので、ほかにもこれ以外にも役割があるのではないかというものは、このあとぜひご発言いただきたいところです。  機能の例として、それぞれセンター、現地の災害ボランティアセンターの運営に関する役割としてはトップ。それから、センター運営の方針、成果を評価し、動かしていく総括。そして、ボランティアのニーズから受付やマッチング、それから、報告までの流れに対応していく実務対応。そのほか、外部から今までの災害ボランティアセンターの経験があるかた、また、被災地の経験のあるかたがアドバイスをされるアドバイザー。実際にボランティア活動に出て活動されるボランティア。ボランティアに対する被災地側のニーズを把握する、またはセンターを支援する立場で、センターとは別に被災地でかかわる支援受け入れ組織。それから、中越などもそうですが、被害が大きい場合は都道府県単位、もしくはもう少し広い単位で本部機能を果たす、複数のセンターの情報共有や情報発信を行うセンター本部。それから、先ほど全体会の資料でもありましたが、ボランティアバスやボランティアフェリーなどの形で被災地外から被災地にボランティアを送り込む、もしくは物資や資金的な支援をする後方支援という後方支援組織。その八つの役割が大きく分けられるのではないかということで提示しました。  次の3ページに、それぞれどういった役割を果たすのか、もう少しかみ砕いたものが表2に出ています。また、担い手としては、これは今までの災害ボランティアセンターに対して、昨年度立ち上げられたところにアンケートを取ったり、もしくは資料として提出していただいたもので入っていたものを、想定される担い手として挙げました。これに漏れるものもありますし、ここに出ているけれども、担われていないケースはもちろんありますので、あくまで一つの例として見ていただければと思います。ここの役割については、これは既存のマニュアルや資料をベースに、それぞれどういった役割をするかというものを抜き出しています。少しなじまない言葉、分かりにくい言葉があるかもしれませんが、そこについてはご容赦いただければと思います。  次の4ページについては、それぞれの役割を担う立場に対して求められるであろうスキル、ノウハウ。そして、ネットワーク、いろいろな人脈面での蓄積という形で書きました。これについても同じようにマニュアルなどから抜き出したものです。ただ、この言葉自体が非常になじまない、分かりにくいものかもしれませんので、それについては皆さんからの意見をお聞きしたいところです。  さらに求められるスキル、ノウハウ、蓄積を、特に求められるものとして考えるものや求められるものとして、5ページに整理し直しました。これは例ですので、これもご指摘いただきたいところです。  そして、6ページから実際に人材育成として考えられるもの、特に本当に各都道府県でされている、それも都道府県で自治体のかたがされているもの、市町村単位でされているもの、もしくはボランティアが主体的に携わっているもの、いろいろな例があります。その中でも、特に代表的なもの、地域的なものを考慮して七つの事例と、特にボランティアの養成を目的にはしていないのですが、参考になるものとして二つ挙げました。これはあくまで代表的なものですので、それぞれ今回参加されている中でご意見を頂ければと思います。  あと、「想定しているもの」というのは、頂いた資料、もしくは直接お話を聞いた中で考えられるものから、それぞれに◎と○ということで入れさせていただきました。△が入っていますが、この「△:関連があるもの」というのは取っていただければと思います。資料についてはこれ以降に、それぞれ特徴、目的、対象、期間、講師、プログラム概要、備考、企画運営のプロセス、スキルアップの効果という項目についてそれぞれ整理をしていますので、ごらんいただければと思います。  9ページに、非常に行われている講座というのが、3日間行われているもの、もしくは2日間行っているものなど長期にわたるもので、幾つかのコマによって、複数のコマによって構成されています。その一つ一つのコマがどのようになっているのかを9ページに説明しております。  二段構えで、全体が分かる整理のしかたと個々の講座はどうなっているのかを砕いて書いているものと2パターンありますので、資料を見ていただく際には注意して見ていただければと思います。特に一つ一つの資料について事例についての説明は入れません。都道府県単位でやっているもの、もしくは全国的にやっているもの、市町村単位でやっているものなど、それぞれ挙げていますので、見ていただければと思います。必要に応じて資料の補足説明をさせていただきたいと思いますので、最初の資料説明はこれで終わりにしたいと思います。 青木(内閣府防災担当企画官) すみません。1個だけ補足というわけではないのですが、6ページの表の中で「◎」と「○」がありますが、ここで社協さんの災害ボランティアコーディネーター養成研修会のところだけ、トップというところに「○」がついています。このトップというのは、3ページの表のいちばん上で担い手を見れば分かるように、一種の充て職でもあるし、顔の利くかたということなので、ここについてだけは、養成してどうするという話ではありません。この6ページの「○」がついているのは、「◎」ではなくて、要するに本来的にトップ養成という意味ではなくて、そういう形で役立つ部分があるという程度の意味に受け取ってください。以上です。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ありがとうございます。そうですね。資料についての細かい疑問点等がありましたら、今ちょっとだけ時間を取りまして、出席されている委員のかたからご意見を頂きたいと思います。何かありましたら挙手をいただいて、名前と所属を言っていただいてご発言をお願いいたします。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  これの今日の分科会での成果というのは、多分、例えばこれの◎を○にするとか、縦の項目のスキル、ノウハウを足すとかいうことではないわけですよね。その辺がちょっと、では、どこに合わせて議論していけばいいのかというところが見えないのです。この論点を出されても。これはかなり細かい話ですよね。細かいというか、整理をしましたという話ですよね。これは議論するときに整理されたものが役に立つとは思うのですが、一方で、この分科会で何を成果に上げていくか。人材育成の方法論について、このような方法を、今まであるようなこういう研修会とか、こういうことから見て、どういう形で人材育成を進めたら、多分うまくいくのではないか。そういう社会実験をやってみましょうというようなものがもし成果物になるのだとしたら非常にいいと思います。  そのための素材だと思っていて、これについてどんどん議論していけば、その一つ一つについてけっこういろいろな意見が出てくると思うのですが、これをレベルアップするというのは次の段階かと思うのです。こういうことのレベルアップはだれに任せたらいいのでしょう。どういう時間、どれぐらい時間をかけて、どんなスキームで議論をすれば、レベルアップするのでしょう。だれがやるのでしょう。初心者がやるのでしょうか、ベテランがやるのでしょうかという話は次に出てくるのだろうと思います。  そういう意味では、進め方について、最初、私自身としては、こういう進め方をすれば人材がうまく育成できるのではないかというあたりから切り口にしたいなと思っていたので、ちょっとこの論点集を見て、どうしたものかなと悩んだのです。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  よろしいですか。今のことに引き続きなのですが、私はこれに初めて出ましたので、今これを拝見いたしまして、ここにまとめられているのは、何日間をとらえてのセンター運営なのか。これを運営していくのにも、やはり初動と生活支援、それから、復旧、復興、社会再生というような段階を追っての人材育成が必要ではないかと思います。ここにまとめられている、この災害ボランティアの役割についてのセンター運営で、その担い手の一例とか、あるいは災害ボランティアに求められるスキル、ノウハウと書いてありますが、これはいつまでを指して書かれているのか。それが皆様に協議されていたらごめんなさい。私は後で入ってきましたので、そこのところを定義づけしていただきたいと思います。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  このテーマは「機能別にみたボランティア人材の育成」ということで、この資料に出ている範囲というのは、私の認識だけど、防災ボランティアの中でもある分野、つまりボランティアセンターの運営を担うコーディネーターの分野に特化されているという印象です。ここでの議論はボランティアセンターのコーディネーターをどう育成するかという分野に特化して議論するのか。そうではなくて、室崎先生が言われたような減災ボランティアも含めて、もう少しトータルでやるのかということをまずはっきりさせる必要があると思います。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  では、そのあたりを少し私のほうからご説明というか、お話をしたほうがいいかと思うのですが、基本的には澤野さんの理解でよろしいと思います。  つまり、黒田さんのおっしゃるお説はごもっともであって、黒田さんのおっしゃるとおりで何段階か当然あると思っています。また、この場で比較的ノウハウを整理しておきたいというのは、いわゆる2週間ないし1か月ぐらいの、そういう意味でのいちばん最初の初動期といったらいいのでしょうか、直後の災害対応といったらいいのでしょうか、そこのボランティアセンターの在り方というところをまず一回整理しておきたいというのが思いの中にあります。というのは、これを実際に作ってくださったのは、津賀さんとか、事務局が随分やっていらっしゃるのですが、それに対して少しアドバイザー的な立場で絡ませていただいた席には、私はそのようなお話をしておりました。  問題はその次の段階に、つまり、言ってみれば初動の段階が終わったら、今度は避難所運営の支援の話があるだろうし、今度は仮設住宅の支援の問題があるだろうし、それから、まちづくり、人づくりといった意味での支援の問題が当然あるわけであって、その段階には二段目、三段目、四段目という話があるかと思います。  ただ、そうなってしまうと、段階を追えば追うだけ、言ってみれば総合力といったらいいのでしょうか、一般性が高くなるといったらいいのでしょうか。ふだんの生活、ないし、ふだんの生活をどのようにもう少し色彩をよくしていくかという意味での、黒田さんの言葉を借りるならば「豊かな関係性」という言葉になってくると思います。そういったところはいずれ議論する機会もあるでしょうが、ここは少し技術論といったところに整理してもいいのではないかというのがこの背景にあるとお考えいただければよろしいかと思います。黒田さん、いかがでしょう。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  もう1点よろしいですか。今2週間から1か月間ということを定義づけると言われましたよね。そうしたら、避難所から仮設住宅に入るという導入期。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  多分そこよりも前だと思います。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  そこになってしまうのですよ。現実は。だから、現実を踏まえていない人と現実を踏まえている人と、そこにギャップが出るのです。現実はそうなのですよ。中越もそうだし、阪神もそうだし、2週間から1か月といってしまうと。 だから、そこのところをみんなで共有しておかないと、今おっしゃったのは初動から避難で仮設とおっしゃったのだけれども、避難といったら初動は48時間〜72時間でしょう。あるいは2週間でしょうか。中越も阪神も2週間ぐらいで避難所を出て行く人もいれば、1か月で出て行く人もいます。また、残っている人もいます。だから、これについて共有した上で議論した方がよい。それから、担い手の確保、人材育成をどのようにするかです。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  今日の議論は人材を育成するためにどう話を進めていくかのポイントとして、まずどんなことをする人たちを育てるのだろうということの資料として、これが提出されています。今のご議論は、これは災害ボランティアセンターというところの立ち上げからある程度の期間の人材として、こんな機能が必要だろう、こんな能力を持った人が必要だろうという資料が提示されているのだけれども、そこから先のことについての人材育成も、先を担う人の人材育成もこの議題に含めるべきではないかという提案がされたと私は理解しているのですが。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  ごめんなさい。確認になりますが、私が言っているのは発災直後からボランティアセンターを立ち上げてやっているというところです。つまり初動の、要するに短距離走の時期が多分2週間から1ヶ月ぐらいと言った意味であって、主に念頭に置いているのは、例えば水害時のごみ出しの問題や、あるいは地震災害時における片づけの問題とか、そのようなものを一義的に言っています。だから、その後当然中身が変わっていくことは事実なのですが、要するに、言ってみればそこから先はまだ少し余裕があると。問題は押し寄せてきてくれる、わーっと来てしまうボランティア、慣れない自治体、そういった人に対して、やはりある程度の基礎的なボランティアセンターの運営や立ち上げ、技術についてのものは整理しておきたいのです。  それは今まで、つまり過去3回の議論の中で、我々のところはこのようなことをやりましたという、まさに手土産の披露の会議から、少しそれを整理して、標準化して、体系化する段階に来ているだろうというところのいちばん最初の段階として、これを提示したわけです。当然、次の段階、次の次の段階、次の次の次の段階という、まさに復興へつながる、まちづくりへとつながる段階は当然あります。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  話を折って申し訳ありません。今ここにおられるかたは、私も含めてなのですが、今日のわずかの短い時間をどのように話して、どうつなげていくかということに関して、まだコンセンサスを得られていないと思うのです。だから、今、行商に出るのに、今日は一体魚を売るのか、きゅうりを売るのか、バナナを売るのかと言っているときに、今のところはきゅうりをどういうふうに売るのかという話が進んでいますが、どういう形で、今日は一体バナナを売るのか、きゅうりを売るのか。それとも、バナナ、きゅうり、魚を全部売るのだけれども、今日はきゅうりから売りましょうかという話を、まずその点の話をしなかったら、きゅうりばかり今先へ進んでもしかたがないではないですか。 青木(内閣府防災担当企画官)  今これは小村先生が言われた話と、私も理解して進んでおりました。  だから、多分バナナもきゅうりも魚もある中で、きゅうりから、つまり、この中でいえば、まずは「発災直後」から「立ち上げ」、そこには幅があって2週間とか、場合によっては1か月もありえますが、まずは順番としてこの「初動期」のことを先にやりましょうということで、考えておりますが。皆さんとイメージが違っていますでしょうか? 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  最初から議論を混乱させた責任があるので、どこかで引き取らなければいけないと思ったのですが、すみません。まず人材育成と考えたときに、最初のタイトルしか私どもは提示されていませんでしたので、私はそれなりに考えてきたつもりではいたのですね。  例えば学校で勉強するということをちょっと考えて、小学生や中学生が育っていく過程を考えると、よいテキストがありますよね。標準のテキストがあって、それから、先生がいますよね。その先生をバックアップする学習指導要領があったり、学年の主任会があったり、あるいは外部での研修があったりしながら、その先生自身がスキルを磨いていきますよね。そうやって子供たちに一定の技術・知識を身につけてもらうということをやっています。  それと、ある大人になったようなボランティアさん、志はあるというボランティアさんに対して、全く同じような方法論でとりあえずそれを踏むとして、そのテキストになるものは一体何なのだろう。それから、先生役をやるのは一体何なのだろう。その先生をバックアップする仕組みは一体どういう仕組みで作っていくのだろう。ということを最初に議論したほうがいいのではないかと私は思ったわけです。  私はその中のテキストになるのはきっとこれだろう。それから、よい先生役というのは、恐らくボランティアを現実にやってこられたかたがただろうと思うのです。それと研究者のグループだろうと。そこにもう少し具体的な経験みたいなものを共有した、みそというか、コンテンツというのがあるのではないかと思っていて、それがなければ、例えば理論とかそういうものがなければ、多分テキストと指導者しかないわけですから深まっていかないのです。そこに上手なみそみたいなものがあって、それらの三位が一体になって、きっとよいテキストになっていく、よい指導者になっていく、そこで学びを繰り返していくことによって、だんだんリーダーシップを身に付けていけるのではないかと考えたのです。  そういう議論ができないかと思っていたものですから。技術論のボランティアセンターをどう運営するかということに関していえば、私はほとんど経験がありませんので、口をつぐまざるをえないのですが、人材をどうやったら上手に育成できるだろうかというところを一般解としてちょっと議論しませんかというご提案だったのです。最初のところは。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  いいですか。私のほうはそれを、どちらかというと今日の議論の後半のほうにという形で考えていました。つまり、私がと言ったらいいのか、私はその理解でおりました。というのは、やはり具体論から話を進めておきたい。また、現場に役立つノウハウを少し整理しておきたいというところがあったのです。まず現場で必要とされる役割や人材はどういうものなのだろうかということを、最初の発災後から2週間とか、1か月と申し上げていますが、それぐらいのところで整理したうえで、そのような人たちがどこにいて、そういった人たちに対する指導者役はどこにいて、そのような進行プログラムは既存の研修プログラムはうまくあるのだろうか。そのようなところに話を持っていきたいなと思っていました。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  それでは、今までの議論を整理して、ここからの進め方を一つ定めたいと思います。まず、どんな人材を育てるのか。育て方というのは恐らく育てる人材像が見えないと話にもならない。それをまず共有化したい。今も議論で出てきましたけれども、もう一度それを深めまして、どんな人たちを私たちはこれから育てようとしているのか、また、自ら育とうとしているのかということを、まず第1段階で話をさせてください。そのあと、そういう人を育てる、また、自分たちが育っていくためには、どんなプログラムを用意すればいいのか。  この2段階で話を進める、そのための資料として、これはお使いくださいという形で提示をいただいたのです。そういう理解で皆さんこれから話を進めていただければと思います。ですから、この資料がいい悪いとかいうことではなくて、これをまず出だしの第一歩として見ながら、これに過不足があるのかないのかという話も、今行われたような議論もあるとは思うのですが、まずどんな人材を育成するのかということで、これから45分ぐらいまで、時間を考えて進めたいと思います。  異論はなさそうですので、それで行きます。では、早速どんな人材を、どんな能力を持った人たちを養成していく、自ら学んでいくのかというところでご発言を改めて皆さんにお願いします。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  また確認でくどいですが、とりあえずボランティアセンターに必要な人材をどうするかというところに限定しようという。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  総論から各論にやっていくうえの、今は導入の総論から入っていきましょうということでしょう。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  別の言い方をするならば、育てようとしている人物像を明確にしてから、それに対するプログラムを考えようと。  その意味で、事務局が用意した2ページのところにあるチャートというのが一つ、つまり現地のボランティアセンターというのは、この絵を個別具体的に突っ込んでいくといろいろと議論がありますので、多分そこは深入りしないほうがいいと思いますが、このような形でいろいろな局面で活躍される人たちがいるだろうと。そういった、まずここに書いてあるような、例えば3ページにあるようなセンターの運営の役割、そして、それを担っている人たち。そして、4ページにあるようなそれに必要な能力、大体こんなものでまずいいのだろうかということをあらあらおさらいして、それで、そのような人たちがうまく養成プログラムの中に、そういったことを意識したものになっているのだろうかというような話に持っていけばよろしいのではないかと思います。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  どんな人を育てたいか。また、自分がどういうふうに育ちたいかというようなことなのですが、災害になるとこの中の何人かは本業でも災害恒久対策、復旧に携わっておられますよね。隣にもいらっしゃいますし、もっと身近にもいますよね(笑)そういう人間がボランティアとしてかかわっていくときに、災害のときには現場には出られない。  そういう個人的な事情はさておきまして、そういう人間から考えると、各セクター、行政、社会福祉協議会、NPO、ボランティア、それから地元のかたがたですね。そういういろいろなかたがそれぞれ肩を寄せ合ってスクラムを組んで、例示的にやると、この現地ボランティアセンターの、例えば地元の人たちはこの分野だけをやっていればいいとか、行政はトップや総括だけやっていればいいとか、そんなわけは決してないのです。実際に今までの、私も含め、それから、ここにいらっしゃる皆さんがたも含めて、そんなことを思っている人は多分だれ一人いらっしゃらないと思うのです。  そのかたがたがいろいろジョイントした形で、今ボランティアセンターが運営され、その結果が1+1が3になるような形になっていると思いますので、どういうかたがたを育てたいかというと、あらゆる方面に育てたいと言うしか言いようがないのです。ただ、それを各セクター、いろいろなセクターで皆さんがたがそれぞれを担っていただけるような、しかし、単体で回すことではない。ジョイントして回せるような、そういう人材をそれぞれの分野で育てていきたいし、自分もかくありたいと思っています。これに尽きると私は思っています。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  自分のところで災害が起こったら、大概は自分の本職のところで忙殺されるわけです。だけど、それをうまくやるためには、よそで訓練を積むのがいちばんいいのです。中越に行ってお手伝いをしながら、自分のところで起こったら、こういう役割をおれはするなと言いながら、その人を横目で見ていたりするというような形でつながっていけばいいのだろうなと思います。  ただ、ボランティアというのは多分、地域に行けばちゃんと、地域でボランティアをやっている人もいるのですが、生業というのが多分あって、生業のほかに、災害が起こったらその地域に行く。だけど、自分のところで起きたら、もちろん自分の本職を守っていかなければいけないし、自分の地域を守っていかなければいけないですから、そういった意味では、だれでもがそういうボランティアになりうるのです。  地域で自分がやる役割、災害時に自分がやる役割を意識したうえで、災害、向こうへ行った先で活動できる人という感じなのかな。特に私は行政職員なので、福祉事務所がどういう苦労をするのかということが非常に関心があるわけですね。一方で、建築の人がどんな苦労するのかというのはそれほど関心がなかったりするわけですが。ちょっと今のに寄せて言わせていただければそんなところです。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  議論を進ませる意味で私の意見を言います。私は災害ボランティアの人材育成の経験から言いたいことは、今回の会議もそうですが、ボランティアの話になるとパワーだとか、スーパーとか、いろいろな強調的な言葉が出てきます。ボランティアは何かすごい、普通の人ができない驚くべきことができて、通常では考えられない課題にもこたえられてという、スーパーマン的なところに特化されすぎているのではないかという印象があります。ボランティアはもっと謙虚であるべきです。  実際はボランティアができることはもっとささいな、本当に小さな、わずかな仕事です。でもそうした小さな仕事が集まって大きな力を発揮していくのです。  ところが、どうしてもボランティアの人材育成というと、センターで頑張る人という話になるのですが、このセンターで頑張る人は普通の人は無理です。センター運営を担うには最低でも1週間、長引けば1か月以上張りつかなければなりません。普通の勤めを持った人にはできない仕事です。  そうなると、センターを中心的に担えるのは、仕事としてできる人です。社協職員みたいに身分や給与が保障されている人です。それ以外の人は、自分の仕事を全部なげうって被災地のために頑張る人、かかわってしまったから抜けられない人、学生は単位を落としてしまう人、そういう自己犠牲の世界です。センターの仕事は重要な仕事ですが、そのイメージで人材育成をとらえて一般の人に話したら、「私には、災害ボランティアのリーダーはできない」ということになります。  実際の災害ボランティアは、日頃は何もしていなくて災害時だけに、急に力を発揮する人かというと、そうではなくて災害時以外の平常時、日常時の活動のほうがはるかに長いし、できることはいくらでもあります。だから、その辺の平常時のイメージを含めたギャップをどう整理するかということです。  災害ボランティアをめぐる議論では、本当にささいなことしかできないボランティアに過大なものを求めるから、おかしくなるのではないかと思うのです。この講座、研修の資料を見ても、みんなボランティアコーディネーター研修で、「センターをあなたはこう担いなさい」ばかりです。私なら、この程度の研修でセンターを担えと言われたら、私には無理ですと言って逃げます。  実際に普通の人は何をやるかといったら、自分を守って、家族を守って、地域を守って、本当にささいな、自分のできる範囲で頑張ることになります。コーディネーターはコーディネーターでセンターを担う人材をしっかりと作っておく必要があることは認めますが、そうだとすると、私のイメージだと「消防大学校の3か月研修」程度のことをしないと本当に動けるコーディネーターは育成できないと考えています。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  すみません、しゃべりっぱなしで。澤野さんのおっしゃることはある意味でごもっともと思うのですが、そこまでのハードのレベルの、つまり組織を回すのに当たって、ボランティアセンターを運営するのにあたって、3ヶ月は多分要らないと思います。多分それは最長でも1週間、できれば1泊2日、ないし2泊3日で十分こなせるレベルだと思うのです。  なぜならば、そういう人たちはそれなりのセンスがあります。もちろん身分保障の話はありますけれども。逆にいえば、今までの、つまり、この資料でいうと7ページ以降にいろいろなところのコーディネーターの養成講座があります。そこがいわゆる精神論とか、言葉は悪いですが、社会学の先生が教えるようなコミュニティーづくり論のような話になってしまっていて、実は現場で必要とされるような、例えば山口組のものにバイクがぶつかってしまったのだけれども、どうしようとか、そのような一種のトラブルシューティングとか(笑)、あるいは起こりうると想定される事態、まさにそういう事態を想定してのわび方の話とか、あるいはボランティアセンターのレイアウトの実践とか、そのようなものに本当になっているかというと、私はそこのところに大いなる疑問を感じているのです。  現状で確かにやるのは難しいかもしれないけれども、1泊2日、ないし2泊3日ぐらいのセミナーで、実はかなりのことができるのです。それがうまくプログラム化できるのであれば、不必要な無駄な努力といったらいいのでしょうか、過去の10年間、ないし10年間以上の努力が無駄にならずに済むだろうなと思います。我々の場はそういう場でないかと思います。 弘中(NPO法人防災ネットワークうべ/宇部市防災職員)  防災ネットワークうべの弘中です。ちょっと観点が違うのかもしれないのですが、実際いろいろな現場でも起きていることで私がちょっと関心のあるのは、立ち上げの部分で、行政サイドが思う思いと社協サイド、あるいは地元のボランティアのサイドで思う思いがうまくいかない事例があると思います。それは多分にお互いに日ごろ業務上のつきあいはあるにしても、そういう観点でのお互いの役割なり、認識というのがうまくできていないということがあります。その辺が、今日見て、資料の6ページですかね、トップに対するものが基本的にありません。こういったものは今後考えていく中で、社協は社協さんのトップに対してきちんとやはり進めていただきたいなと思います。  また、私どもは行政の職員ですけれども、行政のトップもボランティアさんをまるで自分の部下のように考えるタイプの者もおりますので(笑)。経験されていらっしゃったところは割とよかったかもしれないのですが、まだまだ理解のないかた、ボランティアといったらテレビの世界の人のことで、実際よく分からない連中だと思っている者がたくさんいます。そういったものもやはりきちんとこれから教育というか、育成をやっていかなければいけないなと感じております。 藤田(千葉レスキューサポートバイク)  私も一応行政というか、本職は公務員です。災害が起きて、地元が被災した場合は仕事になるし、仕事が終わっても地元で消防団が待っているので、ちょっとボランティア活動というのは地元が被災したときには厳しいのかなと思っています。 公務員であるがためにというか、公務員だから行政の限界とか、できないところというのは一応分かっているつもりでいるので、その辺から逆にボランティアとしては何ができるのかと考えています。  人材育成というのがあったので、さらに細かくいうと、外に行く人間を育成するのか、中(地元)で活動する人間を育成するのかというように分けたほうがいいのではないかと思います。最近ある講座だと、逆に自分のところが被災したときに、ボランティアセンターをこう立ち上げるとか、そういうのが多いのではないかと思います。その辺はどちらの話がいいのかということです。  中でだったら、消防団とか、そういう地域の消防クラブなどが市町村別にあると思います。消防団では夜に見回りをしたりとか、年末年始になると独居老人宅を回ったりとか、あとは防災訓練とか、消火訓練とかという専門的なこともやっているし、そういう組織で動くと、上の命令で組織的に動いて、お互いを把握できるような形です。飲み会も多いですが、訓練はちゃんとやっていますので(笑)。地元でやるというとそういう話もあるし、外に行くのだったら、外に行ったときに迷惑をかけないとか、例えば向こうで宿でもどうやって寝泊まりするのか、どうやって順番に情報を流すのかというのがあるのです。ちょっとその辺も、外に行くのを目的にするのか、中での活動を目的にするのかというのも、やはり分けた方が多分やりやすいのではないかと思います。 加納(YMCAよこすかコミュニティサポート(渡辺善明代理))  加納です。僕も最初、今、中に行く、外に行くという話が出ていました。それで、「機能別にみた」というところで、そっちの外の、ボランティアに来てくれたボランティアの人たちの機能別というところだとちょっと勘違いしていたところがあって、今どうしようかなと思っていたのです。行政には行政の話、行政とボランティアセンターの話というところが出てきたので、ちょっと横須賀で今そんな話があるので、そのあたりのところと絡ませてしゃべりたいと思います。  今、横須賀で、社会福祉協議会と災害ボランティアネットワークと横須賀市の3者で協議をしているのです。どうもお互いに何をしているのか分かっていないという、行政が災害のあったときにどうするのかというところをほかの人たちが分かっていない。あと、災害ボランティアネットワークという存在がどんな存在なのか、行政が分かっていないというところがあって、まずその辺から知らなければいけないというところがあります。  それから、行政の人たちは災害ボランティアセンターを自分たちが作るのだと、それの運営を災害ボランティアネットワークの人たちに手伝ってほしいみたいな話をしているのですが、肝心の行政の人たちはどうも話を聞いていると、災害ボランティアセンターというものを知らないのです。一回もそのところに行ったことがないし、勉強もしていないという状況で、そのあたりをもう少し、先ほどのセミナーではないですが、していったほうがいいのではないかと思いました。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ありがとうございます。議論がまた散乱してしまって(笑)、どこに落としどころをつけようかなと思っているのですが、はい、どうぞ。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  先ほどのはどこを定義づけてやりますかということで、今のことに関しては一度も発言していませんので、発言させていただきます。  この2ページに書いてありますトップのところで、私もこの図はいいのではないかと思いますが、まずトップを、どういう人たちをセンター長にしたいのかといったときには、私はまず仕事のできる人、そして全体が見える人、全体が見えて、それを分析して、行動をするときの意味づけをしながら行動する。そして、いろいろな人たちが来られている人材を人財にできる人、このような人たちをここでやっていかないといけないと思います。仕事ができるというのは作業だけしてもらっては困るわけですから、その仕事といったときには、今ある問題と見付ける問題、未来にかけての問題、その問題を継続的に展開できて、そして今ここで何をという、「今ここで」をしっかりととらえられる人ということがいちばん大切です。  そのためにはどうするかというノウハウは後でまたお出しさせていただきますが、うわべだけを見ていてはいけないと思います。私は「見る力」と「聴く力」をしっかりと成熟ができた人がいいと思います。また、「人間」と「地域」と「暮らし」に視点を置いて全体が見える人がよいです。  センターを立ち上げたときに、一般の人だけがやっているのですが、そうではなくて、専門と一般とその間に生活支援ができるような人のトップリーダーを持ってきたほうがいいと思います。それと、今おっしゃっていましたように、約1か月か2週間ぐらいはそこで継続して活動できる人がトップになったほうがいいなと思います。 弘中(NPO法人防災ネットワークうべ/宇部市防災職員)  そうはいっても、だから、地元のかたでそういう適任のかたといいますか、そういうかたになっていただくのがいちばんいいと思います。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  そうなのです。そのための教育をすることです。実際にいます。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  いや、教育するよりもセンスのある人材を探してくる方が結局近道だと思いますよ。先ほど澤野さんが3か月とおっしゃって、小村さんは3か月も要らないという話だったのですが、多分澤野さんの頭の中に、その3か月というのは、本当にボランティアなんて知らないし、グループマネジメントも何のこっちゃ?経営センスも何もないそんじょそこらの人をつかまえてきてトレーニングしようと思ったら、多分それだけ必要だと思います。それを例えば100人ぐらい集めてきて3か月トレーニングすると、その中である程度マネジメントなり、リーダーシップがある人が見えてきて、そうでない人は鐘を3回たたいて宿泊所から脱走すると思うのです(笑)。多分それだったら3か月ぐらいは絶対に必要だと思いますよ。  ただ、では、例えば今この中にちょうど川瀬さんを見付けたから言うのですが、例えば新潟県の三条で水害が発生したと。そのときに現実にボランティアセンターで、センター長は三条の社協の事務局長さんだったのですが、実際にそのあとマネジメント、副センター長を担わされたのは川瀬さんともう一人だったのです。では、川瀬さんは今まで災害のことをやっていたかといったら、やっていないのですよね。工業高校の先生を務めておられて、良環ネットという環境系のNPOの代表をしていらっしゃったのです。そのかたは何かというと、おとなしくしていらっしゃいますが、マネジメント能力があったわけですし、先ほど黒田さんがおっしゃったような聞く力とか、いろいろな力があったわけです。恥ずかしがらないでくださいね(笑)。  だから、多分そういうかたがたを連れてくる能力、引っ張ってくる能力だと思うのです。そういうかただと、言ってみれば災害のマインドさえ植えつけてもらえれば、すぐに即戦力になるわけです。実際に京都で23号水害が発生したときに私が真っ先に頭に浮かんだのは、災害の「さ」の字も分かりませんが、現実に向こうで地元に顔が利いて、地元の市長にも顔が利いて、しかし、地元の青年会議所で動いていて、いわゆる地元で自分たちの仲間で「まち遊びフェスティバル」という夏祭りのイベントを毎年成功させた、そいつのことが頭に浮かんで、そいつに「おまえ、センター長、やれ」と言ったわけです。そういう人たちを連れてくる能力というか、そのような掘り出す能力が必要だと思うのですよ。そういうのは山本さんはすごく得意だと思うのです。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  吉村さんがおっしゃったような人を登録させるようにしておく。このような人をどう育成するかが大切です。あとはノウハウになってくるのですよ。どういう教育をしたらいいかということを実際いまやっています。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  だけど、それは日ごろの社会活動の中で実はかなり埋まっているわけです。例えば今言った石橋という男なのですが、彼に今まで災害のことを口すっぱく言ってきて、いろいろなことを言っても見向きもしてくれなかったのですよ。ところが、いざ、自分のところがつかると、言ってみれば元からそういうものが自分たちの今までの社会活動の中で養成されてきたわけだから、トップマネジメントのところにそこまでこだわる必要があるのかなというのが、僕が実は疑問に感じているところがあるのです。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  3ページとのところの資料にまた戻らせていただきたいのですが、センター運営のトップと書いてある社会福祉協議会の理事長とか、事務局長、JCの事務長、それから、自治体の関係者というのは仕事があるから難しいかもしれませんけれども、そういったかたがたは、今、黒田さんがおっしゃられたようなイメージを大体持っていらっしゃると思うのですよ。つまり、仕事ができるとか、全体が見えるとか、分析できる。そうでないと組織の長まで行きませんから。  いや、そうでない人もいるかもしれませんが、でも、とりあえずそのような人たちを、また、実際のスクリーニングもあるかもしれませんけれども、そういう人たちに防災のセンスを持ってもらうほうが、私はやはり早道だと思うのですよね。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  そう、だから、そういう人たちには教育する。でも、ここに社協のかたがいらしたらごめんなさい。社協の人は「4時で終わります」と言われるから、そこのところも教育の中に入れないといけないと思います。これは別問題ですけどね。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ごめんなさい。今のトップについての議論は、一つはトップに必要な能力やスキルというご意見がいろいろ挙がってきていました。その能力を持っている人を見付けだすというやり方と、それを育成する講座が必要ではないかという意見があった。そこまでで終わらせてください(笑)。それ以外の点で。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  すみません。5分時間を頂いて、ちょっと書かせて提案をさせていただきたいのです。せっかく一生懸命考えてきたので、ここに書きます。  書きながら話をします。それで、先ほど学校で僕らがどう勉強するかということと、大人がどう勉強するかということをちょっと話したのですが、人材育成の方法論が、私の経験上、ここ何年かの方向を見てもだいぶ見えてきたような気がしたので、ちょっとそれが災害ボランティアでも当てはまるのかどうかをご議論いただけると非常にうれしいのです。  まず標準テキストが必要なのですよ。これが一体あるのかというのがまず一つです。教科書ですね。まずは標準テキストが必要なのです。これは抜け漏れがないために絶対に必要なのです。それから、先生が必要です。「一人で勉強しろ」と言って勉強できる人もいますが、おおむねはやはりこういう機会でちゃんとした勉強をしたほうがいいわけですね。その場があったほうがいいのです。一人でもできなくはないです。標準テキストで。  もう一つ、これがみそなのですが、今考えていていちばんうまくいっているのは、優れた経験の記録なのです。これを今はやりの言葉でいうと暗黙知です。言葉にはできないのだけれども、その言葉を超えて、災害というのはこんな状況になってしまうのだという、あるいは本当に大混乱なのだというイメージですね。だから、ものすごく豊かなものですが、言葉にならない。一方でこちらは、言葉にしっかりできていて、論理立っているのですね。これを形式知といいます。先生はこれらをある程度材料として使いながら、生徒といったほうがいいですかね、学ぶ人ですが、とりあえず生徒にしましょうか。生徒とやり取りをするわけです。生徒はこの形式知と暗黙知から学んで能力を向上させていくわけです。  この生徒にはいろいろいます。今言った議論になったのは、まずトップもいます。トップ層です。それから、ミドルマネジメントをやる人もいます。もちろん現場で動く人もいます。いろいろなレベルがあるでしょう。だから、いろいろなレベルに応じてテキストの内容は、小学校1年生のテキストもあれば、大学生のテキストもあるわけです。それはテキストでいいと思います。  このちょっとみそがあります。生徒はそのあと、大人の生徒だから、学んでテキストのことをテストされても答えられますという点で終わるのではなくて、もっとよりよい自分なりのテキストを作るのです。これをかりにマニュアルと名前をつけましょう。自分なりのテキストを作っても、忘れてしまいますから、ときどき見返すために、プラス、チェックリストを作ります。これはテクニックの問題ですよね。時々チェックリストを見れば、自分なりのテキスト、マニュアルに戻って、もともとの暗黙知や標準をできます。  それで、この自分なりのテキストを何人かの、今度は生徒ですが、ほかの生徒も同じようなことをやるのですね。これを見比べてレベルアップすると、この人も自分なりのテキストを持っていますね。議論をして、自分なりのテキストを作るのです。いろいろな議論をするのです。そこでレベルを上げていくのです。  先生はこういう知恵を教えてくれます。生徒どうしで議論をします。自分なりのテキストとチェックリストを作ります。それをまた見比べて議論をしていきます。これを繰り返すわけです。ある程度のレベルのものができたら標準テキストに戻していくわけです。標準テキストをレベルアップしていく。そのような作業をするのがいいのではないかという人材育成のパターンです。  そこでさらにご提案ですが、標準テキストは今どういうものがあるのでしょうか。私が講習会などで使うのは地域防災計画です。地域防災計画を知ってもらわなければいけないので、地域防災計画を標準テキストにしているわけです。私はこの「経験と記録」というのを最近手に入れました。災害エスノグラフィーという阪神・淡路大震災のときに、まさに黒田さんのようなかたがどんな苦労をなさってやったのかということを私自身は分かりませんから、標準テキストをバージョンアップする材料として、そういう経験、記録を加えます。それで生徒に教えます。大概はそこで終わっていたのですね。だから、そのときはちょっと生徒は勉強するのですが、そのあとこういう作業が必要だということもよく分かりました。議論をしてレベルアップしていくという作業が必要になってきます。  では、防災ボランティアにおける標準テキストとは何なのか。先生役をやる人はどういう人が適しているのか。さらにこの経験、記録というのは、防災譚はあるのだけれども、記録集はたくさんあるのだけれども、それはある目的に沿って書かれたわけではなくて、自分の感情とか、自分がそのときにどう思ったか、どう行動したかということに沿って書かれているのです。それに比べて、やはり行政の記録というのはある程度記録ということに徹していますから、ある客観性があるのですね。行政の記録はけっこう優れたものがあるだけれども、その行政の記録に似たようなレベルで、この経験・記録集ができないだろうか。  そうすると、優れた災害ボラの知恵というものを、普通の先生でもテキストを使えば生徒に伝えられる。生徒はこの知恵がすうっと暗黙知という形で入ってきて、この形式知との間でやり取りをすることによって、自分なりにレベルアップする。このような人材育成論がいいと考えているのですね。例えばこういうものが作れないか。あるいはこの仕組みにはちょっと無理があるのか。その辺について、ぜひちょっとご議論いただければと思います。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  私たちの組織には全部あります。標準テキストも先生も記録も、リーダーを4000名以上育てていますから、経験が全部ある。ただ、災害ボランティアの場合にやはり重要なのは、この事前意見に吉村さんが書いている部分です。つまり育てた人間をどこにつなぐかです。何とか防災士だ、何とかコーディネーター、肩書だけりっぱなものを短期間で作っても、組織につながらなければ意味がありません。  今日の小村さんの議論に合わせると、もしコーディネーターを養成するとすれば、私は福井の災害ボランティアセンター連絡会のような組織がいると思います。あらかじめボランティアセンターを担わなければならない、ないしは担うべき人たちが集まって、災害が起きてから慌ててセンターを立ち上げるのではなく、センターに入ってもらえそうな団体を事前に入れて、センター連絡会を作っておくのが一番です。  災害が起きたときにはセンター長はだれにして、どの団体が、どの分野を担うという事前の話し合いをしっかりしておけばいいのです。そうした組織母体があった上で、災害時にセンターを担う団体のなかから、センター要員を育ててゆく、その人たちに対して標準的な教育プログラムを作っていくのが、受け皿がしっかりとしたやり方です。    現状のやり方ですと、コーディネーターは研修が修了した後にどうなるのかというと、災害時にボランティアになれますという話です。「ボランティアだから、よかったら来てください」にならざるをえないのです。それではいざという時にはやはり来ないし、力になりません。    センター長を担う人をあらかじめ決めておけば、例えば、福井だったら松森さんならば、その人にセンター長の特別教育をしっかりとやればいいし、その人を中心とした実際の動き方もシュミレーションすることができるのです。そのように組織的に組み立てなければ、センターの人材は育たないというのが私の考えです。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  非常にいい議論で、おっしゃるとおりだと思うのですよ。例えば行政の場合、出口をどう考えているかと言ったら、例えば防災課の職員をああやって鍛えますね。鍛えた職員はほかの災害地に派遣するのです。それは行政ボランティアなのですね。行政の職員だから、守秘義務とか何とか、比較的行政のサポートができるのですよ。ボランティアセンターのサポートではなくて、行政のサポートができるのです。福祉事務所の職員が行けば、そこの福祉事務所のサポートができるのですね。そういう形で鍛えて、そこに行きましょうという広域連携につながっていくのです。行政どうしの広域連携につながっていくという出口がある程度見えるので、やりがいがあるというところはあるのです。  それをボランティアを育てたら、ボランティアはそういった、広域連携を第3分科会でやっていますが、そういった形である程度登録されたらいけるのかというと、そこはまたちょっといろいろな問題・・・。特に中枢を担う人材というのは、やはり地域の人にやってもらわないと難しいでしょうから、そこをどうサポートをするのかという部分です。この部分は外部の人にお任せしたほうがいい、外部の人のほうが上手にできる、この部分は内部でなければできないという仕切りを、ある程度小村さんがおっしゃった標準化というものにして、その標準化の中で外部の支援部隊としてやれる部分を特に頑張っていくみたいなイメージなのですね。  行政の仕事の中でも標準化をして、ある程度これはそこの市の人でないとやってはいけない、だけど、ここの部分は応援部隊、例えばインターネットのホームページを書き換えるとか、記録を整理するとか、そういうのは外部にお願いしていいわけですよね。本人たちはあそこで災害が起こったといったときに、では、あの地区のあの人を動かしたらどうだとかいうことを一生懸命考えてもらうのです。行政の場合ですね。そういった意味での標準化をする必要があるという議論を、今、行政分科会の中ではしているわけです。  ボランティアにおいても、この部分は外部からのボランティアにお願いして、しかもそのボランティアというのはこういう教育をちゃんと受けている人たちなら、そこで一応の認証を受けている人たちなら、この部分をお願いしていいのではないか。それ以外の人は、こっちの現場のボランティアで指示を受けて動いてもらいましょう。そして、いちばんトップのこのコアの部分はやはり地域の人に頑張ってもらいましょうというようなことを標準化するということも、せっかく育てた人材を、あるいは人材が育とうという意欲をかき立てるためにも必要なことですよね。非常に澤野さんのご示唆はありがたいご示唆だと思います。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  今のお話で、トップというのはやはり地元のかただと思うのですよ。ただ、このチャートでいうならミドルと現場ということです。現場というのも多分二種類あって、つまり本部の現場をやる人と、現場のリーダーをやるような人です。現場の実践部隊は多分その場でアドホックに作ればいい話でしょうから、そういった意味でミドルの部分と現場の、本部における現場と現場のリーダーということについては、やれるところは随分あるような気がします。  すでに幾つかのものについては、それこそ配付資料1のヒント集の中にも、これは使えるというものが幾つも出ているわけですから、そういったものはもっと膨らませていきたいですよね。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  私の事前意見の話が出てしまったからあれなのですが、事前意見の中に大体書いてしまってあります。澤野先生のところは4000名をせっせこせっせこといろいろ時間をかけていただきまして、多分この現場で活動する中で、よき市民といったら変ですが、そういうマインドを持った人たちをたくさん養成していただいています。これはありがたいなと。京都であったときには、その現場のところで黙っていても4000人もらえるのだと、これはうれしいなとかってに喜んでいるのですが(笑)、ごめんなさいね。  ただ、ここに今、第1分科会の資料ですか。このところでいろいろな養成講座というのがたくさんあったのですが、多分ここはけっこういいのが載っているのだと思うのです。ところが、逆にここに載っていない、いろいろな各市会でボランティアマインドのある議員さんが「うちの市ではボランティアコーディネーターの養成はどうなっているのですか」という感じで、市の人が慌てて作ったような安物のボランティアコーディネーター養成講座とかの場合ですと、そうではないのが出てきて、修了証をなまじっか与えてしまって、「さあ、これを受けたら、今日からあなたはボランティアコーディネーターだ」みたいな形になってね(笑)。その結果、何をとちくるったかみたいな人がいっぱい出てきて、その人たちはやはり力試ししたいわけですよ。その人たちがボランティアセンターの現場にやってきて、こんな分厚いものをもらった、こんな資料を持ってきて、「さあ、これを使え」と。「ばかなことを言ってるんじゃないよ」というのがあるので。  やはりそういう人たちを、そういう勘違いの人たちに「ちょっと違うのではないの」と言えるようなことは、やはりこのところで、一定の分科会なりで、そういう標準化という言葉がなじむのかどうか僕は分からないのですが、一定の果実を与えていって、こういうのに打ち勝つにはやはりより良質なものを、良質なといったら変ですが、良質なテキストと、そういったマインドのある現場活動に携わるかたがたをたくさん出すことによって、量より質で勝ってしまえみたいなところがありますので。何とかそのようなことをこの分科会で果実として生み出せればいいのではないかと思います。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  今、お話をいろいろ頂いている中で、例えばこのご提示いただいたような教育プログラムですね。やっているところはあると思うのですが、自分のところがやっているプログラムとか、仲間のレベルアップのしかたとこれがマッチングしているとか、していないとか、こういうのも混ざっているよという、例えばそういうご意見はないですか。  レスキューバイクさんで、仲間内でレベルアップしているときに、そういえばこうなっているなとか、なっていないなとか。 藤田(千葉レスキューサポートバイク)  一応千葉県の話だと、千葉県は何か周りから、内閣府さんから言われてやっているのかもしれないですが、アリバイづくりのためにやっているという感じです。  コーディネーター講座を、毎年幾らかの予算をつけてやっていますが、実際にそこに社協さんが入っているかといったら入っていません。日赤さんは入っているのかといったら入っていません。だれがやっているのかといったら、外のNPOに頼んでいます。千葉県外のNPOです。そういう状況です。でも、知事の角印がついた修了証を貰えると。では、その人たちはどうするのかというと、防災訓練にも呼ばれないのです(笑)。  それで、県で他に何かをやるのかといっても特にないのです。話し合いというか(笑)。ただ、今までの内閣府さんの資料を見ていると、しっかりこういう講座をやっていますと、一応千葉県の報告があります。  バイク隊ということで言われたので、けっこうオートバイという事例というか、川口町で活動させて頂いたのですが、同じ趣味を持っている人なので、話がしやすいということもあって、これ以上やったらやばいなとか、お互いに気を使って、こういうのはやめよう、こういうバイクは遠慮して貰うという形で。あと、ふだんは普通に、防災だけでやっていくのはなかなかモチベーションを保つのが難しいというか、幸い、千葉県は大きな災害もないので。 たまに集まった時以外に、オートバイという共通の趣味で集まっているので、ツーリングとか、キャンプとか、そんな中でみんながこういう話をして、ほとんど千葉県から遠いところばかりで災害が起きているので、行ける人はやはり限られています。行った人の中でそういう話を、あそこはどうだったとか、これはこんな感じだったとか、そういったことを、これをやったら注意されたとか、そういう感じで情報は一応なるべくみんなで持ち合うようにはしています。  コーディネーター講座という名前がけっこう最近流行っているのですが、その辺は、私も実は某講座を一回受けさせて頂きましたが、行って何か足しになればいいのかなというか、行くことによって一応モチベーションが保てればいいのかなと。 あれは多分受けたままの状態で災害地へ入ると、多分皆さん目が血走って鼻息荒くして突っ込んでくるのかなと(笑)、「それきた、災害だ」というような感じにならないようにしなければいけないということもあるかと思っています。 加納(YMCAよこすかコミュニティサポート(渡辺善明代理))  すみません。ボランティアコーディネーターの講座というのは各県で行われているようですが、対象とか、コーディネーターという概念が全部一緒なのかどうかという・・・。ばらばらですよね。神奈川県にもあるのですが、初級、中級、上級とあるのですが。初級、中級か、とりあえずあるのですが、その違いがどうなのかというと、ほとんど変わりがないという(笑)。  ああ、そうなのですか。その辺がちょっと、先ほどのコーディネーターという養成講座の名前がはやっているということから、その辺を標準化するのだったら統一したほうがいいのではないかということです。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  いいですか。この7〜9ページに、人と防災未来センターのボランティアコーディネーターのコースでまた今年もやって、今回3回めですが、今回は社協の人たちもかなり参加されているということがあります。三重県の養成講座でも実施しています。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  どうですか。例えば弘中さんのところでもやっていらっしゃると思うのですが、こういうのと見比べていただいて。 弘中(NPO法人防災ネットワークうべ/宇部市職員)  振らないでください。うちは実はちゃんとできていなくて、単発で過去にやったことがあるのですが、残念ながら毎年定期的にできていない状況なので、もう一回社協さんとも話をしてやりたいなと。市で難しかったら都道府県でやっていらっしゃる他の事例もありますので、県とも相談させてもらおうかと思っております。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  すみません。落としどころの提案があります。  あそこに書いてありますね。でも、あれは観念論なのです。実際に標準テキストは、澤野さんのところに経験、記録もあるということですが、一定のレベルに合わせた経験、記録を収集する作業が必要なのではないかと。どんな災害について、どういう、例えば福井のボラセンの立ち上げ方とか何だとか、実際の復興のあれだとかというのを、今あるものを使ってもいいのですが、経験、記録の収集作業が必要です。それから、標準テキストについても、いろいろなテキストの調査をしたり、選択したりするという作業が必要だろうと。それから、先ほど言ったように、ボランティア活動の中で地域が担うべきもの、外部で応援したほうがいいもの、どっちでもいいものみたいなものを調査して、標準化する作業も必要だろう。  そのようなことを考えると、やはりこういった作業をこれから進めていって、よい標準テキスト、よい記録集、そして、一定のレベルの先生がいれば、生徒は育っていくという仕組みを作る。育った生徒はこういう活動に主に従事することが想定されますから、そういうことで育った、認証するかどうかはちょっとあれですけれども、認証もすれば、その災害時にそういうところで即戦力になるという形を一つの目標にしていったらどうか。  そうすると、その作業をすることと、実際に社会実験して、こういう講習会を開いてみるというようなことを、当面これから先の2年なり3年くらいを想定するのですが、3年くらいの目標に置いてみてはどうだろう。そして、人材を実際に育成していく。澤野さんのところとタイアップしながらでもいいですが、既存の機関にもそういうことをやっていただく。あるいは既存の機関のお知恵を頂くというようなことをしながら、こちらは別に機関として教えるという必要はないわけですが、何らかのそういう臨時的な組織を立ち上げて、こういうものを全部調べるというような作業をしていいのではないかという気がします。  これは今までだったら、「内閣府さん、さあ、やって」になるのですが、少なくともボランティアと言っている以上、内閣府さんにここまで下調べをしていただいて何とかというね、やはりそのあたりはボランティアとしてはちょっと物足りないのです。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  そうですね。このメンバーで継続的に話すというのが私はいちばんだと思いますね。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  そうですね。自分の首を締めるようですけれども。ボランティアというのは自発的にやる人ですから。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  そういうご提案もありましたけれども、その点も含めてですが、ご意見があるかたはぜひお願いいたします。 傍聴者  ここ1年、個人的にほとんど通ってボランティアをやってきています。福祉関連、行政への支援ボランティアはボランティアセンターが必要で、そういう中核になるリーダーも必要だと思いますが、一般の被災者に接するボランティアは、極端な話ボランティアセンターがなくてもいいのですよ。  問題は、中越などはだれもが認めることだと思うのですが、災害ボランティアの経験、資質のない者がたくさん入ってきているのです。こんなに資質のないボランティアをたくさん入れても、実際に被災者のほうとぶつかって、最前線の現場が混乱しているので、センターも混乱しているのですよね。最前線が混乱しなければ、センターもそんなに混乱しないのです。  中越のボランティアの場合を見ていますと、住民とボランティアが衝突しているのですよ。それはなぜかといったら、資質のない者がたくさん来ているからです。ボランティアバスでたくさん送ってくるのはいいのですが、ボランティアバスのリーダーとなる各学校や自主防災会のリーダーに経験が少ないのですよね。そういう人たちにどんなことをやったら住民とぶつかるかという経験を、各ボランティア団体で経験することは伝えてほしいのです。そういう機会がないまま、ただボランティアで行きましょうと、だあっと入っていますので、住民とぶつかりますし、住民のほうもそういう受け入れるような知識や経験がないものですから、混乱しているのです。平常時の活動として自主防災会や町内会や各学校、スポーツクラブのリーダークラスのかたに、災害ボランティアというものが具体的にどんなことをしたら衝突するのか、どんなことをすれば本当に喜んでもらえるのかということを悪い例も含めて教育するというか、講習する機会をしてもらいたいと思います。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  今のお話は、例えばここの経験、記録、暗黙知のところに、失敗例は必ず必要だというお話とご理解してよろしいかと思います。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  それと、例えばボランティア前に一回はそういう講習を受けてから、保険を掛けてからボランティアに来なさいというような議論と似たように、一回も経験がなかったら、やはり一回そういう講習会を受けて、それから来なさいということが必要なような気もしますよね。 弘中(NPO法人防災ネットワークうべ/宇部市職員)  それから、今のボラセンで、やはり初めてのかたに対してはレクチャーをしてから行かせるということもやってこられていると思いますが、そういったことで私はボランティアセンターは必要だと思っています。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  必要なのです。だから、そこのリーダーのオリエンテーションをしっかりやることです。そして、コミュニケーション・スキルの能力も必要です。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  今のお話はリーダーの能力がなかったということですよね。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  そうです。そういうことです(笑)。 傍聴者  一般のリーダーの、リーダーになる経験がないので、そういう一般のリーダーになりうる資質を持つかたに、各団体のかたたちは教育をする機会を与えてほしいなと思います。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  先生役の個性で今までは頑張ってきたわけです。先生役の資質の問題だったわけですよ。だけど、実際はいろいろな人がいて、最低限やっていかなければいけないと。悪い先生でもいい生徒を育てなければいけないのですよ。そういったときの標準テキストやああいう仕組みがある程度導入されれば、安心して、悪い先生だなと思いながら生徒が自分で学べるというところもあるのではないかと思うのです。先生のよしあしだけで議論をしていくと終わらない、なかなか先に進まないのです。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  今の議論で行くと、結局、郷においては郷に従えではないのだけれども、地域ごとに非常に違いがあります。同じ地域でも、地区ごとにまた全然違うし、人間関係、構成で全部違ってきます。特に新潟県中越地震の場合は地域の組織が非常にしっかりしていたので、地域を見る目が求められました。  ボランティアというと、すぐセンターのコーディネーターに目が向きがちですが、実はいちばん被災者と接しているところのリーダーの資質、そこがボランティア活動の重要な部分を担っています。。結局、センターから活動を紹介された集団なり人たちが、実際には住民と接して、そこで活動の成果、成否が決まります。  先ほどの藤田さんの話のように功をあせって、ガーッと突っ込んでいく人もある種やむをえない面もあります。では、その手綱を引き締める人、その人材にも光を当てる必要があります。ボランティアの差というのは、本当にそこの現場の人間が、非常によくできた人間がバーッとやると本当にうまくいきます。センターのちゃんとした機能と合わせて、来る人の資質、それを率いるリーダーの資質をやらないと、両輪でやらないと議論が一方だけになってしまう可能性があります。 黒田(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク)  私は一つだけ、ボランティアは押しつけでは絶対いけないと思います。それと、地域の特性をしっかりと捉えることも大切です、コミュニケーション・スキルを学ぶことです。 傍聴者(長岡市社会福祉協議会 本間)  いきなり振られて(笑)、今いろいろな意見を聞かせていただいてありがとうございました。僕自身も去年中越で長岡のボラセンで、ここの総括で丸2か月間来たわけなのですが、皆さんの話はすごくうなずけますし、思いも分かります。  今の話の来たボランティアとのトラブルというのも実際やはりあったことはあったのです。それで、ボラセンをどんなに一生懸命そこでオリエンテーションして現場に送ったとしても、やはりあの混乱期であの短い時間、たとえ10分、15分のオリエンテーションの中で、こちらのすべてを伝えるというのは不可能な部分が正直あります。逆に来るボランティアもものすごく思いが強すぎて、逆にいえば、みんなオリエンテーションなんて筒抜けなのですよ。筒抜けというか、聞く耳を持たないで、早く現場に行かせろ状態です。その混乱期でうまくやっていくというのは、あの場だけで考えればやはり不可能だと思うのです。  そうなると、あそこの経験知、形式知のあれではないですが、僕らはとかくボランティアをコーディネーターというか、そういうスタッフの部分でいろいろなことを考えるというのがすごく進んできていると思うのです。やはり阪神・淡路大震災から10年たったときに、あのときはボランティア元年といわれたのですが、僕はそれこそ10年たって、今回自分でしみじみ感じたのですが、やはり末端のボランティアのかたの考え方、それに対するサポートというか、教育のしかたというのは、この今のときに考えないとちょっとあれだなと思います。  特に昨日この小村先生と一緒に回ったのですが、やはり地震とかになると、作業的なボランティアよりも対人援助の部分がものすごく入ってくると思うのですよ。そうなったときに、ボランティアは目の前のものに対応するのではなくて、先ほど地域ごとに違うというお話があったのですが、いろいろなところ、特に田舎に行けばローカルルールというのがあるわけです。  逆に入っていくボランティア、スタッフもそうだけれども、目の前に自分の考えで対応するのではなくて、地元のそういうところに逆に適応しながら入っていく姿勢が僕はすごく求められると思うのです。自分も今回、去年は水害もあって、地震もあって、1年に2回もボランティアセンターをやったなんていうのは多分ここぐらいだと思うのです。そんなことで皆さんの考えにもすごく共感できたし、逆にこれだけの皆さん、知識人がいるわけなので、本当にこれに取り組めば、ものすごいものができるのではないかと期待しつつ聞きました。こんなところです。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ありがとうございます。一つのまとめになる言葉なのかなと今思いながら聞かせていただきました。発表のときもお願いします(笑)。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会 事務局長)  でも、やはり中越でやっている以上は、中越の人がもっと発言の機会を持ったほうがいいですよ。 吉村(京都府災害ボランティアセンター副代表)  120%同意します。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  それとですね。ごめんなさい、私は司会で意見を言ってはいけないなとずっと思いながら聞いていたのですが、皆さんにお配りしている資料の参考Aが、実は私のやっている取り組みの一つで、防災ボランティアなり、災害時のボランティア活動を直接講座として教えるという形でやっています。でも、この講座で先ほどおっしゃった言葉の中ですが、対人援助、コミュニケーション能力というものを養成できるのか、やはりあまりできないと思います。多少はできると思うのですが。やはり実践のなかで、OJTで培われていくものだと思うのですね。  では、日ごろに災害時に役立つコミュニケーション能力を育てるOJTがないのか。日ごろの中にもっとあるのではないかと私は思っています。その一つとして、私の仲間たちと一緒にやらせていただいているのは、イベントの中でボランティアセンターを運営して、そこで活動するという方法です。ここの形を災害時のボランティアセンターにちょっと似せてあるのです。  活動の内容は事前には割り振らずに、当日センターに来て決めてくださいと。それを私たちがコーディネートします。現場に行ったら現場でオリエンテーションしてください。現場で活動したら、被災者の代わりにお客さんがやってきて、そこでコミュニケーションをしています。いろいろなトラブルも起こるので、それをセンターのほうで巡回班というのを作って、そのトラブルを個々に解決していきましょう。そして、行政の代わりにイベント事務局というのがいて、イベント事務局とも折衝しながら、そのイベントをよりよくしていきましょう。イベントは2日間とか、3日間とか、短いので、臨機応変にその場でできることを解決で考えていきましょう。それを次のノウハウにつなげていきましょうという活動を実はやっているのです。  そこで活動してくれているボランティアのみんなは災害ボランティアの訓練だとは思っていないのですが、いろいろな人たちとコミュニケーションをして、初めての人たちと仲間になり、そこでチームを作って活動する。その中で班長を決めるとか、災害時にやるような対人的な活動は実は日ごろのOJTでできるのではないかと思っています。災害時だから災害ボランティアを育てよう、防災ボランティアを育てようではなくて、もっと日ごろにOJTを見付けだすということもここでしていければなというのが、私からのいちばんのご提案です。何かご意見があればぜひお伺いしたいと思っております。司会がこんなにしゃべってしまいました。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  いっぱいしゃべっていますが、もうこの際ですから(笑)。これは多分ウェブか何かに載せて、全国で災害ボランティア講座などをやるじゃないですか。最終的には、そういったときのための素材に使っていただく。こういう仕組みがあって、こういう素材があるから。そうすると、一応あまり経験がなくても、だれか一人が一回行って、ちゃんとそれを説明すればできるというような形で広く使われることを想定して、内閣府のお仕事ですから、そういう出口があるのだということで、こういうものを3年くらいかけてじっくり研究することだと思います。 青木(内閣府防災担当企画官)  内閣府として申し上げると、内閣府でウェブに載せますよね。それで、役所でこうやって作ったものには著作権が発生しないから、うちでも広めるし、皆さんもどんどん広めていただくのがいいと思っています。 鍵屋(板橋区福祉事務所長 NPO法人東京いのちのポータルサイト)  どんどんレベルアップして、意見を聞いて、またよくしていくという作業を繰り返していけばいいのではないかと思います。 傍聴者(千葉レスキューサポートバイク 岡田)  すみません。私は千葉RBの岡田と申します。標準テキストの絡みもあるのですが、先ほど藤田も言ったとおり、対象がはっきりしない講座が多すぎるのです。ですから、大学の講座なのに小学生が来ているみたいなことが結構あるものですから、やはり標準テキストもレベルをちゃんと作ってもらって、ここにいらっしゃるかたはそういうことはないと思うのですが、公でやる講座というのはけっこうそういうことがあるものですから、要は対象者をちゃんとしてやらないといけないのではないかと。そこはぜひ盛り込んで頂きたいと思います。  あとは、もうちょっと上のほうというか、コーディネートのところで、官民境界といいますか、そこの仕分けといいますか、そこのところをしっかり認識されて動かれるほうがいいのではないかと思いました。意見です。 藤田(千葉レスキューサポートバイク)  今、岡田のほうから出ましたが、一応、講座とかいうと、みんな阪神・淡路大震災をイメージするのです。講座の内容というのは、みんな映像を見ると全部阪神・淡路大震災なのです。いきなりああいう大きい災害をイメージしてボランティアセンターとやるという感じなのが、まだやはり多いのではないかということがあります。山本さんがやられているような小さなイベントからのボランティアセンターとか、そういうもののテキストから始めていったほうがいいと思います。 何かみんな、バイク隊でいうと、イメージするのは阪神・淡路大震災なのですよね。来るのが、バイクに乗って、瓦礫を登って、人を助けるのだと。そういう思いで土日の天気のいい日に、60台ぐらいとか集まってしまって、というのが中越地震の際にありました。それもハーレーダビットソンみたいなものから、いろいろなバイクが来るわけですよね。中には転んで怪我して帰ってくる人もいると(笑)。  普段からそういう話し合いなどをしているところならいいのですが、ホームページ上とか、そういう標準テキストの中で、そういう小さな活動をメインにして、大は小を兼ねるという言葉がありますが、災害に関しては違うのかなと思います。あまり大きなものをどーんとイメージされてしまうと、多分せっかくバイクで来て、助けようかなと思ったけれども、バイクで活動することがないからと帰ってしまう人も結構いました。バイクをツールではなくて、乗る目的で来るというような感じですね。そういうのがないように、やはりそういうのも標準テキストに盛り込んで頂ければと思います。 傍聴者(国際ボランティア学生協会 桑原氏)  最後に少し、ちょっと皆さんと意見が違うかもしれないですけれども、私は国際ボランティア学生協会の桑原と申します。本間さんなんかと一緒に長岡の災害ボランティアセンターで活動してきました。私がボランティアセンターにいて非常に迷惑だった人たちが幾つかいます。一つは阪神・淡路大震災を経験したかたがた、そういったかたがたが長岡のボラセンに来て、阪神とは違う、神戸とは違うというので、ぎゃーぎゃー言って、違う長岡の僕たちが悪いのかとこっちが暗くなるようなやり方を(笑)。  そういうことが一つありました。実際、私たちはある程度経験がありますけれども、ほとんどスタッフをやっていた人は経験がないから、そういうふうに非常に困惑したということが一つありました。  私たちは水害があったあとに地震があったのですが、私たちは行政も社協とか、地元の人も、ある意味で水害で変に自信をつけてしまって、水害と地震が全く違うにもかかわらず、どこかそこで僕らはノウハウがあるというのでちょっと混乱した部分があります。  それから、先ほど講座みたいなことをやるという話になっていますが、実際に私たちは長岡ボランティアセンターにいまして、何とか何とかボランティアリーダーと手書きで書いているような人たちがいました。その人たちは恐らく知識はあるのでしょうけれども、致命的にコミュニケーション能力が低くて、非常に僕らは迷惑したのが正直なところです。  僕らが逆にありがたかったのは、どういう人材がありがたかったといいますと、そういった経験がある人は一人いれば本当に十分です。アドバイザーみたいな感じで一人いれば、こうしたノウハウみたいなものを伝えてくれるので。いちばんありがたかったのは、やはりコミュニケーション能力が高かったり、人間力があったりする人がそれぞれの地域で非常にやってくれたのが正直なところありがたかったのです。  こういった統一で何か作るのは別に反対はしませんけれども、ぜひぜひ私が言ったことを踏まえたうえでのものにしてもらわないと、ほかの人たちに迷惑にしかならないという、先ほど吉村さんが言ったことになると思いますので。終わりです。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  部屋の外にもうほかの人たちが待っているようですので、ごめんなさい、まだまだご意見があるところだと思いますが、最後にちょっとまとめとして、小村さんに学識者として来ていただいていますので、まとめていただいて終わりたいと思います。 小村(富士常葉大学環境防災学部 助教授)  すみません、私はこの場では全然学識者ではなくて話していますが、申し訳ありません。前半のほうはうまく乗るまでにちょっと真っ青になるような状況だったと思いますが、非常に面白い話だと思います。  まずこれは一つの成果です。これからの防災の人材育成について一つのイメージを持とう。それから、課題が明確になったと思います。一つは標準テキストのための調査、選択です。二つめは経験とか、あるいは記録のものの収集作業、そして、それらを介して標準化に合わないもの、合うものがあるだろうけれども、それをやっていこうという話が一つ出ました。  それから、ここ2〜3年を想定してということなのでしょうけれども、やはりこういう作業を具体的に進めていくためのフレームを作っていこうと。それはやはり内閣府のお知恵とかお金を少し、あるいは立場を借りることがあるかもしれないけれども、それはボランティアだから、やはりボランティアが旗を振らないと、我々の矜持にもかかわるという話ではないかと思います。  その中で、つまるところどこかというと、オリエンテーションの話もありましたが、コミュニケーション・スキルというところをやはり我々は忘れてはいけないなと。その中でいちばん最後の桑原さんのお話の中にもありましたけれども、コミュニケーション能力をどのように高めていくかということを常に意識すべきですし、その意味では今日は本当に我慢に我慢を重ねていた山本さんがハローボランティアネットの話をされましたが、これは多分一つのいい事例になると思います。やはり平常時にできないことは災害時にもできない。その中で、コミュニケーション能力を高めていくということが多分必要なのではないか。そうすれば、あとはポテンシャルのある人にはしかるべき教育もできるだろうし、そのあたりの以上3点ぐらいでよろしいでしょうか。そのあたりが総括になるのではないかと思います。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ということで、短い時間でありましたけれども、ご議論いただきました。最後に事務局のほうから一言頂いて終わりたいと思います。 青木(内閣府防災担当企画官)  ありがとうございました。今日は私どもの用意させていただいたものがあまりにもスコープがちょっと、どこを議論するかというところを明示的にしないままに割に特殊なというか、個別の話を書き出してしまったという部分がありました。これは私の責任です。その部分についてはおわびを申し上げます。  しかし、そのあとの議論で、今、小村先生におまとめいただいたように、大変すっきりしたような気がいたします。そして、ここ第4回で、今、議論した話が例えばすぐ成果物になってどこかに載るというわけではないのですが、ロードマップがはっきりした作業が、ここで合意されたのではないかと思います。そのことはものすごく大きな成果だったのではないかと考えております。どうもありがとうございました(拍手)。 山本(三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会)  ありがとうございました。 以上。