第3回「防災ボランティア活動検討会」 日時 平成17年6月10日(金) 場所 フェニックスプラザ 開会・検討会全体会 (9:30〜10:10) 丸谷(内閣府政策統括官付企画官)  お待たせいたしました。ただいまより、第3回「防災ボランティア活動検討会」を開催させていただきます。皆様には、お忙しい中、福井市にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。私は、内閣府の担当企画官の丸谷と申します。進行役を務めさせていただきます。    最初に、主催者としまして、内閣府の防災担当審議官の武田よりご挨拶を申し上げます。 武田(大臣官房審議官)  皆さんおはようございます。「災害ボランティア全国フォーラム '05 in ふくい」ということで、昨日は大変ご苦労さまでした。そして、今日は内閣府主催の、第3回「防災ボランティア活動検討会」を開催させていただくということで、どうぞよろしくお願い申し上げます。    この「防災ボランティア活動検討会」は、これまでに東京で2度開催させていただきました。そして今回は、福井でこのフォーラムの開催と連携して、併せて開催させていただくという初めての試みをさせていただくわけです。昨日もちょっとご挨拶を申し上げましたけれども、昨年度は非常に多くの災害が発生した年度でした。ご当地、福井でも7月の豪雨がありました。また、新潟、福島など各地での集中豪雨、そして台風も上陸10個を数えるという、大変記録的な被害がありました。さらに、地震でも、新潟県中越地震、そして今年の3月20日には福岡県の西方沖地震ということで、全国各地で大災害がございました。また、年末のスマトラ沖地震、そしてそれによる大津波ということで、世界的にも災害に対する関心も非常に高まりました。今年の1月に神戸で開かれました「国連防災世界会議」は、阪神・淡路大震災から10年という節目で行った会議ですが、これにつきましても、国の内外を通じて、災害対策に関する注目が大変高まっているときに当たっているわけです。  本日お集まりいただきましたボランティア関係者の皆様方におかれましては、これらの一連の災害に関するボランティア活動をはじめ、平時あるいは災害時におきまして、それぞれの地域で、また分野で、最前線であるいはサポーターとして、先導的なご活躍をいただいている方々です。いざというときに、被災者にとっていちばん支えとなる大変大きな役割を果たしていただいているということで、この場をお借りいたしまして、心より感謝申し上げる次第でございます。  この3月に検討会を行いましたけれども、今日はこれまでの第1回、2回の検討を踏まえまして、3回目の本日は、三つの分野でのご議論をいただくということで、人材育成あるいは災害救援の広域連携等につきまして、それぞれ率直なご議論を賜りたいと思う次第です。  今回は、福井県が主催します「災害ボランティア全国フォーラム '05 in ふくい」との合同開催ということもございます。午後は、そちらの方との合同全体会も予定しております。いろいろな角度から、幅広いご議論をいただけるものと期待をしています。そして、ご検討いただきました成果につきましては、さらにこの活動検討会を今後とも展開をしながら、その都度、具体的な取り組みを進めるべきものにつきましては、インターネット等を通じて、広く国民の皆様に情報提供すると同時に、内閣府のホームページのボランティア向け情報の充実や、関係省庁、地方自治体とも十分連携をしながら、ボランティア活動の一層の環境整備が進みますように、努力をしてまいりたいと考えております。  終わりになりますけれども、大変お忙しい中、この検討会にご参加いただきました皆様方に、心から御礼申し上げると同時に、この開催に当たりまして、いろいろな形でご尽力をいただきました福井県の地元の皆様方に、心から御礼を申し上げまして、開会に当たりましての挨拶とさせていただきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。 丸谷(内閣府政策統括官付企画官)  それでは、議事の前に資料確認等をさせていただきます。まず、本日の参加者は、資料8にございます。今回はちょっと欠席の方が多くて残念ですが、代理出席の方を含めて、このような形になっております。2ページ目に有識者、オブザーバー、関係省庁の方々のお名前を挙げております。    本日の全体会の司会につきましては、すでにお隣に座っていただいております同志社大学教授の立木先生にお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。  さらに、このあと三つの分科会に分かれて議論をしていただきますが、その司会進行役につきましては、今回はボランティア関係者の中から内閣府がお願いをしております。議題の内容あるいは地域的なバランスなども考えまして、内閣府よりご本人の了解をいただいておりますので、この形で進めさせていただきますよう、ご理解をお願いいたします。  分科会@につきましては、日本ファーストエイドソサエティの岡野谷様、分科会Aについては、NPO高知市民会議の山崎様、分科会Bについてはレスキューストックヤードの栗田様にお願いしております。今後ともボランティア関係者の皆様に司会進行役を持ち回りでお願いすることがあるかと思いますが、ご協力をお願いいたします。  それでは、開会に当たりまして、立木先生からご挨拶をお願いしたいと思います。 立木(同志社大学教授)  皆さん、おはようございます。昨夜の懇親会は、実は私は京都で学生とコンパをやっておりまして、サンダーバードの最終便でやっとこちらに参りまして、皆さんと一緒に時間を持てませんでした。どうも申し訳ありませんでした。    この会合は、持ち回りで司会をするということになっておりまして、今回はたまたま私になりました。前回の会合では、室崎先生が司会をしておられたのですが、時間管理がいちばん大事だということを先生もおっしゃっていましたし、私もそう思いました。  災害ボランティアというのは、二つのことが大事だと常日ごろ思っています。一つは、災害のときに、ここで自分が駆けつけることは非常に大事なことなんだという「思いこみ」、二つめは、この現場で目の前の被災者を助けられるのは世界じゅうで自分しかいないという「思い上がり」、この二つが大事だと思っています。もう少し笑っていただいてもかまわないのですが(笑)。その「思いこみ」と「思い上がり」の会でございます。皆さんも一家言どころか十家言ぐらい持っていらっしゃる方ばかりですので、本日は時間管理だけに徹して進めていけたらと思っています。吉村さんを含め、皆様方のご協力のほど、よろしくお願い申し上げます(笑)。  それでは、今日の進行について、事務局からお願い申し上げます。 丸谷(内閣府政策統括官付企画官)  それでは、本日の予定でございます。まず、この全体会は、今から10時10分ぐらいまで資料の説明とその議論を幾つかお願いいたします。そのあと、10分ぐらいの移動・休憩時間を取りまして、10時20分から11時50分までの90分間、三つの分科会を行うこととします。    議題ですが、すでにご案内しておりますけれども、分科会@は「防災ボランティア活動に係る人材育成と男女共同参画」、分科会Aは「災害復興期及び平時の防災ボランティア活動」、分科会Bは「災害救援の広域連携、後方支援活動及び情報ボランティア」についての議論となっております。なお、昨日の県側の分科会の中で、支援物資をどういうふうに扱うべきかという議論がありましたが、こちらの検討会でもその議論は随分されていますので、初歩的な議論はとりあえずおいて、こちらの検討会の議論を聞いていただければというご案内をしております。今日もたくさんの方が傍聴に来ておられますけれども、分科会の中で、そういった議論を踏まえて、フロアからのご発言の機会を設けるよう、分科会の司会進行役にお願いしておりますので、分科会の傍聴のほうもよろしくお願いいたします。  分科会ですが、401号室、403号室、そしてこちらと、三つの会場に分かれます。どこに行くかは、全体会の最後に、具体的な部屋の名前をご案内いたします。どの分科会に参加されるかについては、事前にご希望を伺って、名簿上にも書いております。特段、やはり変わりたいということがございましたら、もちろんそれも結構ではございますが、一応事務局の方に一声おかけいただければと考えております。また、出席できない分科会についてご意見などがあれば、こちらにもう一回戻っていただいて12時から12時50分の間で食事をしながら開催される検討会全体会でご発言いただくか、あるいはそのあとの県側フォーラムとの合同全体会、さらには事務局へのメモの送付などでご意見をいただければと思っております。  13時から14時半までの福井県との合同全体会につきましては、本検討会の議論を報告することになっております。その報告者につきましては、本日の司会進行役の立木先生と、各分科会の司会進行役の3名の方々に、ご報告役として壇上に上がっていただく予定になっております。なお、私も支援のために壇上には上がりますが、あまり出番はないかと思っております。  それから、合同全体会で、30分ほど議論の時間を取っております。内閣府から強く「時間をたくさん取っておいてください」と言って、全体の3分の1ぐらいを議論のために取りましたので、フロアからになると思いますが、ぜひこちらの検討会のメンバーから積極的にご発言をいただいて、30分が無駄にならないとは思いますが、ぜひご発言をお願いしたいと思います。本日の予定については以上でございます。 立木(同志社大学教授)  どうもありがとうございました。それでは、引き続いて、大量の資料がございますので、その資料の説明を事務局からお願いします。 丸谷(内閣府政策統括官付企画官)  それでは、資料を簡単に説明いたします。資料1の「防災ボランティア活動の情報・ヒント(案)」は、前回第2回にお配りしたものを、皆様のご意見を踏まえて修正したものです。修正の趣旨ですが、表紙の裏側の目次にあるように、「1.センターの設置運営編」、「2.災害ボランティアセンターの資金編」、「3.安全衛生の確保、業務の範囲編」を合冊にしたものです。大きく修正したのは設置運営編です。前回は資料集的なものになってしまって、あまり知識がない方がざっと読んでもすぐには分からないというご意見がありましたので、やや読み物的にして、ただテキストとして決め切ってしまう表現は控えながら、事実関係をベースに、分かりやすさを重視して、私どもの方で整理し直したということです。今回は時間がもったいないので、この議論をあまりする予定はありませんが、表紙の裏にも書いてありますが、修正意見を募集中です。特段の意見があれば、今日の検討会でも出していただければと思いますが、引き続き事務局に意見を頂ければ、修正をしていきたいと考えております。  資料編については、お荷物が重くなるということで、次の資料2に書いてある防災ボランティア関連情報のWebサイト「http://www.dynax-eco.com/bousai/index.html」に、この資料ともども掲載しておりますので、資料が必要な方はまずWebサイトで見ていただきたいと思います。Webサイトを出してください。  フライングかもしれませんけれども、そろそろ梅雨の時期に入りますので、皆様方にご相談する前に、仮供用ということで、このボランティアのページがホームページからすでに見られることになっております。この上に「みんなで防災」というページを枕にしております。内閣府の防災情報のページ「http://www.bousai.go.jp」の「みんなで防災」というところに、ボランティアをはじめ、民間あるいは個人の方々に見ていただくページを作り、その下にこの防災ボランティアのページを分かりやすく再格納するという形にしております。「防災ボランティアの情報・ヒント集」が防災ボランティアのページの右側3番目にあるのですが、この資料は少し古くて、現在は右側の一番上に格納しています。いちばん目立つところに置きました。  こういうふうにホームページを作っておりますが、それぞれの内容について、ハードコピーでお配りしているとおり、こういった資料があります。「緊急災害ボランティア活動情報」は、今まで内閣府の防災のページに格納されたものを、見やすく再整理したものですが、そのほかに、「ボランティアセンター運営様式集」や、後ほど申し上げます「ボランティアの『お作法』ガイド」など、幾つか資料として掲載しております。このサイトについても、とりあえず立ち上げてみましたので、ご意見を伺いながら修正をしてまいりたいということです。  続きまして、資料3ですが、今回初めて作ってみましたので、たたき台として「『お作法』ガイド」という名前にしてみました。今までご意見がありました、ボランティア活動の規範、工夫、べからず集みたいなものを何か作るべきではないかという話でございまして、たくさんのことが思い浮かぶと思いますが、とりあえず新潟県中越地震の現地調査を踏まえて出てきたものを、幾つかサンプル的にこちらに載せてみました。一つはボランティアの規範ということで、基本的なルールのようなものがあるだろうということです。二つめは活動のルールの工夫ということで、規範というわけではなくて一般化することは難しいのですが、なかなかおもしろいアイデアがあったらこういったところに載せようということです。最後はべからず集ということで、こういったことをやってはいけないということです。  今回、この内容についてご意見を頂くということもありますが、私どもとして、スタートに当たりまして「お作法ガイド」という名前でいいのだろうかと思いました。私どもの検討メンバーの若手の意見を採用したということで、最初は「規範集」とか「べからず集」とかいろいろな名前を考えたのですが、「作法」という言葉がいいのではないかという意見が出ました。その「作法」を通じてどういう名前にしようかということになりましたら、「お作法ガイド」という名前に納まったということです。個人的には、これでいいのだろうかと心配しているのですが、ご意見があれば、この名前も踏まえて考えていきたいということございます。  次に、資料4ですが、ボランティアの安全衛生確保の関係で、前回の第2回の検討会で、安全衛生の専門家に支援が頂けないかという話がございました。それで、私どもが厚生労働省に相談に行きましたところ、日本労働安全衛生コンサルタント会のご紹介をいただいたということです。その会の関係資料は後ろについていますが、1ページ目にその経緯を説明しております。2.のところに説明の中で、このコンサルタント会の業務などが書かれております。  事務局長の方から、ボランティア現場でも活動できるノウハウを持っておられるということ、それからコンサルタントとして業務でやる場合は契約が必要ですが、今までもボランティア活動をされている、会のメンバーもいらっしゃるので、ボランティアとしても可能性はあるということです。その際に、組織として正式にということでなければ、会員周知というような形がとれるのではないかということです。Cですが、全国に会員はいらっしゃるそうです。Dですが、どのような業種で、どのような立場で、どのような時期・機会に協力が要請されるのかということを、具体的に教えてほしいということを言われています。  ボランティアセンターでこのような方々に、いつ、どのような形で、どういう業種の専門家に関与いただきたいかということを、できればこの場で、あるいは後日でも結構ですが、出していただきまして、それを宿題として返してまいりたいと思います。そこで先方が何らかの対応をしていただけるということです。もちろん、建設業の関係については、労働安全の別の検討会のようなものが独自にありますが、そういった人たちともメンバーとして重なっているということなので、このコンサルタント会の方々が橋渡し役になっていただけるようですので、こういうときに来てほしいというご意見を、遠慮なくぶつけたいと思っております。  資料はないのですが、前回の宿題として、ボランティア保険の額とか条件とかがこれでいいのだろうかというお話がありまして、全国社会福祉協議会の方に、説明と協力要請をしまして、秋ぐらいに予定しております次回の検討会の前に、できるだけ勉強の機会を設ける方向で調整に入っておりますので、ご関心があるかたのご参加を含めて、また具体的にご周知させていただきたいと思っております。  次に資料5から資料7までですが、これは分科会の議題に沿った資料です。ちょっと開く程度のご説明ですが、すべての資料につきまして、最初に「第2回防災ボランティア活動検討会」およびその前の「平成16年度防災とボランティアのつどい」での議論の整理をしておりまして、あとは関係資料をざっとつけております。今回は分科会が三つに分かれておりますので、資料説明というよりも発言の時間をたくさん取れると思います。各分科会で資料説明は簡単にしますけれども、体験や実績を踏まえたご発言をできるだけお願いしたいと思います。すでに事務局からご発言いただけませんかと打診をさせていただいているメンバーの方も、それぞれの分科会でいらっしゃいますが、それ以外の方も含めまして、ぜひご発言をお願いしたいと思います。  次にボランティアのバスの資料が入っていると思いますが、これは広域連携の関係で、三重の事例を載せたきれいなパンフレットを作られたそうなので、わざわざお届けいただきました。どうもありがとうございます。これも分科会Bの資料になります。  資料9は、Webサイトで議事録を公開していますということで、こちらで見ていただければと思います。前回の議事の確認は、申し訳ございませんが、これで代わりにしたいと思います。  最後に、資料10「事前意見」ですけれども、山本さん、洙田さん、宇田川さんの3名です。洙田さんは今日もご出席いただいております。ご紹介は省略させていただきますけれども、短いですのでざっと眺めていただいて議論をしていただければと思います。資料の説明は以上でございます。 立木(同志社大学教授)  全体の時間配分を申し上げますと、分科会が10時20分からですので、移動を含めて考えますと、これから10分程度の質問の時間がございます。せっかくですから、今ご説明いただきました資料に関して、何かご質問やご意見をこの場で出していただければと思うのですが、いかがでしょうか。はい、中川さん。 中川(時事通信社、特定非活動法人東京いのちのポータルサイト)  中川です。以前、池上さんとちょっとやり合った「べからず集」のネーミングのことだけ。私としてはこの「お作法」ガイドというのはいい言葉かなと思っています。漢字にするか、場合によっては「おさほう」とひらがなにしてもいいかなと思います。ひらがなネーミングは神戸で、僕も参加してたくさん作りました。語感としては、してはいけないよという感じではなくて、自分たちでこうしようよというイメージとしては、「お作法」というのはいい言葉だなと思いました。あのときに「べからず集」という言葉にちょっと逆らってみた私としては、この言葉はとてもいいかなと思っています。まず意見表明。 立木(同志社大学教授)  これは今日新しく出てきた資料で、事務局としてはこのタイトルにちょっとびびっているところがありますので、まず一家言お持ちのたくさんの方々から、どんなものだろうという感触をちょっと・・・。 吉村(あんしんまちづくり京都都市青年団、ユース21京都)  私がここで口を開くと、何でも反対だと思われるかもしれませんが、実は賛成です。京都人でございますので、「マナー」となってしまいますと、何か官製的なイメージがものすごくあるのです。中川さんの肩を持つわけでも何でもないのですが、私どもユース21京都の創設者のひとりは先年若くして亡くなりましたが、裏千家の家元の弟なのですが、例えば裏千家などは、すべて民間的なところからボトムアップで上がってきたというのが、ある程度の「お作法」であるというふうに思っておりますし、「お作法」というものは作られていくものだと思いますので、みんなで作法を作っていけばいいのではないかなと思います。「マナー」の場合は、例えば携帯電話でしたら使ってはいけないものは使ってはいけないのですけれども、「お作法」の場合でしたら、一つの型ではなくて、その周辺にあるものであれば範疇に属するわけで、ちょっと似たような状況であれば、可能な限りオーケーにする懐の深さがあると思います。別にだれからこれを言えと言われているわけではないのですが、いいなあと純粋に感じた次第です。 立木(同志社大学教授)  ありがとうございます。「お作法」があったら、そのうち家元とかそういうものが出てきて、内閣府とか消防庁とかいろいろ立ったらそれはそれで困るかな、というのは半分冗談でございます。いかがでございましょう、これは本当に事務局としてWebで公開するのですが、「これはおちゃらけでないか」などの意見はありませんでしょうか。「規範」のようなもっともらしいものよりは、実際に使うボランティアの方々のご意見で、こういうネーミングにしたいなと思っているのですが、賛成・反対含めて、せっかくですからいろいろな角度からご意見を頂きたいと思います。まだ8分ありますから大丈夫です。はい、どうぞ。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会)  澤野です。私は反対意見の方です。私は、現場のボランティアをやっている人の雰囲気に「お作法」という言葉は完全に浮くと思います。それと、今言った家元の話で、そういった人たちの意見もよく聞かないといけないと思います。我々はそう思わないけれども、向こうとして「こういう言葉を使われては困る」と思う人たちもいると思うのです。品があるという点ではこの言葉は非常に好きなのですが、現実の雰囲気で、「おまえたち、『お作法』だぞ」と言ったときに、「はあ?」という人たちの雰囲気が目に浮かぶのです。    趣旨はいいのですが、「マナー」にしないという点はいいのですが、もう少し若い人の意見を含めて、果たしてこの言葉の意味そのものが分かる人がどのぐらいいるかも含めて検討した方がいいのではないかと思います。先生のゼミの若者に「お作法」と言って、ぴんときますかね(笑)。 立木(同志社大学教授)  京都なら分かる。 澤野(災害救援ボランティア推進委員会)  先生は京都か。 立木(同志社大学教授)  私の言葉を取らないでください(笑)。分かりません。どうでしょうかね。若い人を中心に練っていただいて、とりあえず「べからず」よりは肯定的というかポジティブな感じにはなっているのだけれども、「マナー」よりは・・・。はい、川上さん。 川上(特定非営利活動法人Vネットぎふ)  私は賛成の方ですが、「規範」とかそういう言葉はボランティアの側から見ると、「またお上の方が、役所が規定集を考えてきたぞ」ということで、「規約集」とか「規範集」と書いてあるだけで読まない。拒絶反応を起こしてしまう。それから見ると「お作法」というとすごく読みやすい、とっつきやすいネーミングでいいかなということは思うのですが。 立木(同志社大学教授)  どうでしょうか、自分で若いと思っておられるかた。すみません(笑)。はい、はい。 岡野谷(特定非営利活動法人日本ファーストエイドソサエティ)  いや、若くはないですが、日本ファーストエイドソサエティの岡野谷です。「作法」というふうに表現をするのではなく、「お」をつけたところがいいかなと思っています。若者たちが「作法」というものが何だと思っているかは別としても、こういうものだよということを定義していくわけですから、きちんと定義をしてあげればいいことではないかなと思います。ただ、内容についてはもうちょっと精査して、充実させていけばいいかなと思うのですが、この「お」というのをつけていただければ、とてもいいネーミングではないかと思っています。   立木(同志社大学教授)  精査していけばいいのではないかというのは、例えば具体的にどのあたりを精査するとか、付け加えるとか、深めるとかすればいいと思われますか。 岡野谷(特定非営利活動法人日本ファーストエイドソサエティ)  これからずっと練っていくものだとは思うのですが、現在の文章は「こうしなければいけないのではないか」という文章と、「現実に今、こうだよ」というものがごちゃごちゃになっていると思うのです。まだ書類が1枚ですから概要がわかりますが、これから内容が少しずつ増えてくると読み易いように項目を分けるといいのではないかと思います。また、実際の現場で作業をしている若い人たちが思っていることと、外から大人が見て「こうしなければいけないのではないか」と思っていることが、食い違っていないかどうかも、もう少しみんなで出し合っていかないといけないかなと思います。   立木(同志社大学教授)  とりあえずたたき台なのですが、たたき台を作られた側の方から、これがどういう経緯ででき上がったのか、ちょっとご説明を、30秒でしていただければ。 丸谷(政策統括官付企画官)  まず、「べからず集」という話があり、「規範集」という話がありましたので、「べからず」と「規範」は一緒には作れないので、その共通の名前を考えるということでした。最初、私自身は「ルールブック」という言葉を思いついたのですが、「ルールブック」だと、よく考えるとそれ以外にできないなという話がありました。「ルール」という言葉よりは「ルールブック」の方が格好いいかなと思ったのですが、それはやめて、「作法」という言葉の方がいいのではないかというような流れで出てきたということです。「作法」というのは、どなたかがご提唱されていたものだと思います。それぐらいしか経緯はありません。 立木(同志社大学教授)  中身の項目というのはどんなふうになっているのですか。 丸谷(政策統括官付企画官)  項目は、「規範」と「べからず」があるということをまず想定して作りましたが、それ以外にもったいない、こういう「工夫」というものがあるなと気づきましたので、3分割にしたということでございます。「規範」はこうあるべきだとみんなが合意できるような、これは守らなければいけないなという感じのもので、それ以外は全部「工夫」にしたいということです。 立木(同志社大学教授)  はい、どうぞ。 中川(時事通信社、特定非活動法人東京いのちのポータルサイト)  先ほどのひらがなの話にこだわるのですけれども、いろいろな人たちが合意しやすい言葉が、神戸で作ってきたひらがなだと思うのです。漢字にしてしまうと、川上さんが先ほどおっしゃったようなこともあるので、「規範」とか「工夫」も、できるだけそういうところをひらがなにしてあげて、「自分たちのものだぞ」という感じのイメージを作ってあげるといいのかなと思ったのですけれども、どうでしょうか、若い人は。 立木(同志社大学教授)  先にまだしゃべっていない人。次に吉村さんにいきますから。 洙田(医師・労働衛生コンサルタント)  確かにですね、僕は年を取っていますが、嫁さんに言われて髪を染めました。それはともかくとして、柔らかい言葉というのがやはり必要だと思うのです。僕がやっているのは、ボランティアの安全とか衛生に関することですが、「安全・衛生」という言葉をまともに出したら反発を食らうことが多いのではないかと思うのです。だから、中身は安全・衛生なのだけれども、やはりひらがな言葉をどこかで作らなければいけないなと思っていました。そういった意味で、「お作法」というのは柔らかくていい言葉ではないかなと思います。 立木(同志社大学教授)  吉村さん。 吉村(あんしんまちづくり京都都市青年団、ユース21京都)  時間がないので手短に言います。さっき澤野さんが分かりにくいのでないかと言われましたが、若い人間に受け入れられないことはないのではないかと思います。先ほど若いと言いましたが、確かに現場のボランティアの世界でいうと、だいぶ中堅というかうるさ型になってきているのは実感しているのですが。ただ、我々グループの中で、例えば何らかのマナー違反をした人間に対して、ある程度しかったりとかペナルティーを与えたりすることに関して、実は「おしおき」という言葉を使っているのですけれども、実際そういうことをやったりするうえで、例えば「お作法」という言葉が、皆さんは皆さんのそれぞれの活動で、先ほどの話ではないですが一家言どころか10も20もいろいろな主義などをお持ちだと思うのですが、「お作法」をある程度のたたき台として出して、それを皆さんがたのボランティアの団体やNPOの中で皆さん流の「お作法」というものを、例えば茶道や華道でも何とか流がたくさんあるわけですから、それから派生した形で皆さんがたの中の「お作法」というものを加工して発展させていけばいいわけです。  自分たちの現場のメンバーに「『お作法』って何ですか」と言われたときに、私はこう考えるよということを生み出す一つのきっかけになればいいと思いますので、重ねて私は賛成です。 立木(同志社大学教授)  たぶん栗田さんの発言が最後になると思うのですが。 栗田(特定非営利活動法人レスキューストックヤード)  ありがとうございます、それを見計らいました。私は「お作法」でもいいと思っていますし、もっといいのがあれば、これからも議論していかなかればならないと思います。問題は中身だと思っていて、これがどういう経緯で出てきたということと、これからどういうふうなことで詰めていくのかということを聞かせていただきたいと思います。    つまり、ボランティアというのは、本来自由な活動だと思うのです。こうしなければいけない、ああしなければいけないということは一応書いていかなければいけないと思うのですが、例えばボランティアセンターを開設して、そこの受付を通さない人たちはボランティアではないというような概念をボランティアセンターが持つと、これはおかしくなってしまうと思います。その辺を十分に気をつけて文章を書いていかないとおかしくなってしまうのではないか、本来の流れから離れてしまうのではないかということは感じました。 立木(同志社大学教授)  今のは、事務局への注文というふうに、あるいはこれを膨らませていくときの方向性として、あまり規範的にならずに、みんなの合意というか、しかも自発的に合意したことで、これを膨らませていこうというふうに理解してよろしいですか。はい、ありがとうございました。はい、では、時間的なことがありますから手短に。 弘中(特定非営利活動法人防災ネットワークうべ)  NPO法人防災ネットワークうべの弘中と申します。「お作法」には賛成なのですが、中身のところでいきなり「1.規範集」という堅い言葉になってしまっています。先ほど「ルール」というお話がありましたけれども、「最低限のルール」とか、あるいは「心構え」とか、「心掛け」とかですね、少し柔らかい言葉に、中身の方もしていった方がいいと思います。この辺も検討していきたいなと思っております。 立木(同志社大学教授)  ありがとうございました。ひらがながいいのではないかということで、「こころがまえ」「こころがけ」という。皆さんも時間管理の心構えを持っていただきまして、進行させていただきます(笑)。あとは分科会で言いたいことを言っていただいて、午後の検討会でもう一度発言のチャンスがございます。10時20分から分科会が始まってしまいますので、移動時間も考えて、一端ここで事務局の方から分科会のご説明をしていただきます。 丸谷(内閣府政策統括官付企画官)  部屋の移動についてでございますが、人数は考慮の必要があまりなくなりました。こちらでは分科会@を開催しまして、分科会Aは401号室、分科会Bは403号室で開催しますので、分科会A、Bのかたはエレベーターなどをお使いいただきまして、4階に行っていただければと思います。エレベーター付近に案内が立ちます。恐縮でございますが、ネームプレートを一緒に持って行っていただきますと、便宜だと思いますので、ご協力をお願いいたします。それでは、10時20分をめどに開催いたしますので、ご協力お願いいたします。 西川(内閣府政策統括官付参事官)  すみません、傍聴者の方にお願いがあります。今回、会場は座席等が少し限られております。会場によっては若干立って見ていただくことになろうかと思うのですけれども、ご了承いただければと思います。よろしくお願いします。     2