NPO法人ながおか生活情報交流ねっと

活動地区 新潟県長岡市を中心に、その周辺市町村(長岡・市内各地域・中之島・与板・三島・越路・山古志・栃尾・見附・小千谷・南蒲原郡・三島郡・刈羽郡・北魚沼郡など)を対象に、地域の様々な人材をネットワークし、交流を支援する組織として活動している。
活動の経緯

地域のさまざまな人たちのパワーを結集し、地域情報の流通を促進し、地域住民の交流連携を推進することにより、地域のIT化支援及び地域の活性化を図り、情報化時代に対応した豊かな地域社会の実現を目指すため、長岡市及び周辺町村の6市町村の住民、行政職員、住民活動団体など、さまざまな人・組織が連携し、2001(平成13)年に組織が立ち上げられた。現在は、1.まちづくりの推進を図る 、2.情報化社会の発展を図る、3.経済活動の活性化を図る、をテーマに活動を進めている。

■各種団体のIT化のサポート
ホームページ作成支援、イベント情報発信支援等を通じて、住民活動組織のIT化による情報発信・情報交流等を支援。

■地域情報ページの運営
 誰でも参加ページを地域ごとに配置、電子国土を使った地域地図の作成、RSSによるニュース収集・配信を通じて、地域間の情報交流と地域活性化を推進。

■店舗・企業・農のIT等サポート
企業等のホームページ等作成、セール・イベント等の情報発信を通じて様々な手段で消費者に情報を発信できるよう、IT化を支援。

■えちごにすと・イベントの開催
えちごにすと登録(地域内に自分の専門で貢献したい人・グループのリスト作成 )、ミニ交流ベントを開催を通じ、地域間交流イベントを展開。

運営体制 桑原真二氏を理事長として、会員は会社員、専業農家、学生、飲食店主、教員、行政職員、主婦、プログラマー等の、様々な職業のメンバーで構成されている。ML会員は43名。今のところ専任はおらず仕事の傍ら活動をしている。
防災まちづくりとの関わり

新潟・福島豪雨災害や新潟県中越地震において、各種BLOG(「ウェブログ」を略した言葉で「Web上に残される記録」というような意味を持ちます)及びITシステム構築を行うことによって、復旧・復興に大きな力を発揮した。また、実話を基に絵本の作成なども行っている。

■災害救急対応での各種BLOG及びITシステム構築
新潟・福島豪雨災害では、当初は行政との連携が十分ではなかったものの、見切り発車的に、被災情報を集約化するBLOGを立ち上げ、これをボランティアセンターBLOG立ち上げに繋がるなど、大きな成果を上げた。新潟県中越地震の際も、山古志村にメンバーが居たため、災害発生後三日目には、山古志緊急BLOGを立ち上げ、災害状況の共有化を図った。

■復興支援絵本『山古志村のマリと三匹の子犬』の出版
山古志村の村民から犬のマリのエピソードを聞いた桑原氏(ながおか生活情報交流ねっと理事長)が絵本化を構想、「NPO法人ながおか生活情報交流ねっと」のMLのなかでこの話が話題になる中で、協力する出版社を募り、地元で製版、印刷を行い、本書の売上金の一部は中越地震復興に使われている。また、2月26日には、山古志村や臨時村役場がある長岡市の子どもたちに計千冊が寄贈された。現在も、「まちかど情報員」から引き取られた子犬を巡る交流がアップされ、地域の交流の輪が広がっている。

■防災情報ボランティアの育成(計画中)
新潟県中越地震において各種BLOGが立ち上がったが入力できる人が限られていて各ボランティアセンターでも困っていた。また、災害時において最も大事なのは災害のあった地域からの情報であるが、その伝達方法が確立されていない。携帯電話、携帯IT、パソコン、紙伝達等があるが、その辺の使い方情報の流れとBLOGへの携帯・パソコンからの書き込まれたRSS注)情報を防災課等にいかに集めるかなどについて、地元の長岡大学の協賛を得て「情報ボランティア教室」を開催する予定である。なお、紙情報伝達についても、越路町のやりかたが効果を発揮したので町内会ベースで電力無しにできる仕組みの構築を検討している。注)RSS(Rich Site Summary):情報集約を効率化するための記事情報の規格フォーマット

BLOGサーバーを導入し防災情報システムの構築を検討
BLOGサーバーを導入して無償で各地域(情報ボランティア付)に提供し、普段は地域情報を流すBLOGに活用、一方、災害・防犯情報等は各BLOGに先ほどの用法収集の流れとは別に防災課・警察署等から受信して表示できるシステムを構築する予定である。地域と行政間双方向のRSS情報交換を実現させ、情報交換をNPOが管理することで情報の信頼性を高められると考えられる。全国でも受信できるので、このシステムの効果に様々な広がりが期待できる。

今後の防災まちづくりに向けて ■平時、地域間の交流を支えていたネットワークが被災時には支援の基盤に
災害が発生する前に形作られていた地域のネットワークが、ITという技術を活用することで被災時には復旧・復興の基盤となった。BLOGで発信していたメンバーとのコミュニケーションの輪の中で、これまでであれば、埋もれていた挿話が、発掘され、絵本づくりを通じて復興に向けてのきっかけづくりにもなった。地域情報を流すBLOGが、非常時の防災情報システムに移行する仕組みまで想定し、その人材育成や、新たな情報システム構築に取り組む『ながおか生活情報交流ねっと』の活動は、災害に備えたITシステムのあり方に示唆を与えている。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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