NPO法人FUSION長池

活動地区 NPO法人FUSION長池は、多摩ニュータウン南西部の長池公園を中心に、住民の暮らしを様々な角度から支援することを目的に活動を行っている。
経緯

NPO・FUSION長池は、1995年の夏休みに「平成狸合戦ぽんぽこ」のアニメを“せせらぎ北”団地の子供達に上映したことをきっかけに、高齢化の進む多摩ニュータウンの今後を話し合う中から活動が始まった組織。1998年4月地域の電子井戸端会議・ぽんぽこメーリングリストや「長池わくわくWEB TOWN」が立ち上げられ、活動の輪が広がった。そして、2002年6月NPO法人化し、以下のような活動を行うまでに至っている。


■住まいづくり支援事業(夢見隊)
「あったらいいなこんな家」という夢の住いづくりを支援するため、多摩ニュータウンでコーポラティブ住宅を作るプロジェクトを実施。


■住宅管理支援事業(住見隊)
団地の管理を支援、質の向上を図るため、窓口管理業務、団地会計業務、管理組合や入居者の相談役となるコンサルタント業務を実施。


■情報高度化支援事業(高支隊)
企業の協力を得て最適な高速インターネット接続環境を構築し、PCレスキュー隊(ボランティア活動)と高支隊(有償)を組織して、住民のITの活用サポート。


■地域活性化支援「地活隊」
地域の顔が見える人間関係の構築を目指し、長池ぽんぽこ祭りへの協力、スポーツ大会、街並み探検隊、芸術作品展、など地域情報を発信する活動を展開。


■広報支援事業(夢伝隊・ゆめつたえたい)
 地域活動を応援するため、ぽんぽこ瓦版を1万部(季刊)発行、「ぽんぽこネット」(メーリングリスト)、「ぽんぽこウェブ」ホームページを運営。

防災まちづくりとの関わり

■元気農場
三宅村の福祉課長とインターネットで知り合い、何ができるかを話したことからアイデアが出て、活動が始まった。まず、都営住宅で「鳥のケージ」にいる感覚で元気をなくしていた三宅の人々を畑の手伝いに呼んだのが呼び水となって、三宅島からニュータウン内の都営住宅に疎開している高齢者(農業者)へ、遊休耕作地を貸すなどの支援を行うこととなった。


■インターネットカメラを使った安心まちづくりの検討
インターネットカメラの開発実用化を行なうベンチャー企業(㈱エイビット)と協力し、長池ネイチャーセンター、高尾山頂上部にカメラを設置。長池ネーチャーセンターでの活動状況、高尾山(平時)や八王子市街の様子を24時間中継。「火の見やぐら」の現代版を実現している。また、防犯についてのニーズが高まっているため、電子お守りシステムを開発。バス停などに中継装置を置きタクシー会社コールセンターなどと連携する等アイデアを具体化し、多摩ニュータウン全体を安心に生活できる街にしようと検討している。

センター掲示室壁面にせっちされたカメラ。
実験により、全体が分かり、
かつプライバシーが守られるカメラ位置がここ。

防災まちづくりへの示唆

■メーリングリストの効果的活用による、地域交流とコミュニティの強化
フュージョン長池では、活動の立ち上げ期に、メーリングリストを活用した情報共有・発信が大きな効果を挙げた。完成直前に長池ネーチャーセンターが燃えた際も、メーリングリストを通じた、火災発生時の情報共有と発信が、その後の再建に向けての地域の動きにも、プラスに働いたという指摘がされている。また、三宅島からニュータウン内の都営住宅に疎開している高齢者(農業者)へ遊休耕作地を貸すなどの被災者支援(元気農場)も、三宅島の課長と、“牧場のおっさん”(多摩ニュータウンで牧畜を営む方)とのインターネットを介した対話から実現された。このような、メーリングリストの活用のあり方は、防災を核とした、コミュニティ形成や地域交流の促進に資する。


■新たな防災技術を活用した防災まちづくりの促進
フュージョン長池では、新たな防災技術としてインターネットカメラを活用し、地域の防犯、防災に役立てることを検討し、民間企業と協力し、長池ネイチャーセンター展示室や、高尾山頂上部にインターネットカメラを設置、リアルタイムの現場状況をHPを通じて公開している。このような新たな防災技術の活用は、従来のまちづくり活動に防災風味のまちづくりを拡げていく新たな可能性を示すものである。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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