京都駅周辺防災ネットワーク協議会
1.防災まちづくり活動の経緯
・協議会発足の契機は平成17年5月に、地下鉄烏丸線京都駅で白煙騒ぎが起きた際、駅北側の企業はそのことを知らなかった、という出来事に始まる。京都駅ビル周辺は鉄道駅をはじめ集客施設が集まり、地下街・地下コンコース・南北自由通路等で結ばれており、どこかで災害が起きれば被害はビル等全体に及ぶ。個々のビルや事業所には消防計画があるが、事業所間の連絡体制がない中で起きた出来事で、「これはまずい」という思いから各事業所が集まり、何がまずいのか具体的に洗い出しを行った。連絡が入らないこと、駅周辺では面として防火区画が考えられていないこと、出入口が多いため避難誘導中でも知らずに入ってくる人が多いこと等が挙げられた。
・この対策として、地下鉄京都駅を中心として南北自由通路で繋がる範囲の事業所をメンバーとして、同年7月に当協議会を立ち上げた。現在28事業所で構成されている。
2.主な活動内容
①平成17年
・実務担当者研修会(H17年)
防災ネットワークマニュアル作成、連絡訓練、地下浸水対策や爆破予告への対応に関わる担当者研修会を実施
・「白煙騒動」を再現しての第1回災害連絡訓練
・テロ対策研修会(アメリカ大統領が京都に来るということで実施。鉄道関連施設連続放火事件を想定した訓練。このネットワークの存在の有効性も確認できた)
②平成18年
・災害時の防火シャッター閉鎖研修会
災害時の防火シャッター閉鎖に関わるマニュアル研修会を実施。防火シャッターは各社異なる仕様なので勉強になった。
・路上生活者による放火や会員事業所からの火災発生を想定した通知、連絡、警戒促進等の訓練
③平成19年
・浸水体験(京都大学防災研究所にて。深さ20cmの流水が来ると階段が上がれなくなることを実体験)
3.活動の成果と課題
①成果
・情報連絡訓練等を通してこのネットワークの存在の有効性が確認された
・浸水対策実体験や防火シャッター研修など、実際的な内容で対策を考える上で大変参考になったこと etc.
②課題
・会員事業所の拡大
・連絡のハード面整備(現状では10分程度要するので、迅速化が必要)
・防火シャッターは8つのゾーニングで閉める順を決めているが、営業の関係などから訓練がなかなか実施できない(何か起きるまで有効性の検証がしづらい)こと